【感想】山本五十六(下)

阿川弘之 / 新潮文庫
(28件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
6
12
7
1
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • bentalaw

    bentalaw

    このレビューはネタバレを含みます


    誰よりも英米との戦争に反対しながら、自らその火蓋を切らざるを得なかった提督の一生の話。
    航空機の登場によるゲームチェンジ(大艦巨砲主義の終焉)、軍縮条約は日本にも利があること(彼我の国力・工業力の圧倒的な差から、無制限建艦競争に陥れば日本に勝ち目はないこと)を説き優れた大局観を持ちながらも、個々の作戦の企画・遂行の局面では山師的な危うさを感じさせる。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.02.24

  • debuipipi

    debuipipi

    太平洋戦争開始時に連合艦隊長官だった山本五十六.多摩霊園のメインストリートに大きなお墓がある.
    この本は歴史の叙述より人物に焦点をあてたエピソード集という感じ.初版は昭和39年で本人を知る人も多く生きていて,そういう生のエピソードにも事欠かない.それにしても戦時の日本軍の情報管理の甘さというのは目を覆いたくなるばかりにおそまつ.
    私たちの世代は山本五十六の名前くらいはみんな知っていたと思うが,若い世代は教科書ですら出会うことはないのではないか.敗戦国は軍人には冷たい.そしてこの本も絶版中のようだ.
    続きを読む

    投稿日:2023.08.06

  • ree

    ree

    一つまた歴史の勉強になった。山本五十六の人柄には親近感が湧き、身近に感じた。この時代は恐怖だが、この時代、この歴史があって今があることを改めて思った。

    投稿日:2023.04.26

  • 鴨田

    鴨田

    真珠湾奇襲前の宣戦布告が外務省の手落ちで事後となってしまった点は、戦争の大義を巡る世論戦争上、如何にも勿体無い。

    山本五十六の、好戦的な幹部へ自重を求める文章(敵国の首都を制圧する計画が立てれないような戦争はすべきではない、それだけの覚悟もなく軽々と威勢の良いことを言うな、との主旨)の一部が切り取られて公表され、『山本はワシントン制圧を目指す超好戦的な軍人だ』という誤った人物像がアメリカ側で持たれてしまったことも、広報部の思慮が足りず、結果論かもしれないが、これまた如何にも勿体無い。

    戦後処理を山本五十六に期待する声もあったようだが(石橋湛山)、軍政面は、米内光政がいたからまだよかったのかなと思う。軍令面では、後を継げるひとはいなかってようだし、仮に山本五十六本人がブーゲンビルで撃墜されずに生き残っていたとしても、日本の敗戦は開戦時に確定していたのだと思う。
    続きを読む

    投稿日:2023.01.04

  • じゅう

    じゅう

    「阿川弘之」が「山本五十六」を描いた伝記『山本五十六〈上〉〈下〉』を読みました。

    『国を思うて何が悪い ~一自由主義者の憤慨録~』に続き、「阿川弘之」追悼読書です。

    -----story-------------
    〈上〉
    対米戦争に、日独伊三国同盟に反対した軍人。
    聯合艦隊司令長官の若き日の活躍を描いた傑作伝記。

    戦争に反対しながら、自ら対米戦争の火蓋を切らねばならなかった聯合艦隊司令官「山本五十六」。
    今日なお人々の胸中に鮮烈な印象をとどめる、日本海軍史上最大の提督の赤裸々な人間像を余すところなく描いた著者畢生の力作。
    本書は、初版刊行後、更に調査し、発見した未公開資料に基づき加筆された新版である。
    上巻では、ロンドン軍縮会議での活躍を中心に、若き日の「山本」像が描かれる。

    〈下〉
    かつて戦争に反対した男は、戦争を始めた。
    詳細な資料から浮び上がる軍神と呼ばれた男の壮絶な人生。

    下巻では、聯合艦隊司令長官に任命された「山本五十六」が、いよいよ真珠湾強襲の構想を固めるところから、昭和18年4月18日、ブーゲンビル島上空において敵機の襲撃を受け壮絶な最期を遂げるまでを克明に綴る。
    世界を震撼させた天才提督の栄光と悲劇を、膨大な資料と存命者の口述を基に、生き生きと甦らせ、激動の昭和史を浮彫りにした、必読の記録文学である。
    -----------------------

    海軍提督三部作の第一作、、、

    存命者への聞き取りにより「山本五十六」の人間像が丹念に描かれています… 読んでいると「山本五十六」の人となりがわかり、「山本五十六」の魅力が強く感じられるようになりましたね。


    「山本五十六」に関する作品は、約2年前に読了した「半藤一利」の著書『聯合艦隊司令長官 山本五十六』以来ですが、、、

    本作品では、日独伊三国同盟や日米開戦に反対するが、ひとたび戦争が始まってしまえば聯合艦隊司令官として最善を尽くし、義務に殉じて死んでいく… という良く知られている軍人としての一面の他に博打好きな一面や女性関係等の私生活の奥まで立ち入った面も含めてリアルに描かれているので、『聯合艦隊司令長官 山本五十六』よりもリアルな人間「山本五十六」を知ることができました… そんな内容なので、出版当初(本作の旧篇)は、遺族からの抗議もあったようです。
    (新篇は旧篇から300枚もの補筆があったらしいので、もう少し違う一面も描かれていたのかもしれませんが… )


    ブーゲンビリアでの撃墜されたあと、ジャングルの中で二式陸攻の残骸の近くで発見された遺体は、席に座したままで顔や軍服がキレイな状態の遺体だったとのこと、、、

    まるで考え事をでもしているような端麗な姿だったとか… 他の遺体は焼けていたり、死顔が腫れ上がってむくんでいたらしいので、不思議ですね。



    本作を読んで「山本五十六」よりも、冷静に世界を見つめることができていたと思われる「井上成美」のことが気になりました。
    続きを読む

    投稿日:2022.08.27

  • 海ナマコシニア

    海ナマコシニア

    だんだん負けて行き、最後の海軍甲事件に至る。
    山本五十六でも至らないところが多々あり、それでもなんとか頑張っている姿がなんとも言えない。若い頃に読んだときはそうは思わなかったが、今はそう思う。

    投稿日:2020.04.02

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。