【感想】堤中納言物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典

坂口由美子 / 角川ソフィア文庫
(7件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
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ブクログレビュー

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  • サイトム

    サイトム

    このレビューはネタバレを含みます

    十の物語が入った短編小説集、院政期末期で貴族文化が頽廃にむかっていたころで、思いがけないやや歪んだ話をあつめたもの。第三編の「虫めずる姫君」が秀逸。
    「花桜折る中将」 姫と間違えてその祖母を盗み出す話
    「このついで」 中宮を慰めるために話をするが、気の毒な女性の話をしてしまう。
    「虫めづる姫君」 美しいがお歯黒も黛もせず、毛虫を可愛がり、子供に虫の名前などをつける姫の話、姫の理屈にはやや老子からとった節がある。
    「ほどほどの懸想」主従三人がそれぞれの相手と結ばれるが、主人だけは後悔する
    「逢坂こえぬ権中納言」 貴公子が恋になやみ、姫の寝所に入りこんだが、思いをとげない。
    「貝合せ」色好みの蔵人が子供にほだされて観音様になって願いをかなえる。
    「思はぬ方にとまりする少将」 二人の少将がたがいの恋人である姉と妹を間違えて結ばれる。
    「花々のをんな子」 好き者が里さがりした女房たちの話を聞き、上流階級の実情を聞く
    「はい墨」 浮気した男がもとの女にほだされてもとの鞘におさまる。新しい女は白粉とはい墨をまちがて顔にぬってしまう。
    「よしなごと」 僧の内縁の妻となっている女に、その女の師にあたる僧が物をたかる手紙を書く話。物欲がいっぱい。

    『源氏物語』とくに宇治十帖との関連が指摘されており、和歌や『伊勢物語』などとの対照もしっかり説明してある。何より、平安物語の型を書いてくれているのが大変面白く読めた。

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    投稿日:2024.03.19

  • kouhei1985

    kouhei1985

    このレビューはネタバレを含みます

    短篇集。
    第一話 花桜手折る中将
    第六話 貝合せ
    第九話 はい墨
    第十話 よしなしごと
    が面白い。

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    投稿日:2022.04.22

  • シルル

    シルル

    堤中納言物語は、思いがけない話を集めた短編集。
    虫愛づる姫君が読みたくて、久々に借りてきたのだけど、相変わらずほとんどの話が男の身勝手さを描いてて最低だなと思いながら読んだw
    虫愛づる姫君はその中でも面白い話。
    結びの「ニの巻にあるべし」と書いているのに続きがなく、読者の想像に任せるように図ったのは面白い。
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    投稿日:2015.05.06

  • Keito

    Keito

    虫愛づる姫君で有名。解説にもあるが堤中納言物語が散逸しなかったのはそれぞれの話が持つ意外性だと思う。結果が予想できなくて、ページをめくる手が止まらなかった。

    投稿日:2012.08.28

  • hiroko

    hiroko

    堤中納言物語が面白くない訳ではなく、ビギナー向けの体裁が今一つ。
    まず現代語訳、原文、解説という流れはまぁいいとして、紙面の都合かビギナー向けだからか、長い話は解説だけで端折ってるのがいただけない。現代語訳もイマイチ。専門家ぽい訳だけど文章を書き慣れてる人ではないのか、微妙な感じ。
    せっかくだから、他の、ちゃんと全部載っているのを読んでみよう。
    しかし『虫めづる姫君』って子供の頃読んだお伽噺とは全然違う。あれは子供向けにアレンジされたものだったんだなぁ。
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    投稿日:2011.07.02

  • 凡出犬

    凡出犬

    失笑を誘うというか、シニカルな作品。
    お気に入りは花桜折る中将とはい墨^^
    思はぬ方にとまりする少将はちょっとかわいそう

    投稿日:2011.03.01

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