【感想】火の山(1)

手塚治虫 / 手塚プロダクション
(3件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • assh

    assh

    大切なことがみえている人間関係をきちんと描かれている。でもいづれのストーリーもほとんどが悲劇であることが悲しい。

    投稿日:2011.07.29

  • さしみ

    さしみ

    人間対自然。

    手塚治虫は何度もこのテーマを描いている。
    『火の山』はその中でも特に土俗的というか、困窮した人間、学のない人間、利に流される人間をリアルに描いているように思う。

    『最上殿始末』も良かったし、『もの憂げな夜』もこのページ数でよくこうしたドラマを描けるものだと毎度ながら感心する。続きを読む

    投稿日:2010.11.14

  • mrwin

    mrwin

    (内容)
    昭和18年、戦時下の北海道有珠郡壮瞥村に大異変が起きる。
    地震、鳴動、そして大地の隆起。
    昭和新山の誕生であった。
    私財を投げ打ち、噴火の記録と山の保存に奔走する、地元の郵便局長・三松正夫。
    たまたまその地に居合わせたために助手をつとめるようになった無頼漢・井上昭和は、いつの間にかその情熱に魅かれていく。

    (感想)
    昭和新山の噴火記録と山の保存の為に私財を投げ打って奔走した実在の人物、三松正夫氏を描いた作品。
    手塚作品の中でも地味な作品だと思いますが、何故か好きです。

    「火の山」は、1979年3月30日号のビッグゴールドに掲載された作品で、手塚作品の中でも後期にあたります。
    少ない台詞で昭和新山の様子を描いたコマを見ると、解説で池澤夏樹さんが述べているように、原点である映画的漫画を今一度試みたという印象は強い。
    井上昭和という人は架空の人物ですが、三松さんと全く反対のタイプの人間として登場させることによって、活き活きとしています。
    もしも三松さんだけの作品だったら、山を記録して、記録して、記録して〜・・・・漫画としてのテンポは遅く、だる〜い作品になっていたでしょう。
    また、もし井上昭和だけの作品だったら、ドタバタしすぎの何が何だかよく分からない作品になるかも(^^;)
    そういう意味でも、調和の取れた好作品だと思います。

    さて、表題作以外に収録された5作のうち、特に注目したいのが、"雨のコンダクター"。
    レナード・バーンスタインを主人公に、ベトナム反戦の世相を描写した本作は、単に世相を描写しただけでなく、手塚さん自身の主張でもあったのだと思います。
    興味深いことに本作は1968年8月12日号の"FMレコパル"に初出した作品であり、これは"上を下へのジレッタ"の連載期間と重ります。
    "上を下へのジレッタ"あるいは、その直前"人間ども集まれ!"では、人間のエゴに対する皮肉が描かれていました。
    そして、本作では、バーンスタインの最初の台詞でこう描かれている。

    「このとびきり愚かで際限なくみじめなアメリカよ!
    お前は偽りの自由の女神のいつわりの旗のもとに世界を地獄へ追いやってしまった。
    平和のハトよ!
    私はお前が懐かしい。
    今こそお前の救いが欲しいのだ」

    エゴを捨てろ、平和を我等に、というのが当時の手塚さんの主張の1つなのではないかと思います。

    尚、他に収録されている作品は・・・
    もの憂げな夜 (サンデー毎日:1973年5月13日号〜5月20日号)
    サロメの唇 (ビッグコミック:1972年1月10日号)
    山棟蛇 (漫画サンデー:1972年9月4日増刊号)
    レボリューション (漫画サンデー:1973年1月6日+13日号〜1月20日号)
    続きを読む

    投稿日:2008.12.29

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