この作品のレビュー
平均 4.1 (9件のレビュー)
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このレビューはネタバレを含みます
夏井いつき先生の「子規365日」を読んだ。もともと朝日新聞の愛媛版で「子規おりおり」というコラムとして連載されたもののようだ。
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著者は言わずと知れた、プレバトで毒舌さわやかな(笑)夏井先生だ。家族共用で利用しているkindle本のライブラリーにコレを見つけた。恐らくプレバト好きの家内がワンクリック購入したものだろう。
もちろん、今回これを選んだのは、私もプレバト好きの一人だからだ。ただし、俳句のほうはあまりわかっておらず、番組ではハマちゃんや梅沢富雄のトークバトルやフルポン村上の意外な才能などを見聴きしてバラエティとして楽しんでいる口である。
それでも「俳句」はあの短い言葉の中に、いくつもの思いを表現することができて、できる人はすごいなと感心している。
現代のプロの夏井先生が、少し前の郷土の先輩歌人・正岡子規の作品を1日1句セレクトしてコラム記事にしているので、著者であるだけなく編者でもある。いずれにしても本書を読むだけで、最高級の歌にふれられる満足感というか幸福感みたいなものがある。
最初の1月1日の句から読み始めたが、同じ季節を味わってみたいなと思い、先回りして11月や12月の句を先に読んでみたりした。そして一足早くクリスマスから大晦日に至った。
12月31日 「来年はよき句をつくらんとぞ思ふ」 1897年(明治30年)
俳句でなくともこういう誓いを晦日に立てたいものだ。
夏井先生は当然、子規のこともたくさん研究されており非常に詳しいが、日によっては子規の句から自分の思いに至り、特に食べ物の句の場合には、それをツマミに酒が飲みたいという話題になることがしばしば。夏井先生が酒を飲みたい日には、そういう句をセレクトしているのではないだろうか(笑)?
それともう一つの特徴は、夏井先生の読書の話がよく出てくること。「いまこの本を読んでいる」とか「この本を読みだした」とかの話題が出てくる。そもそも、本書の「まえがき」では、司馬遼太郎の「坂の上の雲」に登場する正岡子規のことに触れられている。なんと司馬遼太郎氏も正岡子規のファンだったんだ・・・と本書の「まえがき」を読んで初めて知った。
そして本書の巻末には、著者の大連吟行の紀行文が載せられていた。正岡子規が従軍記者として大連に渡ったことで現地に作られた句碑が、一時行方不明になっていたところ、発見され愛媛県人会の手により再興されたものを見に行くツアーだったようだ。その従軍記者時代の子規も、「坂の上の雲」では読むことができるのだろう。
さきの「まえがき」には、関川夏央氏の「坂の上の雲と日本人」という本を夏井先生が読んで、なぜ日露戦争を描いた小説に正岡子規という俳人の存在が必要だったのかという疑問がスッキリ晴れたと書かれていた。
この流れで行くと、夏井先生に続いてスッキリしてみたいという願望が当然のように湧いてくるのである。投稿日:2019.12.20
夏井さんの言葉でわかりやすく、エピソード等をふまえて書いてくれてるので情景が浮かびやすかったです。
時折出てくる「花」が気になり、どんなものだろうなんて自分で検索して楽しみながら読むことができました。投稿日:2024.01.31
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