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森村誠一 / 徳間書店 (1件のレビュー)
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tikuo
短編集だろうと読み始めたら、普通に長編だった。また、角川版なのだけど、表紙が寂しいので徳間で。 妻に浮気をされてさらさら嫌になっている2人。うち1人の妻が浮気中に死亡。もう一人も行きずりの女性と同じ…ホテルに居合わせる。その後行きずりの女性も殺され、背後に大きな権力者の存在が示唆され…。 良くも悪くも、これぞ森村誠一という作品。良い方では、アレルギー性結膜炎という科学的(?)な残留物、ミニ清張ともいうべき政界の黒い影が迫る、2人の素人が警察を向こうに回して事件解決を図る。悪い方では、女性はセックスのことしか考えていないという、バイアスありまくりの文章。これに始まったことではないので慣れているけど。 ストーリー展開は非常にこなれていて、良い感じで容疑者が浮かび、証拠が見つかるテンポの良さは良い。ただし残念ながら、スカッとは終わらない。 また、野々村の妻をキーとなりそうなタイミングで出現させたものの、最後まで触れられないので、本当は野々村がはめられていたと言うようなストーリーにしたかったのではないか。途中で方針転換が有ったとか。 タイトルがアレなのは、内容の前フリであって、全体にタイトルを見て読まない人を振り分けるだけの効果もあるようなので、読者をうまく選んだエンターテインメントとしては成功していると思う。 すっきりしないけど。続きを読む
投稿日:2017.05.16
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