【感想】リターンマッチ

後藤正治 / 文春文庫
(8件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • サンキューサンチュー

    サンキューサンチュー

    同級生に薦められてこの本を手に取りました。初めて読む作者で久しぶりのノンフィクションでしたが冒頭から引き込まれて一気に読んでしまいました。こんな破天荒で愛情に満ちた先生に出会えた生徒に嫉妬を感じながらページをめくり、気がつけば泣いていました(笑)多くの学生と教師に読んでもらいたい一冊です。続きを読む

    投稿日:2020.07.27

  • Norio Sasada

    Norio Sasada

     先に柳田邦男さんの本を読んだ際、激賞されていたので手に取ってみました。後藤さんの著作はちょっと前にも「スカウト」という作品を読んだところでした。
     さて、本書、舞台が「定時制高校のボクシング部」ということなので、材料となるエピソードには事欠かないことは想像に難くないのですが、後藤さんは、それら「教師と生徒という“人間と人間の関わり合い”」を徒にドラマチックに煽るでもなく丹念に綴り起こしています。それゆえに、書き込まれた登場人物は皆一人ひとりの個性が光り、とても魅力的に映ります。
     確かにとオーソドックスで真っ当なノンフィクション作品だと思います。
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    投稿日:2019.12.03

  • ツッチー

    ツッチー

    私は登場しないけど、前半に出てくるメンバー達と共に練習をしてたので、個人的にはあまりにもリアル過ぎるドキュメント。過不足なくリアルに表現されてます。ボクシング部だけでなく、西宮西高校自体が異例中の異例な、凄い学校だった。
    脇浜さん、ホンマにええ先生でした。娘さんは読売テレビのアナウンサー。
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    投稿日:2018.11.24

  • PEN_F

    PEN_F

    なかなか熱いノンフィクションだった。最後の章にある主人公の教師脇浜義明の言葉「・・この頃思うんですわ。教育なんてもんはないんだと。せいぜいあるのは、こっちが汗をかいてやってみる。子供にやらせてみる。褒めてやる。その繰り返しじゃないのかって。・・・」深い一言だと感じた。続きを読む

    投稿日:2018.09.04

  • tikuo

    tikuo

    西宮の定時制高校を舞台に、どうにもならん生徒にボクシングを教える教師脇浜のドキュメント。

    自らも定時制高校、大学出身で、若いころには様々な不良行為を行ってきた英語教師脇浜。そのころの「ワル」とは違った形の生徒たちに、自前のリングと道具でボクシングを教えていく。本編では3年ということだが、おまけで1年つくので、4年程度の長期取材は圧巻である。

    中学卒から20歳程度までという多感な年ごろを相手にすることもあり、半数程度は、ボクシングを機に人生が変わっていく様は、読んでいて爽快である。残り半数は変わらない。

    本書の難点は、人間脇浜、生徒、ボクシングのいずれを描こうとしているのか、かなりあいまいであることだ。それぞれがそれぞれの重さで、かつ淡々と描かれるため、例えばボクシングの部分だけ取り出すと、かなり薄い。同様に脇浜の人生の何が描かれていたのかといわれても、こちらもわかりにくい。人生自体が転換することはあまりないように見える。

    どういう層にもっとも響くのか、そこがちょっとわかりにくいドキュメントで、悪くないけれども、接点のない人間にとっては、話が平坦すぎるように感じた。
    続きを読む

    投稿日:2016.12.29

  • Y.K

    Y.K

    西宮西高校の定時制高校ボクシング部を自ら発足させ、様々な家庭環境の生徒たちと向き合うボクシング部顧問の脇浜氏。受験や就職、様々な事情から定時制高校に通うことになった生徒達にとって、人生において「勝つ」という経験をさせてやりたいと生徒に寄り添う脇浜氏。決して熱血教師という印象ではありません。その溢れるような愛情と熱意を理解し、受け止めて人生の方向性を変える生徒がいる一方、すれ違いからボクシング部や高校からも姿を消す生徒達。約4年にわたる取材をもとに、濃密な時間を過ごす教師と生徒達の物語です。決してスーパーヒーローが登場するわけでもなく、ハッピーエンドだとも言えません。でも、親以外の大人とここまで深く向き合えるのは学生時代の部活動ならではという気がします。私自身、中学、高校を通じて熱心な先生と出会い、少なからず生きてゆく上での方向性に影響を受けました。取材対象となった生徒達が、ちょうど私と同じ年代ということもあり、自分の学生時代を思い出しながら読みました。決して美談にまとめようとせず、感動させようと誇張もしない著者の文章に引き込まれます。
    本当に素晴らしい本なのですが、残念ながら現在は新刊で手に入れるには後藤氏のノンフィクション集第4巻しかありません。復刊して欲しいです。
    続きを読む

    投稿日:2015.09.18

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