【感想】大いなる助走

筒井康隆 / 文春文庫
(4件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • saga-ref

    saga-ref

    このレビューはネタバレを含みます

    大衆文芸の最高峰・直木賞。それを受賞できなかったのはブンガクではなくSFだったからなのか? 文壇の内部では、このように恐ろしく湿った世界なのだろうか? 地方の同人主催者・保叉(ルビなし。なんと読むのだろう?)のアドバイスを受けて書いた小説が思わぬ反響を呼ぶことになった市谷くん。直廾賞候補になり、職も全財産も投げうって工作をした挙句の落選。彼は破綻の人生を選択してしまう。演劇・ドラマの脚本仕立てで進行する物語に、ついつい市谷くんの気持ちに入れ込んでしまった。

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    投稿日:2019.09.22

  • hushhushd

    hushhushd

    ただただ辛かった。映像化できたら面白いかもしれないなどと妄想。筒井康隆の恨み辛みとともに、創作者の自省のバイブルとなるべき一作だろう。などと理論武装して、自己防衛を図る僕もまた矮小な創作者崩れの一人でしかないのだろう。またこのように客観的な文章を装うことで、自分はこいつらとは違うのだ、などと逃げていることにもなる。そして、こんな文章を付け足すことで自分はまたこのような文章を書く人間とは違うという(以下略)
    このように読んだ人間を泥沼に叩き込む問題作である。
    これは僕の想像なのだが、この作品はプロットを考えずに書き出したのではないだろうか。
    唯一嫌悪感を持たなかった登場人物は時岡。
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    投稿日:2014.09.04

  • yama1985

    yama1985

    作品全体はコミカルな表現ばかりだが、それでも文壇批判の印象が強く感じるのは筒井の恨みが深いからだろうと思う。
    ただそれ以上に心に残ったのは、同人の面々の姿。
    大学時代に所属していたグループはまさにあのような感じで、異なる点は創作活動をしていないところぐらい。
    社会に対して劣等感を感じながらも、自尊心が高いから論理武装に躍起になったり。
    是非あの頃の友人達に読んでもらいたい一冊だった。
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    投稿日:2012.03.15

  • drummerperc

    drummerperc

    町田康がこの人について書いていたので読んでみた。
    読んだ後知ったが『時をかける少女』の原作を書いた(1967年とかに)人でありSFの三大巨匠とからしい。
    けどこの作品は全くSFとは関係なく文壇の裏についての話であった。
    『大いなる助走』ってタイトルもいいけどまさに自分も大いなる助走な人生かも知れぬと思った。
    これは文学とかそういうのに興味があったら読んだ方がいいかもしれない。
    特に小説書くとか言ってるりーくんとか。笑
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    投稿日:2009.10.02

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