小林さんちのメイドラゴン 8
クール教信者(著)
/月刊アクション
作品情報
突然、小林家にやってきたカンナの父・キムンカムイ。その目的は、ドラゴン同士の戦いのために必要な「龍玉」をカンナに修復させることだった!! ある男の謀略によって一触即発のドラゴン世界・・・カンナやトール、さらには人間の小林さんまで巻き込まれ、決断を迫られることになり・・・!? 大人気人外系コメディ、初の長編シリーズ完全収録の第8巻!!
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商品情報
- シリーズ
- 小林さんちのメイドラゴン
- 著者
- クール教信者
- 出版社
- 双葉社
- 掲載誌・レーベル
- 月刊アクション
- 書籍発売日
- 2019.02.12
- Reader Store発売日
- 2019.02.15
- ファイルサイズ
- 40.1MB
- シリーズ情報
- 既刊15巻
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この作品のレビュー
平均 4.0 (3件のレビュー)
-
これまでと比べればかなり異質な構成となっている第8巻。終始、カンナとその父親キムンカムイの話が展開され、またバトル描写もちらほら見受けられる
けれど、本作が序盤から通して描いてきた人やドラゴンであろう…と関係なく持つ家族や家庭に対しての曖昧な感情を見事に描いているように感じられた。
キムンカムイはドラゴンから見た家族を如実に表現しているキャラクターだね。
力を最も重視し、娘であるカンナを「共に戦う仲間」と表現する。一方で小林の言う「親と子」については判らんと返し、カンナが何を考えて自分の元を去ることになったのかについて思いを巡らせようとはしない
その在り方はあまりもドラゴンとして典型的であるために人間の小林と共通した着地点を見出すことは難しい
意外だったのはそんな相手であっても小林は何度も手紙の遣り取りを通じて、キムンカムイを懐柔しようとしたことか。それに対してキムンカムイが応答し続けた事も意外。
これは小林なりの戦いだね。戦時下であれば圧倒的な力を持つキムンカムイに只の人間である小林が敵うことは無い。けれど、平時であれば幾らでも手紙という攻撃を行える。キムンカムイもこれが小林からの攻撃であると判っているから返答し続ける
この遣り取りは当事者からすれば楽しい代物だけど、騒乱を巻き起こしたいものからすれば退屈な茶番
アーザードは対立する両陣営を渡り歩き、状況を掻き乱す。ドラゴンの好む遣り方を熟知している彼はあっさりと対立を深刻なものにし、カンナとキムンカムイの間の絆を壊そうとする
けれど、それは人間の暖かさを知り人間の遣り方を知ったカンナからすれば我慢できないもの。だからカンナはアーザードに対して人間の遣り方で宣戦布告する。
その人間なりの遣り方がアーザードの策略をぶち壊す場面は気持ちが良いね。
そしてドラゴンの戦場に降り立った小林はキムンカムイを倒すために人間の遣り方ではなく、魔法使いの遣り方を用いる。それは本来なら犠牲を必要とする方法だったのだけど、その犠牲は魔法使いならではの犠牲。
只の人間として魔法使いなりの犠牲が必要である程度ならば、小林にとって犠牲なんて無いのと同じ
後顧の憂いなんて無い必殺の一撃はキムンカムイをぶっ倒すのに充分な威力になる
最終的にアーザードは魔法使いとしての力を失ってしまう。魔法使いとしての遣り方を通せなくなってしまった彼は人間として生きるしか無い。トールが言うように凝り固まった自分を変えてくれる誰かを探すしかなくなる
彼が再登場して何かの変化を掴む場面が今後描かれることはあるのかな?
人間としての遣り方で戦場を一変させたカンナ。そんな彼女は最後にとても子供らしい遣り方で自分の気持をキムンカムイに伝える
それはきっとキムンカムイに充分に届いたのだろうね。「父と子」が判らないと言っていたキムンカムイは再びカンナは小林の家に戻す。それは以前のような放逐ではなく、小林とカンナが一緒に居られる時間を尊いと理解できたからこその選択。
そして「時々 会いにきてくれてもいいし…時々 会いにいってもやるからよ」という台詞からは親子としての情を感じさせた
でも、この巻で一番凄かったのは小林でもカンナでもなく、イルマの仕事とファフニールのイベ周回を肩代わりした滝谷なんじゃないだろうか……続きを読む投稿日:2019.03.23
小出しにしてきたドラゴン界の抗争話も一気に一区切り.他の巻とはノリが違って単話は全然ないけど,ちゃんと話もキャラクタも出来上がっていて面白い.魔法少女コバヤシ大活躍.
投稿日:2023.04.03
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