虹を待つ彼女
逸木裕(著者)
/角川文庫
作品情報
2020年、研究者の工藤賢は死者を人工知能化するプロジェクトに参加する。モデルは美貌のゲームクリエイター、水科晴。晴は“ゾンビを撃ち殺す”ゲームのなかで、自らを標的にすることで自殺していた。人工知能の完成に向け調べていくうちに、工藤は彼女に共鳴し、惹かれていく。晴に“雨”という恋人がいたことを突き止めるが、何者かから調査を止めなければ殺す、という脅迫を受けて――。極上のミステリ×珠玉の恋愛小説! 第36回横溝正史ミステリ大賞受賞作。
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商品情報
- シリーズ
- 虹を待つ彼女
- 著者
- 逸木裕
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- KADOKAWA
- 掲載誌・レーベル
- 角川文庫
- 書籍発売日
- 2019.05.24
- Reader Store発売日
- 2019.05.24
- ファイルサイズ
- 2.2MB
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この作品のレビュー
平均 3.7 (19件のレビュー)
-
❇︎
虹を待つ彼女/逸木裕
第36回横溝正史ミステリ大賞受賞作
6年前に劇場型自殺事件を起こして死亡した
ゲームクリエイター水科晴(はる)。
人工知能会話システムの開発者 工藤賢は、
システムの…更なるユーザー開拓の一環として
晴の人工知能の開発に着手する。
晴の人工知能を作るために晴の情報を集める中、
過去を調べるなと脅迫状が届く。
なぜ晴は周囲を巻き込んで自殺をしたのか、
その本当の理由に迫る。
驚きのラストは切ないけれど清々しい。続きを読む投稿日:2022.03.28
このレビューはネタバレを含みます
6月の合同サイン会のサイン本の一つ。
レビューの続きを読む
若き天才的ゲームクリエイターの女性が,自分の作ったゲームと現実をリンクさせる仕掛けをして,ゲームに自分を殺させるという特殊な自殺を諮った。
晴というその女性は伝説…化し多くのファンを生んだ。AIの研究者である主人公・工藤はAIのキャラクターと人間とのように会話できるシステムの開発者の一人だが,その発展形として死者をAIとして蘇らせるプロジェクトに携わることになる。プロトタイプとして蘇らせる対象となったのが晴である。有名人でもあったが謎の多かった晴を蘇らせるためのデータ収集は難航するが,工藤は次第にのめり込んでいく。工藤が最終的にたどり着いたのは...。という話。
なかなか面白かったし,AIのこともよく勉強してるとは思った。が,お約束としてIT関係にダメ出しをしておく。ITがテーマなのだから普通の作品と違ってリアリティはさらに重要となるはずだ。しかしIT企業のことはあまり良く分かっていないのかもしれない。ITを生業としている企業にあって,社内会議の資料を紙で配布するなどということはもう10年以上前からしていないはずだ。ペーパーレス化という言葉が一般に使われだしてからも久しい。更に笑えるのは,SNSで見つけた情報を保存するために加味に印刷して(ここまでは100歩譲るとしても),印刷された紙をスキャンしてPCに取り込むところ。ITを馬鹿にしてるのか。印刷する際にプリンタに出力するのではなくPDFに出力するなんてことはもう何十年も前から普通に行われているのですよ。印刷してスキャンなんて不毛なこと誰もしない。他にも細かいことを言い出すときりがない。AIについても微妙に勘違いしているところがあるように思う。
本筋と関係ないので書いておくと,AIチャットに背中を押されて,離婚したり,自殺したりということが起きて,裁判沙汰になるなんてことは今後起こりうるのだろうか。AIにはアルゴリズムはあるが,学習の結果AIモデルがどういう出力を出すかは基本的にブラックボックスなところがあって,事前に予想することは難しい。それについて企業が責任を負えるのか,負うべきなのかは今後,倫理関係を含めて議論が起こるところだろう。続きを読む投稿日:2023.07.27
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