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東直己 / ハルキ文庫 (12件のレビュー)
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herbtea
シリーズ2作目。冒頭から親子心中というショッキングな展開ですが、勿論事件の始まりに過ぎません。続くのは行方不明事件、放火殺人、不正受給、保険金詐欺…。畝原の魅力はなんといってもハードボイルドらしからぬ…一人娘のことを第一に思う普通の父親なところだと思います。その彼が一本筋の通った信念で動くのですから惹かれないはずがない。心折れ、立ち止まりそうになった彼が、通帳の入金欄の振込を見て座り込むシーンには一緒に泣きそうになりました。形を変えて流れる砂を、息を止めて一緒になって凄い勢いで追いかけたような読後感でした。続きを読む
投稿日:2019.06.14
lasttrainhome
何度読み返したことか、素晴らしい。同僚=戦友を失ったソベジマの悲しみがすごく切実でよい。嘆き、怒り、一矢報いるシーン。初登場の赤ら顔のデブという個性を生かしきっている。著者の筆が冴え渡る。コミカルだか…らこそ、嘆きは悲しく、怒りは純粋で、一矢報いるシーンは感涙。 シリーズ通して格闘シーンがヘタクソなのは仕方ない、やってる人ではないから。そこももはや愛おしいと思えるまでの熱心なファンである。 市政の歪みに切り込む構図は敵が大きくてロマンチックかつダイナミック。そして玉木や横山といったうねはらコミュニティーが各々の反目しあいながらも機能する気持ち良さ。戦隊ヒーローものみたいな爽快感がある。 さえかちゃんが少しずつ生意気になり、大人になりつつあるのも愛おしい。続きを読む
投稿日:2018.04.02
亮
私立探偵畝原シリーズ第二弾。 本書の単行本が発行されたのが99年。 オウム真理教、パナウェーブ研究所、林真須美のヒ素カレー事件が思い出される。 出版された年に読んでいたら、さぞ不気味だったことだろ…う。 最初の依頼のマンションの一室で、良からぬことが起こっているようなので、その調査から物語は始まる。 その後、新興宗教から保険金殺人へと。 悪の根源はなく、悪の臭いを持つ者同士が互いに弱みを握り合いながら、より悪事に麻痺し溺れて行く様が実に人間臭い。 毎度、長編にもかかわらず、場面運びは秀逸だ。 しかし、最後のオチの仄暗さは何度も言い表し難い。タイトルの通り。 続きを読む
投稿日:2018.03.12
masariviera
近野が… 彼と引き換えにしただけの価値ある傑作と思えます。 一気に読ませたなあ。 ハードボイルドの主人公は、スーパーマンであるよりも、畝原みたいに弱味がいっぱいあってズタボロになっても、立ち上がる様が…いいと思う。続きを読む
投稿日:2016.01.04
mana
ご当地モノにはついつい手が出てしまいますよね(笑)。 東氏作品は札幌が舞台。なもんで、私には外せない作家の一人なのであります。 だけど、なかなか(古本では・・)手に入らないんですよね・・・東氏作品。 …なので東氏作品はまだ2冊目です。 読み始めた頃は内容的に薄いかも・・・と懸念しました。 序章がちょっと長く、イマイチかなぁ~って。 ちょっと我慢して読んでいたら、いろいろな要素が絡み合い、事件も大きくなり面白くなってきます。 でも、謎の新興宗教を結びつけるまではしなくてよかったのでは?とも思いました。 そこの部分が浅く感じるからです。 それはそれで、違う物語ができるんじゃないかなぁ~と思うのですが。 私立探偵の畝原はいい味をだしていますね~。 畝原モノでは本書が2作目のようです。 やっぱりちゃんと1作目から読まないとなぁ。 もっと登場人物たちの関係がわかり、もっともっと面白くなるから。 時々でてくる北海道弁。なんか微笑ましく思えます(笑)続きを読む
投稿日:2015.01.22
sonoko0057
2014.5.30ー38 女子高生を部屋へ連れ込む市の職員に対する苦情から始まり、親子心中、生活保護の不正請求、保険金詐欺、公益法人の無駄遣い・天下り、新興宗教に至るまで問題が複雑に絡む。探偵畝原シリ…ーズ。続きを読む
投稿日:2014.05.30
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