この作品のレビュー
平均 3.8 (4件のレビュー)
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このレビューはネタバレを含みます
この巻でクライマックスを迎えます。
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登場人物がそれぞれ考え悩み苦しみます。死んでしまう登場人物もいるので、読んでいてけっこうショックでした。
バリケードでの戦闘シーン(銃撃戦)はあまり得意ではないのですが、登場人物の心の動きなども多く語られていて重要なシーンでした。
ジャン・ヴァルジャンはバリケードに行っても人を殺すことなく看護の手伝いをしました。
コゼットを取られたくないと思う反面、結局はマリユスを助けます。ジャベール警部をも助けるのです。
ポニーヌはマリユスへの報われない愛情を注ぎ最後はマリユスを助けて死んでしまいます。切ないです・・・。
しかし、最後の方でテナルディエがマリユスをゆすろうと訪ねて行き、反対にジャン・ヴァルジャンの本当の姿を、マリユスに知らせることとなるシーンはすっきりしました。
ジャン・ヴァルジャンが、コゼットの小さな服をずーとカバンに入れて大事に持っていたこと、その服を並べて泣いたところは、涙があふれてきました。私はカバンの中身はお金だと思っていたので、よけいに泣けました。
最後、やっと3人で幸せに暮らせるのではと思いましたが、ジャン・ヴァルジャンは死んでしまうのですね。
愛情・自由・人権・親子・家族・真の幸福などいろいろなことを考えさせられる作品でした。
機会があれば、完訳版も読みたいです。
【あらすじ】
ゴルボー屋敷からジャベール警部がテナルディエ達を逮捕したところから始まります。
マリユスもこの屋敷から去っていきます。
ジャン・ヴァルジャンはうまく逃げ去っていました。
マリユスは偶然テナルディエの娘エポニーヌと出会う。
エポニーヌによってマリユスはコゼットの家を知ることになり、マリユスとコゼットは深く愛し合っていることを確かめあう。
しかし、ジャン・ヴァルジャンは自分の愛するコゼットが離れて行ってしまうことに、悩み苦しむ。
マリユスはパリで起こった暴動に参加しバリケードにいることをジャン・ヴァルジャンは知ることとなる。
このバリケードには登場人物がつぎつぎと集まってくる。
エポニーヌはマリユスを助けるために命を落とす。捕らわれの身のジャベール警部はジャン・ヴァルジャンに逃がしてもらう。
そして、マリユスは瀕死の状態になったところをジャン・ヴァルジャンが背負い、断絶状態の実家まで運ばれる。その間、ジャン・ヴァルジャンは環境の悪い下水道をずっと背負ったまま進んでいく。
マリユスが回復するまで何カ月もかかったが、和解した祖父はマリユスとコゼットの結婚を許してくれる。
しかし、ジャン・ヴァルジャンにとっては、表面上は喜んでいたが内心はかなしくてしょうがなかった。
ジャン・ヴァルジャンは悩んだ末、マリユスに全てを告白した。自分は脱獄囚だが、コゼットとは一緒にいただけで、何の関係もない。これからは会わないと約束する。
その夜、ジャン・ヴァルジャンはコゼットを引き取った時の、小さな服を並べ泣き明かした。
マリユスは自分を助けた人物を知らなかった。ある日、変装したテナルディエがマリユスを訪ね、自分はコゼットの秘密を知っているという。
テナルディエはコゼットが人殺しのジャン・ヴァルジャンの娘であるといい、マリユスから金を引き出そうとしていた。
テナルディエが殺したと思っていた人間はマリユスだった。そして、ジャン・ヴァルジャンが今まで、どれだけ人のために生きてきたかを知ることとなる。
マリユスとコゼットはジャン・ヴァルジャンのところに会いに行くが、その時もうジャン・ヴァルジャンの命はわずかだった。
ジャン・ヴァルジャンは「死ぬことはおそれていないが、悲しいのはもう生きられないことだ。」と言い。コゼットとマリユスに見守られ死んでいった。投稿日:2013.03.08
このレビューはネタバレを含みます
結末に向けてだんだん面白くなくなる長編。3分冊の「下」の大筋はマリユスとコゼットのバカップルっぽさと、娘が親離れすることを恐れ、今までの聖人君子らしい振る舞いはどこへやらのジャン・バルジャン。長編を貫…く軸はジャベールとジャン・バルジャンの、「一度犯した罪は許されないのか」という対立であったが、軽率なマリユスが革命に参加して話が横道にそれていく感じ。大義なき革命。マリユスを助けるためにわざわざ危険にさらされるジャン・バルジャン。エンディングがかわいそすぎる。続きを読む
レビューの続きを読む投稿日:2022.03.31
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