【感想】「婚活」時代

山田昌弘, 白河桃子 / ディスカヴァー携書
(101件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
10
33
38
8
2

ブクログレビュー

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  • らむきー

    らむきー

    婚活を 就職活動(就活)になぞらえて分析、解説した本。とても分かりやすく、アラサーの自分には当事者意識をまざまざと意識させられる内容だった。

    P19 社会的経済状況が変化しているにも関わらず、意識そのものは昔とそれほど変わっていない。
    男→自分は仕事だけして、子育て家事などの生活面は妻に任せたい。
    女→経済的に依存したい、依存できるほどの力のある人と結婚したい。

    P35 男女対等を目指す夫婦ほど、葛藤が増える。
    対等でなくても夫婦が上手くいくコツは、男性が女性の「話をよく聞く、ほめる、買い物時に荷物を持つ」など、ごく些細な日常的なこと。

    P39 婚活に参加しても受け身な男性たち。
    その理由は傷付くのが怖い。ガラスのハートを持つ繊細な男性が多い。
    ただ、彼らは受け身な一方、妙に頑固なところもある。「頑固不断」頑固で優柔不断。
    頑固で自分のライフスタイルを変える気は無いが、男らしく相手を引っ張っていく訳でもない。ズルズルと結論を先延ばしにする。→頑固不断。

    P79 現実社会の女性たちに断られ、2次元に逃げ込む男性たち。
    現実の理想の女性と付き合うハードルの高さに怖気ついてしまう。
    しかし女性の場合、腐女子やオタク女子は実は恋人や夫がいるケースが多い。
    男女格差が存在する。


    P104 男性の間にも魅力格差が存在する。
    経済格差とコミュニケーション格差。

    昔は若くても真面目に働けば収入が増えていったから、みんな結婚できた。
    今は非正規社員が多く、収入が増えない正社員男性も多い。
    →結婚したくてもできない人が増えている。

    コミュニケーション能力のある(恋愛経験の多く、手馴れている)人がモテる。経験のない人は益々モテなくなる。
    女性には交際以外でもコミュニケーション能力を鍛える場は多いが、男性は女性と付き合わなければなかなか鍛えられる場がない。
    対等な男女関係の中で、相手が何をして欲しいのか、何がしたいのかを察知することは、恋愛経験のない男性にはとても難しい。

    P107 女性の中の格差
    結婚相手に対する要求水準が高くなりすぎている。
    プライドが高く、水準を落としてまで結婚する必然性が感じられない。「できちゃった」以外に、結婚する切羽詰まった必要性が感じられない。

    もはや運。
    男性は趣味の幅が広く、また女性のタイプも広いため、どんな女性でも外見上だれかの結婚相手のターゲットに入る。
    とにかく男性と会う機会を増やすことが重要。

    P133 合コンは婚活に向いていない。
    元々ある程度の出会いに恵まれた人のためのもの。
    →参加者の目的がバラバラ。
    →また能力、魅力を発揮する人のタイプが限られる。短時間で相手のニーズを掴み、自分をアピールすることに長けた人が有利になる。
    じっくり喋らないと魅力を発揮できないタイプの人には不利。


    P158 男性は会話を鍛える。
    女性が沈黙すると、黙ったままになる人が多く、7割が相手の目を見て話せない。
    男性は自分の興味のあることしか興味がない。
    「スタートと割り込みとチェンジが多い」←男性の会話の特徴。

    自分から喋りたがり、相手の話しを遮り、話題を自分から変えてしまう。
    今は聞き上手なヒトがモテる。

    P162
    男の婚活のミソ。
    流される勇気を持つこと。
    女性から迫ってきたら、そのまま流される。逆らわない。
    プライドを捨てて声をかける勇気。

    P170
    日本人の男は女性の年齢に異常にこだわる。
    日本の男は若いほど、性的に興奮するように刷り込まれている。

    P174 アラフォー以降はバツイチなど結婚歴のある男性がモテる。
    この歳まで結婚したことの無い男より、少なくとも誰かに結婚したいと思われた人がいい。と女性は感じる。
    →生涯に1度も結婚しない人と何度も結婚する人との格差。


    P182
    たとえ少額でも「自分の稼いだお金はあなたのために使いますよ」と言ってくれるオトコに女性は
    ときめく。
    →問題は金額ではなく、男の気概。

    P187
    いいなと思った人と付き合うコツは、囲い込み漁。
    無理やりでも関わりを持つ。サークル。
    なんでもいいから会う理由を作る。
    あいのり番組。吊り橋理論。

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    投稿日:2024.04.01

  • hiro1548

    hiro1548

    12年ぶりの再読。
    岩波新書のしおりで「広辞苑」が婚活を収録したことにふれ、婚活は結婚活動の略語ではないという。
    本書の「はじめに」で、山田先生は「婚活は結婚活動の略です」と冒頭で言い切っている。これってどういうこと?続きを読む

    投稿日:2022.09.01

  • 仲嶺真

    仲嶺真


    「婚活」=結婚活動という言葉を作った2人による,言葉ができた当初の「婚活」の話。
    
    このときから10年ほど経っているが,今でも通じる話が多い。たとえば,結婚できない理由は「出会いがない」ことであるとか。
    
    逆に言えば,種々の取り組み(支援策など)は増えているにもかかわらず,10年前から問題は大きく変わっていないということ。
    
    「婚活」。さて,どこに問題があるのであろうか。
    続きを読む

    投稿日:2019.05.07

  • trentakun

    trentakun

    読みました。ウワサの名著!

    現在の結婚数が減っている理由がわかる!

    社会学者 山田昌弘先生の分析と
    少子化ジャーナリスト 白川桃子さん
    の多くの取材から得たスルドイ洞察力に
    感嘆しました!

    投稿日:2019.05.04

  • 二川項

    二川項

    あくまで「婚活」をしないといけない人で,この本を手に取っているような人にとっては,事実確認にはなるけど,具体的な行動に落とし込むには,別の方法で補わないといけないだろう。

    投稿日:2019.02.17

  • aizou70

    aizou70

    目から鱗
    婚活を個人個人の結婚という観点から考えてたけど
    これを読むと個人個人じゃどうしようもない、社会的な必然性が生じているんだなと思った
    宮台真司なんかを読んで、
    社会は私が子供のころからも変わっているという事を気づかされたが
    やはり私の思考では気付いたもののまだ、なじんでないみたい
    いろいろと面白い
    続きを読む

    投稿日:2019.02.09

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