平熱のまま、この世界に熱狂したい 「弱さ」を受け入れる日常革命
宮崎智之(著)
/幻冬舎単行本
作品情報
アルコール依存症、離婚を経て取り組んだ断酒。そして、手に入れた平熱の生活。
退屈な日常は、いつでも刺激的な場へと変えられるのだ。
等身大の言葉で世界を鮮やかに描く、注目の書き手、登場! !
目の前の生活を見つめなおす。自分の弱さを無視し、無理に自分以外の「何者か」になろうとするよりも、すでにあるものを感じ取るほうが人生を豊かにできると確信したからだ。
深夜のコンビニで店員に親切にし、朝顔を育てながら磨く想像力。ヤブイヌに魅了されて駆け込む動物園。蓄膿症の手術を受けて食べ物の味がわかるようになり、トルストイとフィッシュマンズに打ちのめされる日々。そこに潜む途方もない楽しさと喜び――。
私たちは、もっと幸せに気づくことができる!
もっとみる
商品情報
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 4.3 (6件のレビュー)
-
この世界で幸せのあり方は、幸せを見つけ出すことという点に納得がいきました。
「弱さ」を受け入れた著者の生活を一緒に覗いてみましょう。投稿日:2021.03.01
このレビューはネタバレを含みます
著者が自身の経験を通して得た「弱さ」についての学びや気づきを、さまざまな角度から認めているエッセイ的な本。
レビューの続きを読む
印象に残っているポイントがいくつかあって、
一つは、自分が誰かに必要とされている実感がな…いと人間は生きていけない、そういう弱さがあるんじゃないかというところ。
人間って複雑だよなぁと思うのは、誰かにとってかけがえのない存在でありたい、自分がいないと困るくらい誰かに必要とされる存在でありたいという思いがある一方で、自分がやらねば、自分がいないと、という責任感とか義務感みたいなもので自分自身を苦しめてしまうこともあるということ。
何かしらの「役割」が必要だから結婚とかするのかな、と思ったり。自分が誰かにとってのかけがえのない存在であるということを一番感じやすいのかもしれない。
二つめは、自身の弱さが持つ役割について。著者が禁酒中、お酒に手が伸びそうになったとき、それを止めてくれるのは再び敗北するのを恐れる臆病な弱さだと語っています。
私自身「失敗したくない」という気持ちがだいぶ強くて、新しいことや苦手なことになかなか挑戦できないという意味で弱みだなと思っていました。それからかなり怠惰なんですが、実際は「ちゃんとしている」と思われることが多くてギャップを感じていました。あるときその話を人にしたら、締め切りギリギリでもやることはやるとか、なんだかんだテスト勉強するとか、その失敗したくないという気持ちが怠惰さを埋め合わせてくれているのかもしれないよねということを言われて、弱みだと思っていたことにも役割があったのかもしれないと思ったことを思い出しました。
三つめは、想像力について。
“どんなに想像を膨らませたところで、それは想像の域を出ず、意味などないのではないかと無力感を覚えることもある。一方で、それが独りよがりの想像だったとしても、その想像が父に伝わっていたならばどんなに嬉しいか、と祈りに近い思いを抱いている。ぼくは父に立派な姿を見せたかった。父も見たいと思っていると想像した。そんな気持ちが少しでも伝わっていたならば、どれだけ救われるか。”
相手の気持ちを想像したところで本当に相手を理解できるわけじゃないから無意味なんじゃないか、と私も思ったことがあります。勝手にわかった気にならないでほしいと思う人だっているだろうし、都合よく、勝手に自分を重ね合わせているだけかもしれない。だけどその想像力が相手を思いやる気持ちから湧き出たものなら、そんな姿勢が伝わってくれていたらそれは嬉しいよなと思う。
書いていて思ったのは、共感って「相手のことを思って寄り添う」的な文脈で使われることが多いけど、有名人の発言に対する共感とか、こういった本を読んでの共感とかってどちらかというと自分のためな気がするということ。いやもはや日常生活でも自分のための共感をしているかも。本当は自分のための共感なのにそれに無自覚で、わかってますよ感を出されると違和感があるのかもしれない。
四つめは、ここが最も刺さったポイントなのでそのまま引用しますが、
“正義を標榜することはたやすい。しかし、正義を貫きとおすのには胆力がいる。信念を掲げても、言葉が、体が瞬間的にはそう反応しない人間の「弱さ」。観念的な信念は、生活の利害関係と衝突すると脆く崩れ去る。”
これ。
本当にその通りだなと思って、ぐさっときたところです。信念があったとしてもやっぱり目の前の生活のほうが大事で、それを犠牲にしてまで信念を貫き通そうとするのにはかなりの精神性が必要な気がします。
さまざまな社会課題が山積する昨今、こういうことって起こりがちなんじゃないかなと思います。〜な社会を目指しましょうとビジョンを掲げつつ、実際の生活の中ではそれに反した行動もとってしまうとか。どのようにしたらそのビジョンと日常生活が対立しないのか、日々の生活を自然に過ごしているうちに理想の社会に向かっていけるのか、意志の力だけではなく、人間の「弱さ」も組み込んだ仕組みを考えていく必要がある。
著者は自身のことを「弱い」と言っていますが、人間全般的にそうなんだろうと思います。人間ってこんなもん。だけど、「理性は少しずつだが、確実に勝利している」という言葉に、少し希望をもらえた気がします。続きを読む投稿日:2024.06.03
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。