初恋、ざらり 上
ざくざくろ(著者)
/KADOKAWA
作品情報
「必要とされると、拒めない・・・」主人公・上戸有紗は、「コレ」でしか役に立てないと、求めてくる男性につい体を許してしまう日々を送っていた。軽度の知的障害がある自分に自信が持てない有紗は、新しく始めたバイト先の優しくしてくれる社員・岡村さんが気になり始めて・・・。不安定な二人の行き先から目を離せなくなる、切なくも愛おしい恋のものがたり。【「必要とされると拒めない女の子が恋をする話」として、SNSで話題沸騰】・私の話かと思った・心がぎゅーっとなる・誰かに必要とされる事を求めてしまう気持が痛いほどわかる・どうにかして、二人に幸せになってほしい※電子版には「紙書籍版限定、描き下ろしマンガ」は収録しておりません。
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商品情報
- シリーズ
- 初恋、ざらり
- 著者
- ざくざくろ
- 出版社
- KADOKAWA
- 書籍発売日
- 2022.04.13
- Reader Store発売日
- 2022.04.13
- ファイルサイズ
- 102MB
- シリーズ情報
- 既刊2巻
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この作品のレビュー
平均 4.6 (6件のレビュー)
-
正直に告白します。表紙の女の子があまりにもかわいいので、買ってしまいました。中川翔子さんがモデルなのかな。とにかく一目ぼれだった(笑い)。
だけどこの本の6ページ目でいきなり、彼女が「普通の」女の子…でないことが描かれる。つまり彼女は療育手帳所持者だった。だから読者は読み進める前にこう考えるかもしれない-この本は知的障がい者の物語なんだ。つまり、“自分の日常からは遠い話なんだ”-と。
でも読み終えた立場からあえて言わせてもらう。この本は決して知的障がい者のみの物語ではない、と。
では何の物語かって?障がい者という狭いカテゴライズに捉われないような、人それぞれが必ず持つ、個性と紙一重の不器用さや、好きゆえに相手を傷つけてしまうという恋愛のパラドックスを、著者の豊かな感性で丁寧に描かれた珠玉のコミック作品だ。
私がここまで言い切ってしまうのは、先に書いたように、この作品が知的障がいをメインテーマとしながらも、それにとらわれず、読者に自分自身の“障がい性”に気づかせるからだ。
ここで自分自身の“障がい性”について具体的に言うと、例えば私は療育手帳は持っていないものの、すぐ攻撃的な言葉を相手にぶつけたりしてしまう。また、私のまわりにも手帳所持者はいないものの、仕事がハードすぎて精神的にまいって長く休んでいたことがあったり、子どもが家に閉じこもっていたり、外面はいいという評判なのに家ではアルコールにすぐに手が伸びてしまい記憶を失うまで飲まずにいられないといった、それらの人が世間から隠していた話を、「実は…」という前置きに続いて耳にしたりしてきた。
それらの「他人からは見えないが、人とは同じではない」何かは、「自分では恥ずかしいと思いながらも、うまくコントロールできないもの」で、だけども「自分の性格や個性と密接にかかわっている」ものであり、その点では知的障がい者と大同小異だということに私は気づいた。
つまり主人公の有紗は、読者にとって、異質で特別な存在なんかでは決してなく、自分自身の中にある“障がい性”に気づかせてくれる存在なのだ。だから有紗が幸せに近づけば、それだけ自分自身のことのようにうれしくなる。
だけど創作されたストーリーの常で、上巻では有紗はいろんな出来事に取り巻かれる。それは楽しいことばかりではない。
でも自分の人生だってそうだったはずじゃないか。片付けが苦手だった私には、上巻の表紙で有紗の背景にゴミ袋があることを別に不思議とは思わない。そして下巻の表紙では2人での生活が描かれていて、ゴミ袋なんかなくなっている(ついでに言うと、上巻で有紗の横にいたペンギンみたいなぬいぐるみは、下巻では岡村さんがそのスペースにいるので、ゴミ袋があった位置へと移動している)。
つまり療育手帳を持っているかどうか以外は私にもかなりの部分で重なっている。そのように描写がきめ細やかなので、たぶんほかの人でも自然に感情移入できる部分は多いだろう。続きを読む投稿日:2022.06.25
Twitterで作品を知り、大好きになり書籍も購入しました。
とにかく有紗ちゃんと岡村さん、二人の関係性がとても甘くも切なく好きだった
岡村さんみたいな人がいたら、私も好きになってしまう
だって穏やか…で優しくて素敵(有紗ちゃんの気持ちもよく分かる)
そして有紗ちゃんの愛らしさ、一生懸命さに応援したくなる、可愛い(岡村さんも気持ちがよく分かる)続きを読む投稿日:2023.09.05
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