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中野正志 / 朝日新聞出版 (4件のレビュー)
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hakuhatu
本書のタイトルでいくと、萬世一系は昔からの皇室のあり方ではなく、近代日本が天皇中心の体制を確立するための発明品であったというのが著者の主張である。 本書では萬世一系のテーマの他に天皇の戦争責任、憲法と…皇室典範の関係、今後の象徴天皇制のあり方等皇室をめぐる諸問題に切り込んでいる。 著者は朝日新聞社に籍を置いていたとのことではあるが、ご本人曰く「同社にとって好ましくないタイプの記者ではなかった」とのこと。たしかに朝日らしくない記述は目立つが、そうはいっても朝日の主張と大きく異なる事はなさそうだ。 面白いなあと思ったのは資料の天皇系譜図。これで行くと今上天皇から男系での系統を遡れるのだが、結果論的に所謂正統と呼ばれる系統とは違う系列で男子系統が連なっているということである。本書の中でも指摘されている事ではあるのだが。 それにしてもやはり気になるのは継体天皇が応神天皇の5世の子孫と言うところで、ここで皇統がつながっていると言っていいのかどうかは議論の余地がありそうに思うのである。続きを読む
投稿日:2020.09.13
ドラソル
万世一系というのが幻想であり、それを元に現在の皇室や天皇制について丹念に分析した一冊。 歴史から政治まで幅広いので、若干浅薄な感はあるものの、感情論に流されることなく、江戸時代以前からの皇室について…も扱っているので、勉強になった。続きを読む
投稿日:2013.08.24
hideyoshi
団塊世代の元朝日新聞記者による天皇論。皇位継承の男系論者に対する批判を目的として書かれたようだが、神武天皇の話から、天皇の戦争責任、司馬遼太郎、幕末の尊王思想の話まで、風呂敷を広げ過ぎ収拾がつかない。…久々に質の低い新書を読んだ。唯一勉強になったのは、現天皇は北朝系だが、水戸学は南朝を正統としていたという下りぐらいか。続きを読む
投稿日:2013.03.24
bax
[ 内容 ] 秋篠宮家の親王誕生で先送りされた皇室典範改正。 議論の過程でゾンビのごとく甦った「万世一系」イデオロギーは、実は太古からの遺産ではなく、幕末から明治にかけての体制強化を担う「発明品」だっ…た! 歴史資料を読み解き、女系天皇容認の立場から男系説を批判的に検証。 昭和天皇の戦争責任問題にも正面から切り込み、現代に生きる私たちに、天皇制の存在意義とは何かを突きつける、衝撃の問題作! [ 目次 ] 第一章 神武天皇の不在は証明されているのか? 第二章 記紀の世界は何を映し出しているのか? 第三章 戦後憲法と皇室典範はなぜ、ねじれてしまったのか? 第四章 昭和天皇は戦争責任をどう感じていたのか? 第五章 「万世一系説」はどこで生まれ、なぜ、独り歩きしていったのか? 第六章 今後、象徴天皇制をどうとらえていったらよいのか? [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]続きを読む
投稿日:2010.05.30
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