1Q84―BOOK1〈4月-6月〉後編―(新潮文庫)
村上春樹(著)
/新潮文庫
作品情報
ふかえりはきっと特別な存在なんだ、と天吾はあらためて思った。ほかの少女たちと比べることなんてできない。彼女は間違いなくおれにとって、何らかの意味を持っている。それなのにどうしてもそのメッセージを読み解くことができない。・・・・・・『空気さなぎ』、宗教集団さきがけ、リトル・ピープル、そして夜空に浮かぶ月。謎に満ちた「1Q84年の世界」を生きる天吾と青豆の運命は──。
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この作品のレビュー
平均 3.9 (291件のレビュー)
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〈4-6〉後編2では、「一九八四」について多少の記述があり、関係性を仄めかす感じ。ビッグブラザーの対比?としてのリトルピープルの存在が、ふかえりの「空気さなぎ」等から明らかになっていく。
ふかえりが…両親と共に所属していた組織「さきがけ」、そこから発生した過激派グループ「あけぼの」。この「あけぼの」と警察との武力衝突が、青豆の記憶にない1Q84での出来事の象徴となっている。
月が二つ均衡を保つ1Q84、これは空気さなぎの世界観でもある。
「一九八四」が、ビッグブラザーをストーリーの中に充満させていた重量感を思うと、リトルピープルの象徴的な表現がもの足りなさを感じる。
まだまだ続くんですよ。続きを読む投稿日:2022.11.23
注!
内容に触れていますが、あえてネタバレ設定にしていません。
『BOOK1後編』は、面白さが加速する。
いや。ストーリー自体は『BOOK1前編』と同じく、天吾は10歳上の人妻にタマを弄ばれてい…るだけだし、青豆は相変わらずあゆみと男漁りだ(^^ゞ
ただ、その合間、合間に、少しずつ、少しずつ、話が進み、その話と話が噛み合っていく感じが、読んでいて楽しい。
村上春樹は、その辺りが本当に上手い。
ぶっちゃけ、村上春樹っていうのは、あくまで人気作家であって。世間で言われているような大作家や文豪みたいなタイプの作家ではないように思う。
昔もそうだけど、ネット等情報が反乱する今みたいな世の中では、ひとたび「それがすごい」となれば、猫も杓子も長いものには巻かれていればいいとその情報になびくことで、「すごいそれ」はさらに評価が上がっていく。
今の世間にある村上春樹の評価の大半はそういうものだ。
これから村上春樹を読んでみよう思っている人、あるいは、小説の面白さに目覚めていろいろ手を出している中で著者の本を手に取った人は、村上春樹だって、所詮は数いる作家の一人にすぎなくて。
仮に、村上春樹の小説が面白くなかったとしても、無理して「すごく面白かった」なんて感想を書く必要なんてないんだと頭に入れた上で読んだ方がいいように思う。
(もっとも、「面白かった」と書いた方が、面白くなかったのに「面白かった」と書いた多くの人たちから「いいね」は貰えるんだろうけどさw)
いや。それは、村上春樹を決してクサしているのでない。
というのは、村上春樹が書く小説というのは、今の小説の主流である、読者に至れり尽くせりすぎるエンタメ小説というのとはビミョーに違うのだ。
現在、多くの人に読まれている作家の小説のように、読者の気持ちに寄り添ってきたりはしないし、読者が求めている通りのどんでん返しや伏線回収の展開なんてこれっぽっちもない。
合わない、わからない、つまらないと感じる人がいるのは当然のことだし。
世間の評判通りに、面白い、すごい、著者はここで書いているのはこういことだとわかったからって、そんなのエラくもなければ、カッコイイことでもない。
世間の評判や権威を頭から一切取っ払って、自分なりの価値基準で読んだ方が村上春樹が持つ、稀有と言っていい物語る才能を楽しめるように思うのだ。
この人は、物語を語ることが異様なくらい上手い。
それは、そもそも、その才能に長けているというのはありつつ。
著者が、読者を物語に引き込ませるために、なるべく読者の気持ちをざわつかせないように表現や展開を抑えて書いているからのような気がする。
読んでいて、物語の内容に気持ちがざわつかないから、読者はストーリーに集中出来るのだ。
そこは本当にすごい才能だと思う。
そういえば、「BOOK1前編」の感想で、この『1Q84』は、“たんなるラブストーリー”だということは頭に入れて読んだ方がいいよ、と書いたんだけど。
それは、「BOOK1前編」の冒頭、首都高からハシゴを降りてしまったことで1Q84の世界に行ってしまった青豆が、たまたま見かけた警官が自動拳銃を持っていることに驚くという伏線が全くストーリーに絡んでこないことを見ても明らかだろう。
ジョージ・オーウェルの『1984年』的な管理社会の恐怖的な要素は「BOOK1」を書いている時点で、著者の頭の中から自然にテーマから外れていったんだろう。
それによって、『1Q84』はジョージ・オーウェルの『1984年』とは何の関係もない小説になったけど。
でも、むしろ読みやすくていい小説になったように思う。続きを読む投稿日:2024.05.02
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