【感想】唐草物語

澁澤龍彦 / 河出文庫
(14件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
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ブクログレビュー

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  • kuroinohos

    kuroinohos

    珠玉の短編集。
    ラーウィアさんとか奥州藤原氏とかはこれで覚えた。
    遠隔操作のイメージが錯綜して、うしろでほぉいほいってやってる人がさういへばってふ、て思った作者の眼前に、の中にバカップルがいい感じで入る。ウンウン。続きを読む

    投稿日:2024.05.16

  • zasetu

    zasetu

    好きです(唐突)
    こんなにすばらしい、読んでいくうちにどんどん楽しくなって微笑ましくなる澁澤文学はやはり偉大です。『鳥と少女』からもうずっと澁澤さんの独壇場。私たちは彼の魔手によって翻弄されながらも、ときおり覗かせるほっこりエピソードでばっちり心を鷲掴み、読むのをとめることができません(笑)。

    個人的には、澁澤さんのいささか突飛な考察から、エロティックな展開へと飛躍する『女体消滅』や、去勢の動機を考察しつつ、どこか崇高な趣さえ感じる『閹人あるいは無実のあかし』がお気に入りです。
    続きを読む

    投稿日:2022.08.14

  • シマクマ君

    シマクマ君

    久しぶりに読んで、実に面白かった。
    こういうふうにかける作家はもういない。繰り広げられる澁澤ワールドが異常でも奇異でもない。美しい文学的想像力のたまものである。

    投稿日:2019.05.13

  • yamada3desu

    yamada3desu

    2008年10月14日~16日。
    はずれ無し。
    エッセイ風(エッセイか?)の作品も面白い。
    ということは、大量に出版されている作者のエッセイも面白いということだろう。
    いずれ揃えてしまうだろうな。続きを読む

    投稿日:2018.01.06

  • 深川夏眠

    深川夏眠

    世田谷文学館『澁澤龍彦ドラコニアの地平』
    http://booklog.jp/users/fukagawanatsumi/archives/1/4582286127
    観覧後、既読作を読み返したくなって書棚を漁り、
    Tasso再読祭(笑)。
    文芸誌に連載された、
    エッセイと小説のクロスオーバーというか、
    史実や古典作品を換骨奪胎したような短い物語の数々……で、
    泉鏡花賞受賞作。

    「鳥と少女」
     遠近法の研究に没頭したというフィレンツェの画家
     パオロ・ウッチェロの話。
     澁澤の手にかかると九相観が入ってくるから怖い(笑)。

    「空飛ぶ大納言」
     蹴鞠の名手だったという大納言藤原成通伝。
     狩衣姿でオーバーヘッドシュートを決める様子を
     想像してみる。

    「火山に死す」
     ヴェスヴィオ火山が噴火した日、
     友人宅で暢気に風呂に浸かっていたという博物学者プリニウス。

    「女体消滅」
     平安時代の貴族、紀長谷雄(きの・はせお)を主人公とする
     絵巻物『長谷雄草紙』のエピソードを翻案した「鬼との約束」の話。

    「三つの髑髏」
     頭痛に悩む花山院は安倍清明に相談し、前世の自分を供養する。

    「金色堂異聞」
     1979年に平泉の中尊寺金色堂を参拝したという澁澤氏。
     案内してくれた風格のあるタクシー運転手の正体は……。
     ラストの尻切れトンボさと同時に滲む一抹の寂寥感は、
     内田百閒の掌編に似た趣。

    「六道の辻」
     打ち続く戦禍で焼け野原と化した文和年間の京都に
     現れたパフォーマー、マカベなる男について。
     死の前では誰もが平等であるという思想を表現した
     「マカベ踊」の熱狂。

    「盤上遊戯」
     年老いたティムールと、
     エンリケ三世の特使クラビホのチェス勝負。

    「閹人あるいは無実のあかし」
     不義密通を疑われないよう、
     予め自らを去勢した建築家の話。
     よくショック死あるいは
     失血死しなかったものだな、と……(痛)

    「蜃気楼」
     秦の始皇帝の命を受け、蓬莱山を探しに出た徐福。

    「遠隔操作」
     これがリアルな澁澤の姿か(笑)。
     稀代の文学者は
     日常生活の諸々の場面で素晴らしい不器用ぶりを発揮。
     しかし、そこに人間的な魅力が感じられて、
     読者としては嬉しい、楽しい。

    「避雷針屋」
     メルヴィル作品を換骨奪胎したという、
     避雷針のセールスマンとの対話を綴った奇妙な短い話。
    続きを読む

    投稿日:2017.11.10

  • 葎花

    葎花

    あとがき、ことに、引用されたボードレールのことば、「あらゆる模様のうちでアラベスクはもっとも観念的なものだ」という一節が、テーマにも似て十二篇の物語を貫いているように思う。しかし、どの物語も、性行為との縁・無縁はおいて非常にエロティックであるように、私には感じられた。また、『遠隔操作』では、自分との類似をすこしだけ感じてふふっと笑ってしまったけれど、いかにも博学な澁澤龍彦らしい物語群であるだろう。あらゆる文章が知識によって裏付けられ、本来の意味での換骨奪胎とを成し遂げており、幻想文学たる条件を自ら示している。ふわっふわの現代小説に疲れたときに、とくに読み返したい。続きを読む

    投稿日:2017.05.07

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