【感想】死人の鏡

アガサ・クリスティー, 小倉多加志 / クリスティー文庫
(18件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
2
4
9
1
0

ブクログレビュー

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  • aco

    aco

    『厩舎街の殺人』『謎の盗難事件』『死人の鏡』『砂にかかれた三角形』が収録された短編集。
    ちょっと長めの短編だったので、どの話も読み応えがあって、でも割と気軽に読めました。

    投稿日:2024.02.16

  • tanaka9999

    tanaka9999

    2004年発行、早川書房のクリスティー文庫。4編。『砂にかかれた三角形』、殺人事件が起きてしまえば、そのトリックはありきたりだが、それまでの人間関係の描写には騙された。初めの方に出てくる人間性論もいい目くらましになっている。『謎の盗難事件』と『死人の鏡』。どちらも人間関係がどうもつかめず。特に『死人の鏡』はちょっと理解が追い付かなかった。

    収録作:『厩舎街の殺人』、『謎の盗難事件』、『死人の鏡』、『砂にかかれた三角形』、他:「解説」野崎六助(作家)
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    投稿日:2022.10.01

  • あやごぜ

    あやごぜ

    ポアロもの短(中)編集。

    長編よりお手軽で、短編よりは読みごたえがある長さのポアロもの4話がお楽しみ頂けます(お得かもw)。
    因みに、第一話「厩舎街の殺人(Murder in the Mews )」は英国版での表題作となっており、日本版表題作の第三話「死人の鏡(Dead Man’s Mirror)」とは“不審な自殺――自殺か他殺か?”を解明する部分で共通していますが、展開や真相が全然異なるのが興味深いですね。
    第二話「謎の盗難事件」は盗まれた機密書類の謎を追う展開なのですが、ポアロのヒアリングから導き出される事実にグイグイ引き込まれました。
    第四話「砂に書かれた三角形」はリゾート地(ロードス島)での“三角関係”の縺れからくる殺人で、他の話より短めですが、クリスティーらしい人間描写や印象操作によるミスリード等、要素がギュッと詰まっている作品だったかなと思います。
    因みに、「死人の鏡」にちょっとだけ、サタースウェイト氏が登場するのですが、私は『三幕の殺人』『謎のクィン氏』に登場したサタースウェイト氏と同一人物と思っていたのに、解説を読むと「さぁ、どうなのでしょう?」的な感じで書かれていたので「えっ!違うの?」とちょいと混乱しました。
    結局、“諸説分かれる”との事で、だったら同一人物ってことでええやん!と思った次第です。まぁ些細なことですけどね~。
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    投稿日:2022.08.10

  • じゅう

    じゅう

    「アガサ・クリスティ」の短篇(中篇?)ミステリー集『死人の鏡(原題:Murder in the Mews 米題:Dead Man's Mirror)』を読みました。

    『鳩のなかの猫』、『象は忘れない』に続き「アガサ・クリスティ」作品です。

    -----story-------------
    謀略の犠牲になりかねないからと調査を頼まれた「ポアロ」は、依頼人の准男爵の邸へ向かった。
    が、待っていたのは密室の中での依頼人の死。
    自殺に見えるが動機は不明。
    また謀略とは何なのか?
    事件解決の手がかりは意外にも書斎の割れた鏡にあった!
    密室の謎に挑む表題作をはじめ、「ポアロ」活躍の四篇を収録する傑作集。
    -----------------------

    1937年に刊行された「エルキュール・ポアロ」を主人公とした作品集で、以下の四篇が収録されています。

     ■厩舎街の殺人
     ■謎の盗難事件
     ■死人の鏡
     ■砂にかかれた三角形

    『厩舎街の殺人(原題:Murder in the Mews)』は、若い未亡人「バーバラ・アレン」の拳銃自殺に不審を抱いた「ジャップ警部」と「ポアロ」が真相の究明に乗り出す物語、、、

    自殺の動機が不明なうえに、左利きなのに右手に銃を持っていたり、右手に銃を持っているのに左側頭部から撃ち抜かれていたりと、殺人を示唆する状況ばかりが浮かび上がりますが… まさか、自殺の動機を知る人物が、自殺を殺人に見せかけて、ある人物を追い詰めるという展開とは、想像できませんでしたね。


