イカル荘へようこそ
にしがきようこ(著)
/わたしたちの本棚
作品情報
「もう、イヤ! もう、たくさん!」中学2年の真子は、揉めてばかりの両親にうんざりし、家を飛び出した。偶然たどり着いた画廊で夏鈴さんに出会った真子は、夏鈴さんの住む「イカル荘」でホームステイをさせてもらうことに。インドネシアからの留学生・デフィン、イカル荘の隣に住む夏鈴さんの父・ジジ、夏鈴さんの甥で真子と同級生の颯太らに囲まれ、イカル荘での新生活が始まった。みんなでご飯をつくること、笑いながら話すこと・・・・・・そんな当たり前の幸せをイカル荘の生活で感じていく真子。今まで気にしたことのなかったイカルやガビチョウの鳥の声、目の当たりにしたイスラム教のデフィンの断食・・・・・・広い世界に目を向けるきっかけを与えてくれたイカル荘。イカル荘での生活も一ヶ月がすぎ、明日はパパが真子を迎えに来る日。最後にみんなでバードウォッチングに出かけ・・・・・・。多感な時期の少女が葛藤しながらも、両親との関係修復へと向き合っていく――。
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商品情報
- シリーズ
- イカル荘へようこそ
- 著者
- にしがきようこ
- 出版社
- PHP研究所
- 掲載誌・レーベル
- わたしたちの本棚
- 書籍発売日
- 2021.05.06
- Reader Store発売日
- 2021.05.28
- ファイルサイズ
- 0.3MB
- ページ数
- 240ページ
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この作品のレビュー
平均 3.3 (4件のレビュー)
-
真子(中2)は揉めてばかり両親に耐えきれず家を飛び出し、偶然たどり着いた画廊で夏鈴さんに出会う。夏鈴さんの「イカル荘」で暮らしはじめた真子は、出会った鳥や人びとによって変わっていく。
イカル、ガビチ…ョウ、サシバそれぞれの鳥の生態を物語に生かし、美しく表現している。
真子やデフィン(インドネシアからの留学生)そして読者も、鳥たちの姿から力強く生きること、ひとり立ちすることへの覚悟、群れの中にいながら個であることなど、いろいろ感じとることでしょう。
親と子の関係は難しいが、にしがきようこさんのお話には、別の大人との出会いによって主人公が自ら道を見つけて行く、そういう救いがあるように思う。そして親から少し離れてみたとき、親の別の面に気付くのだろう。
そんな出会いを得られた子どもは幸せだが、たとえ無くとも物語が代わりを果たすこともあるのではないか、と本の持つ力を信じたい。
我が家の隣の森林から夏のあいだイカルのさえずりが響いてくる。あの澄んだ声を聴くたびにイカル荘のみんなに想いを馳せそうだ。本のなかでも魅力的な人たちとの出会いは嬉しい。
イカル荘、訪ねてみたいなぁ。続きを読む投稿日:2021.05.27
このレビューはネタバレを含みます
イカル荘というネーミングと、イカルがたくさんの表紙に、つい手に取った。小学高学年・中学生向けの読み物。
レビューの続きを読む
家に居場所がないと思った、中学2年生の真子が、家を逃げ出して転がり込んだのが、イカル荘。画家の…夏鈴(かりん)と、インドネシアからの留学生デフィンと一緒に暮らし始めると、パパとママと暮らしていた時とはまったく違った生活が待っていた。
作者は鳥が好きなのだと思う。(私もです)
そこをうまく絡めて物語を作っているけれど、物語の中心はそこではない。同じような設定で少女が自立していく話、高楼方子さんの『十一月の扉』を思い出しました。
小学生でも読める物語なので、重厚ではないけれど、分かりやすいお話にはなっていると思います。
バードウォッチングがパパをこんなにも変えてしまうのは不自然、と思われるかもしれないが、鳥が好きになると病みつきになるのは、鳥好きでないと、ちょっと理解できないかもしれない。私の周りにも、奥さんに付き合って始めただけなのに、なぜか夫の方が夢中になった、という例はある。そこをわかってもらうのは難しいので、不自然に思われても仕方ないですね。鳥好きならでは設定と割り切って、あきらめましょう(笑)続きを読む投稿日:2024.02.21
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