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ドストエフスキー, 亀山郁夫 / 光文社古典新訳文庫 (97件のレビュー)
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総合評価:
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atsuko
読書ガイド入れて700ページあるけど、特に後半が面白すぎて一気に読んだ。 巻末に階級などの解説があるのがありがたい。
投稿日:2024.03.30
フラニー
このレビューはネタバレを含みます
ミステリーの行方にドキドキしてるってのに、最初はコーリャとかいう自称社会主義者の14歳の少年とアリョーシャとのなんだかこれいる?っていうエピソードから始まります。が、これがとても良いのです。アリョーシャの修道院を出ても変わらぬ態度を堪能出来ましたから。 そしてイワンとスメちゃんのやりとり。これこそ真実でしょ?でも、イワンも悲しいかなもう1人の自分という悪魔に苦しめられてる… そういうのぜーんぶ持って第12編の『誤審』へ。ここはまるでオリエント急行の殺人の後半のように事件の真相が暴かれていくかとおもいきや、ミーチャの態度がおもろすぎて…自滅しかねませんよ! さらに検事と敏腕弁護士との腕の見せどころみたいにもなっていて、思わずうなってしてしまいます。 そして判決をくだすのはなんと、「お百姓たち」。。 お、おまいらに何がわかるんだい!! …ここまでが4巻でした。 カラマーゾフの兄弟は未完の小説と言われていますし、5巻はエピローグということですが、いったいどこまで書かれているんだろうとドキドキしています。
投稿日:2024.03.29
korisu3964
父殺しの謎が明らかにされてゆく第4巻。カテリーナの本心、イワンとスメルジャコフの3度の対決、圧倒的な法廷シーン。長さを感じさせない700ページ。続きが気になり、そのまま5巻に突入。 読んで良かったと思…う絶対的傑作です続きを読む
投稿日:2023.12.31
SHE, her.
「カラマーゾフの兄弟4」 「カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻」 ※4.5の感想です これで、亀山郁夫訳のカラマーゾフの兄弟全巻を読み終えた。 長くて苦しくて楽しくて、、今まで読んだどの本にも…無い読後感だった。 それはこれが、未完の大作であるからということも大きいのかと思う。 ドストエフスキーは、このエピローグまでを第一の小説とし、その13年後を描く第二の小説を念頭に置いて書いていたが、亡くなってしまったから。 にもかかわらず、この完結性の高さという、他に比べようがない(少なくとも自分が読んだ中では。)「人類の奇跡のような」作品。←訳者、亀山郁夫氏の言葉 まずは、第4巻から。 第4巻は、第10編「少年たち」という話から始まるのだけど、これが個人的に素晴らしく良くて、ドストエフスキーの、反抗的でありながらも、少年のもつ純真さや繊細さ、故の暴力性を台詞回しや出来事によって描き切る才に驚愕した。特に、後々まで重要になるコーリャという少年の描写が本当に良くて、、どことなく、スティーブン・ミルハウザーの「エドウィン・マルハウス」の世界観を思い出させた。(これも傑作中の傑作) イワンの内面が徐々に浮かび上がる中盤、スメルジャコフとの対話のシーンは不穏で不気味、グロテスクで、なんだか自分自身の内面を暴かれているようでどきどきした。 その流れからのミーチャの裁判。 世の中の残酷な事件や、戦争、虐待。 「父殺し」という作中での直接的表現にそれらをあてはめてみると、更に先ほどのイワンの内面描写が他人事ではなく思えて今度はゾッとするのである。 そしてそれらを見つめる「わたし」の俯瞰的目線、それによって台詞の意味が補完される。 5巻にある訳者による解題での「ポリフォニー(多声)性」という手法の巧みさ!読み手により如何様にも読めるという面白味に加えて、最大の主題「神はあるのか」についてもまた、登場人物の言動や行動や、それに伴う結果のそれぞれの違いによって複雑に絡み合って、決して白か黒かでは分つことができない。 その「複雑さ」がリアルで惹きつけられる要因のひとつなのかもしれない。 またしても「二項対立の脱構築」的思考だなと、、 第5巻エピローグは、僅か63ページ。 これで本編自体は完結する。 最後のアリョーシャのスピーチを読んだとき、本当に自然に、ハラハラ涙が出て、心が動くということは多分これのことなんだなと実感した。 これまで積み上げてきた長い物語世界の、一つの側面であり大きな主題でもある、先述した「神はあるか」についての、人間としての最適解というか、本当は全ての人間がこうありたいと願っていると「思いたい」と思える、素晴らしいものだった。 143年前のロシア古典文学が、今もずっと読み継がれている理由が身に染みてよくわかった。 訳者違いで、また何度も読みたい。 素晴らしい読書体験だった。続きを読む
投稿日:2023.10.29
abrahum
エピローグも含め本編読了。感無量です。3ヶ月ほどかかりましたが、後半は噂通り怒涛の展開に一気読みでした。 しかしこんな長い小説なのにひとつの事件を挟んでほんの数日の話なんですよね。 狂おしいほどの一族…の愛憎の物語が終わり、しばし呆然としております。 カラマーゾフ家を巡る事件の顛末には、アリョーシャとイワンが語る、神は存在するのか?という命題が通奏低音のように共鳴していてる。ミーチャを通して「罪のない1人を罰するよりも罪ある十人を許す方が素晴らしい」というメッセージが浮かび上がってくる。 新訳だからかユーモアもあって思いの他読みやすかったですね。挫折する感じはなかった。 ロシアという国を批判的に描いてもいて、神と信仰を問う宗教書のようでもあり、恋愛小説でもあり、推理小説でもある。 何より人間の根源的な欲望や魂の救済を全身全霊で描き切ったエネルギーに圧倒されました。続きを読む
投稿日:2023.10.08
まさあき
可愛いペレズヴォンからスタートし、ドアに指を挟んで怪我をするリーザ、悪魔と会話するイワン兄さん『ホザナ!』 アッという間に読み進んでしまいました。 続きが気になるけど、もう読めないのが悔しいです。 も…っとキリスト教を知りたくなる本になりました。続きを読む
投稿日:2023.06.18
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