【感想】日輪の遺産

浅田次郎 / 徳間書店
(58件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
10
25
16
4
0

ブクログレビュー

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  • マサレオsuZuki

    マサレオsuZuki

    マッカーサーから奪った、宝の行方を、戦時中と現代で 描き分けた、重層形式の物語。
    結局 お宝は、皆んなが どうしたいのか?最後が 曖昧な感じ?
    だがまぁ、面白い物語。

    投稿日:2021.07.23

  • menchicho

    menchicho

    このレビューはネタバレを含みます

    終戦時の他者、そして国を想う軍人と少女たちの話。
    現代と交互に物語が展開していく。そこでよくありがちなのが、頭が混乱してついて行けなくなること。しかし本書は交互だからこそ理解が深まるように丁寧に書かれている。
    もっとも印象的だったのは、登場人物の苦悩が自分の感覚のように伝わってきたこと。戦争を知らないのに身につまされた。
    特に衝撃を受けたのはマッカーサーの驚愕とその後の行動。でも結果的にそれで良かったと思う。
    また、最後まで引っかかっていた少女たちの自害の理由は、エンディングに一人の少女のセリフによって明かされる。悲しい。でも分かる気がする。そしてこの構成は上手い。
    戦中戦後の日本人は、正解か否かは別として「自分でも日本の役に立てる・立ちたい」と本気で信じて行動していた。美しい。平和ボケの我が身が恥ずかしくなったと同時に背筋が伸びた。
    作者は、あとがきで「4年後に読むと曖昧で稚拙な部分もある」と書いている。確かに金原が前半、真柴老人を馬鹿にしていたのに、最後に「尊敬していた」とシリアスな場面で口にした部分などは若干違和感を抱いた。
    でも、テーマ、構成、文章力、どれも一級品。
    やはり『永遠の0』同様、実力ある作家が体験者をじっくり取材した戦争小説の価値は高い。
    ※『永遠の0』はゼロ戦パイロットに会わずに書いたらしいけど……。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2021.03.12

  • Monaural Man

    Monaural Man

    現実に空想を重ねてきたというのはわかっていても、よく纏まっているし楽しめた。
    細かいことを突っ込んだらアレなのかもしれないが、歴史とか普通教育で学んだくらいしか頭にない為、この小説に描かれたことはとても楽しく読めた。続きを読む

    投稿日:2020.08.05

  • todo23

    todo23

    う〜〜〜ん、物語としては面白いのだが。。。
    宝捜しの丹羽・海老沢、財宝隠匿にかかわった真壁・小泉・曹長、女学生達と先生・野口、そして謎の金原老人、そのあたりの人間像はよく出来てます。その一方でマッカーサーやその副官は取って付けたみたいで変です。そして最大の主題とも思える女学生の集団自殺は、いまいちその必然性の書き込みが不足です。
    解説を読むと、この作品は浅田次郎氏のスプリングボードなった作品との事。逆にいえば飛び上がる直前の、まだ低い場所の作品に位置付けられるのでしょうか?
    続きを読む

    投稿日:2017.11.16

  • らじヲ

    らじヲ

    このレビューはネタバレを含みます

    ポツダム宣言受諾を決めた大戦末期の日本。
    敗戦後、いずれこの国が再び独立国家として立ちあがるための資産を極秘に隠匿する密命を与えられた若き近衛師団少佐と大蔵官僚、その任務を遂行する人員として選ばれた負傷兵と若き少女たちの物語『日輪の遺産』を読みました。

    らじは浅田次郎さんが好きだからけっこういろいろと読んでいるんだけど、この本は内容は違うけれど『地下鉄に乗って』みたいな文体と雰囲気だったよ。

    つまり、浅田さんの小説はベタで直球なところと本当に悪い人がいないところが好きなんだけど、まだちょっと思いっきりベタな内容を究極のベタにまでは描けずにいて、余韻が少し薄い感じ。
    やっぱり初期の作品なんだね(笑)

    日本が復興するためにマッカーサーから奪った財宝を陸軍多摩火工廠に隠すんだけど、やっぱり主軸は人の心なわけ。
    この国の未来を信じて亡くなっていったたくさんの人たちのことを思うと、日本カピとしてらじもだらしない生活をしていてはいけないな…って思いました。

    映画化もされているけど、映画とはちょっと違うお話でした。
    確かにスーちゃん役は、原作でも土屋太凰ちゃんっぽかったけどね…。
    ※ただし『まれ』以前。

    でも、浅田作品としては物足りなかったなぁ!
    らじのお散歩コースにある場所(例:少女たちが働く三鷹の横河電機工場)がちょこちょこ出てきたのは嬉しかったけどね…。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2016.05.31

  • 読書Walker

    読書Walker

    このレビューはネタバレを含みます

    2016年、20冊目です。

    浅田次郎の初期の長編小説です。
    秀逸な作品だと思います。
    太平洋戦争末期のポツダム宣言受諾の時期から始まる物語が、長い歳を経て、戦争経験の無い世代の人間と接点を持ちます。2つの時間軸で物語が展開していきます。

    日本を再興させるための軍の財産を山の中に隠すために動員された女子学生たちの姿と彼女らとその後の日本の両方を憂う人間たちの苦悩が描かれています。
    彼らの残したものを知ることになった2人の戦後生まれの男たちは、それぞれが抱える問題の中でやはり苦悩しています。2人自身の再興のとも交わりながら物語は進んでいきます。少し長い小説でしたが、ストーリーにも興味を失わず読み切ることができました。

    追記
    私は観たことはありませんが、この作品は、映画になっているようです。基本、小説の映像化されたものは見ません。作家の意図とは違う、映像製作者の意図がそこに加わってくるので、自分で原作を読んで、感じることでいいと考えています。

    おわり

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    投稿日:2016.04.03

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