母の友2023年10月 特集「炭水化物、気になりません?」
母の友(著)
/福音館書店
作品情報
特集は「炭水化物、気になりません?」です。お米、パン、麺・・・・・・。世界各国で“主食”として愛される炭水化物はわたしたちのエネルギーの源です。一方、健康や美容などの理由で摂取を控える方も。炭水化物との適切な距離感を探ります。おいしいレシピもご紹介。童話欄は竹田嘉文さんの「まよいまち」。*電子版には巻末付録のカレンダーはつきません。*電子版では、掲載されないページ、マスキングされた画像が含まれる場合がございます。*この作品はカラー版です。お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。
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この作品のレビュー
平均 4.0 (5件のレビュー)
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まずは、気になったコーナーから。
小幡彩貴さんの「kinderszene(キンダースツェーネン)」
秋の切ない雰囲気は、感受性豊かな子どもには、また違った感覚なのかもと思わせる、おじいちゃんの寄…り添い方も素敵な一場面。
長田杏奈さんの「私のきれいは私が決める」
「今日も暑いですね」ぐらいの感覚で、「おいくつですか?」と尋ねられる長田さんって、凄い世界にいるんだなと思いながらも、『エイジズム(年齢差別)』についてのお話は印象に残り、その『若く見える』ことが共通の褒め言葉とされるのは、『若さの美徳を信じて疑わず、加齢に対して否定的な価値観が根強いから』に、なるほどと思い、しかも、他の差別と違うところは、誰もが未来の当事者となる点に、過去に何気に言った心無いひと言が、未来の自分に返ってくるといった、まさに因果応報を実感させられるわけです。
「読んであげるお話のページ」
今月は、竹田嘉文さんの「まよいみち」ならぬ、『まよいまち』で、この限られた色とデザイン性が面白い、迷路つき絵本は、ゲーム感覚で町歩きを疑似体験できそうで、将来、子どもがひとりでお使いに行く予行練習としてもいいかも。
「絵本作家鼎談
ガンバートル×ボロルマー×津田紀子(前編)」
イチンノロブ・ガンバートルさんと、バーサンスレン・ボロルマーさんは、モンゴルの昔話や文化を伝える絵本作家の夫婦で、それを翻訳している、津田紀子さんとは、三人でひとつのチームと言わしめる親しい間柄であり、特に、口承文芸の世界である遊牧民の生活について、紙に残しておきたい一心で、日本やモンゴルの子どもたちに伝えたい気持ちに心を打たれ、私も読みたくなりました。
もりやままなみさん、齋藤陽道さんの
「ひょうひょう かあちゃん」
ここでの『スマホけいさつ』は、親子間で対等に行っているからこそ、成立する事に、何事も為せば成るを実感させてくれたが、これは他人事ではいられずに、私ももう少し使用を控えるか・・・。
そして特集は、「炭水化物、気になりません?」
まずは、管理栄養士の太田百合子さんのお話で、基本を確認。
炭水化物は、五つある「栄養素」のうちの一つで、「たんぱく質」、「脂質」と共に、『エネルギー産生栄養素』とも言われ、生きる上で極めて重要なものである。
炭水化物は、「糖質」と「食物繊維」の二つに分けられ、前者は、腸から吸収され、脳や筋肉などを動かすエネルギー源となり、後者は、エネルギーにはならないが、血糖値の上昇を穏やかにしたり、腸を整える働きがある。
一日に必要なエネルギーは、年齢、性別、運動量によって異なり、二十代女性(運動量普通)の場合、約2000kcalで、全体のエネルギー量の50~65%(1000~1300kcal)を炭水化物から摂ることが、生活習慣病を予防するバランスの目安となり、お弁当箱だと約半分くらいがご飯のイメージで、お茶碗一杯(約150g)のご飯で約252kcalなので、一日にご飯、約3~4杯分ということになる、とのこと。
また、炭水化物を控えて、肉や魚を毎日たくさん摂って、たんぱく質で補う場合、噛む力も必要となるので、子どもや年配の方には現実的で無い点と、炭水化物は、たんぱく質を体に吸収するときや脂肪を代謝させるときにも必要なので、必要以上に抜くと、せっかくのトレーニングの効果が出ないことも。
そして、エネルギーが不足すると、脳にエネルギーがいかなくなってしまうので、疲れやすくなったり、集中力を欠いてしまったりと、デメリットが多く、また、糖質制限によるエネルギー不足状態からの、急な甘いものの摂取は、血糖値の急上昇を招き、生活習慣病の原因に繋がりやすい。
