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都筑道夫 / 集英社文庫 (45件のレビュー)
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杳
読んでいてぐるぐる、わからないながらも読み進めて。相変わらず(?)出てくるキャラクターがみんな濃くて色っぽくて魅力的なんだよな。最後までぐるぐるしてました。道尾さんの解説まで読んでみて、全部込みの“よ…かった本“になった。こういう味も嫌いじゃないな。続きを読む
投稿日:2024.02.19
ao-neko
怪奇小説の依頼を受けたものの、うまくできない主人公は知られていない海外の作品を盗作することを思いつく。時代設定を変えて作品を書き進めるものの、しかし現実でも謎めいた出来事に出くわし、奇妙な世界に足を踏…み入れることになる。幻想的なホラーです。 作中作の趣向があるのですが、これがさらっと読もうとすればどこが現実なのか虚構なのか分からなくなってしまいます。地の分と作中作が交錯し、主人公同様わけの分からないものに惑わされそうな感覚でした。ちなみに主人公が盗作しようとした小説が実際にあるのかどうかも気になってしまいますね。もし本当にあるとしたら、そのストーリーはどのようなものになっているのだろうか、と。 なかなかとんでもない展開になってしまう終盤も含めて、実に奇妙な読み心地でした。どこまでも怪奇です。たしかにこれは怪奇小説としか言いようがないかも。続きを読む
投稿日:2023.04.30
tomo
都筑道夫さんの「怪奇小説という題名の怪奇小説」を読みました。 完全にタイトル買い。気になっている作家さんではあったけれど、そもそもこういうよくわからない題名に弱い。 怪奇小説の執筆に頭を悩ませる主…人公が、それどころではなくなるような怪奇な現象に遭遇していく。 思考と執筆内容が入り乱れて境目がわかりづらいのが、面白い。ジョン・スタインベックという作家の短編「蛇」が(たぶん)まるまる挿入されているシーンがあったり、各章のタイトルにインパクト強めの注釈が添えられていたり、古い作品なのに新しさを感じた。 ストーリーは章を追うごとに怪奇具合が深まって、後半はハラハラしながら読んだ。突飛な展開で収拾つかないのではと思いきや、最後は意外と辻褄が合ったので驚いた。 普段あとがきや解説はあまり読まないのだけれど、解説が道尾秀介さんだったのでざっと読んだ。ペンネームの「道尾」が都筑道夫さんの「みちお」から取られていたと知ってびっくり。 単行本の装丁の仕掛けが紹介されていた。これは知ることができてよかった。文庫版も同じ仕掛けだったらよかったのになー。続きを読む
投稿日:2021.02.24
まっしべ
まさに奇書。とにかく破茶滅茶。 書き出しから異様だが、読み進むにつれて理解が全く追い付かなくなる。いや、そもそも理解しようとするのが間違いなのか。 都筑道夫氏にハマるきっかけになった一冊。 …1刷 2021.1.4続きを読む
投稿日:2021.01.04
キじばと。。
主人公の「私」は、長編怪奇小説を執筆しなければならないにもかかわらず、アイディアが浮かばず、海外の小説をもとに剽窃することで急場をしのごうとします。その一方で彼は、30年前に死んだはずの従姉にそっくり…の女性を見かけ、その後を追います。「ムリ」と名乗った彼女は、まもなく「私」の前からすがたを消してしまいます。彼女が、「私」の故郷である長野へ向かったということを知った「私」は、知人の妻である狭霧という女性とともに長野に旅をすることになりますが、しだいに「私」の読んだ海外の小説のストーリーが現実に絡んでくることになり、二人は不思議な出来事に巻き込まれていきます。 タイトルからも、メタフィクショナルな構成であろうことは予想ができましたが、ややありきたりなホラー小説的な着地点が設定されているのに若干がっかりしてしまった感があります。それでも、作品のかもし出す奇妙な雰囲気には、充分に身をひたすことができました。続きを読む
投稿日:2020.09.22
山葵
著者(都筑さん)と、「怪奇小説」を執筆している「私(氏名不詳)」の区別が曖昧であり、また、 「現実の話」といままさに書かれている最中の「怪奇小説」の区別も曖昧になっており、不思議な世界感が演出されてい…る。 作家である主人公は「怪奇小説」を書くことになっていたが、どうしても気分が乗らず、ある外国のミステリを盗作することを思いつく。 舞台を日本に移してその小説を書きつつ、久しぶりに自分の生まれ育った場所に足を運ぶ。そこで、昔死んだ従姉妹を見かける。その従姉妹の姿を追いかけるうち、主人公は自分が書いている盗作の「怪奇小説」と同じ状況に巻き込まれていく。続きを読む
投稿日:2018.09.22
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