    『謎の盗難事件(原題:The Incredible Theft)』は、政界の大物「メイフィールド卿」が屋敷に客を招いた晩餐の後、国家機密である新兵器(爆撃機)の設計図が盗まれ、「メイフィールド卿」から密かに捜査を依頼された「ポアロ」が真相の究明に乗り出す物語、、、

    冒頭から一斉に多くの人物が登場するので、誰が誰だかわからなくなる苦手な展開… 国際的なスパイと噂される「ヴァンダリン夫人」が怪しい感じですが、そうそう素直な展開になるはずもなく、「ポアロ」がひとり一人に聞き取りをして、真相に近づきます。

    真犯人は最も意外な人物(政界の大物)でしたが、自分の身を護ることと、国を護るこという相反することを両立させようとしていた行動には感心しましたね。


    『死人の鏡(原題:Dead Man’s Mirror)』は、准男爵「ジャーヴァス・シェヴニックス=ゴア卿」からの不遜な依頼(呼び出し)により、「ポアロ」は「ゴア卿」の屋敷ハムバラ荘へ出向くが、その書斎で拳銃で自殺した「ゴア卿」の死体が見つかり、「ポアロ」が真相の究明に乗り出す物語、、、

    被害者の人格や自殺体の向き、壊れた鏡の欠片、二度の銅鑼の音等から、「ポアロ」は他殺と推定し、家族や居合わせた人達からの聞き取りから、養子や結婚問題等、複雑な家族関係や人間関係を紐解き、真相に近づいて行く。

    動機は娘を… 実の娘を幸せにしたいと願う母親の愛情でしたね、、、

    真相を知らず、愛する人と一緒になった娘は幸せだったのかな。

    銅鑼(ゴング?)の音が真相究明のヒントとなっている仕掛けは、どこかで読んだことがあるなぁ… と思ったのですが、、、

    調べてみると『黄色いアイリス』に収録されていた『二度目のゴング (The Second Gong)』で使われていましたね。


    『砂にかかれた三角形(原題:Triangle at Rhodes)』は、ヴァカンスでロードス島に滞在していた「ポアロ」の周辺で、三角関係の縺れから発生する殺人事件を、「ポアロ」が鮮やかに解決する物語、、、

    五度目の結婚をした恋多き女性「ヴァレンタイン・チャントリー婦人」と、その夫「トニー」、「ゴールド夫妻」の夫「ダグラス」の三角関係を示唆する展開… 「トニー」が飲むはずだったピンク・ジンに毒(ストロファンチン)が盛られており、それを飲んだ「ヴァレンタイン」が死亡し、「トニー」にピンク・ジンを渡した「ダグラス」が容疑者として逮捕される。

    真相は「トニー」と「ゴールド夫妻」が三角関係で、「ヴァレンタイン」は蚊帳の外だなんて… 完全にミスリードさせられましたね。

    登場人物が限定されていて、役柄が明確だったので、理解しやすかったし、展開もスピーディーで愉しめました。

    本書に収録された四篇の中では、最も短い作品でしたが、イチバン気持ちよく読めました。

    中途半端に長い短篇(中篇?)よりは、本作品のように短くて端的な展開か、しっかり読める長篇の方がイイですね。
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    投稿日:2022.07.22

  • らいら

    らいら

    クリスティ中編*4編。
    クリスティの短編は読みにくいなぁといつも思っていたが、中編ぐらいになると結構読みやすかった。
    メインの作品はタイトルにもなっている死人の鏡だと思うけど、個人的には、謎の盗難事件も結構良かったかな。殺人事件じゃなく、かつ、結構単純なおはなしといわれればそうなのだけれども、そこに伴う背景などが想像しやすくって良かったと思う。続きを読む

    投稿日:2022.04.28

  • elephanta

    elephanta

    ポワロの短篇集。
    本のタイトルにもなっている「死人の鏡」が1番印象的だった。映像版とは少し違っているものの、どちらもおもしろい。

    投稿日:2021.12.31

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