最も興味深かったのは(知識不足なだけかもしれないが)、一日分の『食事バランスガイド』であり、それは、逆三角形のコマの形をしており、上から順番に、「主食(ご飯、パン、麺):ご飯なら4杯程度」、「副菜(野菜、きのこ、いも、海藻料理):野菜料理5皿程度」、「主菜(肉、魚、卵、大豆料理):肉・魚・大豆料理から3皿程度」、「牛乳・乳製品:牛乳だったら1本程度」、「果物:みかんだったら2個程度」となっており、その中心には重要な水分補給として、「水・お茶(ジュースなどの嗜好飲料は入らない)」が入っていて、コマの上を人が走る(運動)ことでコマが回り、食事バランスが安定するとのことだが・・・うっ、耳の痛い話だこと。全然、駄目だね、私の場合は。毎日、疲れが取れていない気がするのも、おそらく主食も副菜も主菜も、少なすぎるからだと思うし。
また、意外だったのは、果物はいっぱい摂らなきゃって思ってたけど、全体的に見ると、そうでもないことと、えっ、チーズも多いと駄目なのか等、色々と参考になりました。明日から、少しずつ変えていこう(ただし、とても緩やかに)。
ちなみに、ジュースやお菓子などの間食にあたるものは、食事のバランスそのものには含まれないけれど、楽しく食事をするために、少量なら効果的だそうです(これが、コマの紐になっている)。
その他にも、子どもの食事についてのアドバイスや、痩せすぎや肥満は、大人の場合はBMI、子どもの場合は成長曲線を元に判断することが出来ることから、誤った認識で判断することの危険性を教えてくれて、上記の食事バランスが想像しづらい方は、その後のコーナー「あなたの三食教えて」に於いて、子育て世代の方々が、三日間の三食を写真で掲載してくれており、それに太田百合子さんのコメントが付いているので、参考になると思います。
夏井景子さんの「炭水化物をおいしく食べる一品料理」
手軽に作れるものから、ボリューム感たっぷりなものまで、美味しく炭水化物を摂れるレシピには、「クミンとごまのおにぎり」、「ピーマンと椎茸の佃煮のせごはん」、「鮭とクリームチーズのサンドイッチ」、「かぼちゃのカレークリームうどん」等、どれも食べたくなる。
岡本真帆さんの「短歌とエッセイ」
匂いまで立ちこめそうな
カステラの光る景色は絵本の向こう
ぐりとぐらみたいだねって
指さした先にかがやくおつきさまだよ
歌人の岡本さんが、幼い頃、「わたしも食べてみたい!」と、初めて憧れた物語の世界の食べ物は、「ぐりとぐら」のカステラだそうで、彼女の言葉、『どんな味がするんだろうと想像するとき、物語の世界はぐっと身近になる』に、とても共感し、絵本って味覚も刺激して、まさに五感で体感出来るものなんだなと、その素晴らしさを再実感させてくれました。
それから、特集には、「炭水化物が出てくる絵本」も紹介されており、表紙を見るだけで、子どもが、思わず手を伸ばして食べたくなるようなものがいっぱいで、そこから、絵本にも食事にも興味を持ってもらえそうなのが、また印象的でした。
そして、いよいよ次号は、年に一度のお楽しみ、特別企画「こどもに聞かせる一日一話」で、初体験の私にとって、「絵本を30冊読めるようなものなのかな?」と、今からワクワクものです。続きを読む投稿日:2023.10.15
今号もこの薄さと大きさの誌面で、得られることが多い!
特集になってる「炭水化物」などの食事と栄養の話も、その他レギュラー的なエッセイも、「文字から得られる栄養もあるなぁ」という感じ。
図書館の最新号禁…帯がとけてすぐに予約して、自分の中ではわりとタイムリーに読めたほうなので、季節感的にもそれほど出遅れなかった感があるせいかも。
個人的には、小林エリカのエッセイがいちばん心に響いた。
食べ物のでてくる絵本紹介も、見てるだけで楽しい。うちにある絵本も炭水化物だらけじゃん、という発見もあった(パンとカレーが多いなぁ)
夕食は私の好きなものを作って食べよう。
品数も量も味にも色々うるさい夫。
好きなものが違う子どもたち。
いろいろストレスはあるけど、まずは私がおいしく食べよう。食欲の秋だし。子どもたちももう離乳食じゃないし。
好きなものを食べて、好きな絵本を読んで、せっかく生きてるんだから楽しく生きようっと。続きを読む投稿日:2023.10.16
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