オクトーバー・リスト
ジェフリー・ディーヴァー(著)
,土屋晃(訳)
/文春文庫
作品情報
ドンデン返しの魔術師が技巧のかぎりを凝らした
前人未踏&驚愕連続の “逆行” ミステリー!
本書は最終章ではじまり、第1章へとさかのぼる。
娘を誘拐され、秘密のリストの引き渡しを要求された女ガブリエラ。隠れ家にひそみ、誘拐犯との交渉に向かった友人の帰りを待っていた。
しかし玄関にあらわれたのは誘拐犯だった。その手には銃。それを掲げ、誘拐犯は皮肉に笑った・・・・・・。
だが読者よご用心。全ては見かけ通りではない。章ごとに物語は時間軸をさかのぼり、あなたの知らなかった「事実」が次々に明かされ、
白は黒に、黒は白に反転をくりかえす。謎のオクトーバー・リスト。それを狙う者たち。迷路のようなニューヨークの街で展開される人狩り。
正解最強のサプライズの魔術師ディーヴァーが繰り出すサスペンスとサプライズ。そして全ての真相が明かされるのはラスト2章!
『ボーン・コレクター』『ウォッチメイカー』などでミステリー・ファンを狂喜させてきたベスト・ミステリー作家の神髄がここにある。
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商品情報
- シリーズ
- オクトーバー・リスト
- 著者
- ジェフリー・ディーヴァー, 土屋晃
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春文庫
- 書籍発売日
- 2021.03.09
- Reader Store発売日
- 2021.03.30
- ファイルサイズ
- 9.1MB
- ページ数
- 432ページ
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この作品のレビュー
平均 3.8 (48件のレビュー)
-
終わりから始まるミステリー。娘の誘拐、そしてオクトーバーリストの謎とは? #オクトーバー・リスト
■あらすじ
怪しい男から娘を誘拐したと脅迫されている女性。タイムリミットは迫っていた。この事件には「…オクトーバーリスト」と言われる情報が関係しているらしい。彼女はアパートで娘が無事もどってくるのを待っている、そして身を案じる仲間たちが娘を連れ戻しに行ったのだが…
■きっと読みたくなるレビュー
終わりから始まるミステリー。
なかなかのパワーワード、どんな物語なんだ?と思われるかもしれませんが、実はそのまんまです。最終章である「第36章」から時間が巻き戻るように物語が綴られていき、ラストは「第1章」で幕を閉じるという作品。私が大好きな映画「メメント」に近い進行ですね。
本作、漫然と読み進めてしまうと混乱しがちなので、ノートに人物と関係性を書くのがオススメです。人物は多くないので手間がかかるほどでもないですし、人間関係を理解できたほうが絶対楽しめますよ。
さて物語ですが、とにかく分からないことばっかりなのに、常に差し迫った状況なんです。しかもさらに不安を掻き立てるような情報が交錯してくるから、さらに胸騒ぎが大きくなっていく。
こいつ何者なの?何故こんなことするの?オクトーバーリストって一体なんなのよ?
先に気になってしょうがないので読み進めるのですが、そうです本作は逆進行。読めば読むほど、むしろ気になることが増えてくるという恐ろしい展開。でも気になるから読み進めちゃう…そしてまた分からないことが増える…助けて。
ただすべてが分からないわけではなく、先に戻ることによって判明することも出てくる。場面も人物も次々切り替わったり、細かい展開もスピーディでストーリーテリングが上手いのよ。めっちゃ楽しく読み進められました。
そして本作は登場人物の距離感が素晴らしいんです。特にメインの男女二人の関係性が見ものなんですよね~ 物語が進行する(遡る)ことによって、気持ちが少しずつ変化して(戻って)いく様子が面白いのよ。
そしてなんといっても物語の終盤(というか序盤)。そもそもどういう事件だったのか、娘の誘拐は何故おこったのか、オクトーバーリストとは何なのか… ついに謎が明らかになった時、あまりに綺麗な真相と収束に、とりあえず目ん玉が飛び出ました。
あっという間に「最初まで」読んでしまった、ドエンタメなサスペンスミステリーでした。
■ぜっさん推しポイント
全て読み終わって、あらためて最初の「第36章」や、各章を飛ばし読みをしてみる。あのシーンはどうだったのか、奴はどうなったんだ…なるほど、そういうことだったのかと唸ること請け合い。
そして本書は、各章の冒頭に関連する写真が添えられているんです。部屋に飾りたくなるような写真ばかりで大好き。私のイチ推しは「第10章 土曜日午前10時30分 45分まえ」の写真。皆さんはどの写真がお気に入りですか?続きを読む投稿日:2023.12.01
このレビューはネタバレを含みます
【あらすじ】
レビューの続きを読む
本書は最終章で始まる。(中略)真相が明かされるのはラスト2章!前人未踏の超絶技巧サスペンス。
なるほど、真相がこうならばこれは最終章から始めないといかんよね。第2章で「ああ、ガブリエル…の正体ってこういう……」と納得しつつ大丈夫1章を読むと「ああ、あのシーンは全部仕組まれたことだったのか……」と納得。解説で阿津川辰海氏が言っていたように徐々にズームアウトしていき、物語全体が見えるようになっていく手法がすごかった。
イメージとしては『カメラを止めるな!』が近いかな、違うかも……。一気読み必須のサスペンス。続きを読む投稿日:2024.01.08
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