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吉川英治 / 吉川英治歴史時代文庫 (24件のレビュー)
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キじばと。。
武蔵は、下総の法典ヶ原の小屋に住み、彼に弟子入りを申し出た伊織という少年とともに、荒野の開墾をはじめます。はじめは彼のすることを冷ややかなまなざしでながめていた村人たちは、山賊の襲撃から武蔵が人びとを…守ってくれたことで彼に信頼を寄せるようになります。 一方お通は、柳生宗矩の甥の兵庫のもとに身を寄せており、彼女の武蔵に対する想いを知っている兵庫は、二人の仲を案じますが、石舟斎が危篤であるという知らせを受けて、お通は武蔵に会うことのかなわないまま、江戸を去っていきます。 小次郎は、軍学者の小幡勘兵衛の弟子たちの恨みを買いますが、北条新蔵をはじめとする門人たちのなかに剣の腕で小次郎にかなう者はなく、返り討ちとなります。他方の武蔵は、無法者たちの挑発を受けながらも、あえて剣をとることなく、世間の悪口雑言には耳を貸さずにみずからの信じる道をひたすら突き進んでいきます。 武蔵と小次郎の人物像の対比があざやかで、両者の人間としての器の大きさのちがいがいよいよ明確になります。続きを読む
投稿日:2022.01.29
まな
6巻は2人目の弟子との出会い、共に荒野を開拓していく。 大自然を師匠とし、開墾の中で得られる苦労や失敗を修行と捉える生活はスケールが大きい。 新たな環境で試行錯誤を重ね、得た知恵や深めた思想は生き生き…している。武蔵は失敗するほど、柔らかく謙虚になっていくように感じる。その一方で人に何を言われても自分が信じることを貫く強さをもつようになる。 何事からも素直に学ぶ姿勢を持ちたいと思う。 「水には水の性格がある。土には土の本則がある。その物質と性格に、素直に従いて、おれは水の従僕、土の保護者であればいいのだ」 「富士山をごらん。あれになろう、これに成ろうと焦心るより、富士のように、黙って、自分を動かないものに作り上げろ。世間へ媚びずに、世間から仰がれるようになれば、自然と自分の値打ちは世の人が決めてくれる」 続きを読む
投稿日:2021.05.20
yoichiokayama
武蔵は、下総法典ヶ原で伊織に出会い弟子とし、ともに未墾の荒野を開拓します。 剣の代わりに鍬を持った武蔵は、不毛の大地を相手に、自然の猛威と戦います。 その後江戸に出た武蔵。 江戸には佐々木小次郎、又八…、お杉ばばなどもすでにいます。 少し剣を離れ、また別の境地に向かう武蔵が描かれます。 武力のない者に限って、ただ漫然と武力に絶対な恐怖をもつが、武力の性質を知れば、武力はそう恐いものではなく、むしろ平和のために在るものである。 ー 78ページ 「富士山をごらん」 「富士山にゃなれないよ」 「あれになろう、これに成ろうと焦心るより、富士のように、黙って、自分を動かないものに作りあげろ。世間へ媚びずに、世間から仰がれるようになれば、自然と自分の値うちは世の人がきめてくれる」 ー 113ページ続きを読む
投稿日:2020.06.19
ともくん
たとえ、罵られ、馬鹿にされて笑われようと、自分の信じた道をただ、ひたすらに突き進む武蔵。 どこにいても、何をしていても剣の修行になる。 自然という師、伊織という新たな弟子を持って、武蔵が生き生きしてい…るように感じる。 吉川英治の描きたかった武蔵ではないだろうか、という気がしてくる。続きを読む
投稿日:2019.01.19
nuhuaueo0
映画化・ドラマ化・漫画化など、様々なかたちで紹介されてきた大人気歴史小説の第六巻。この巻の注目は、やはり後に養子となる宮本伊織の登場だろう。未開拓の地として当時の江戸の町を描写するシーンはなかなか味わ…い深く、そこは面白かった。続きを読む
投稿日:2018.10.03
ホーカン
VS山賊が面白かった。 伊織は良いキャラクターなんだけど、武蔵が伊織を大事に大事にしている様を読むにつけて城太郎が不憫に思える。 武蔵自身に城太郎に対する後悔の念があるからそうさせているのだろうけど…。 城太郎を養子にしたお金持ちの名前も時々出てきているので、城太郎との再会もそのうち描かれるのだろう。期待。続きを読む
投稿日:2018.01.21
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