- 最新巻
死後開封のこと 下
リアーン・モリアーティ(著)
,和爾桃子(訳)
/東京創元社
作品情報
長年にわたって隠し続けてきた夫の秘密を知ってしまったセシリアは、それでも必死で、学校行事や娘たちの習い事の送り迎えなど、普段どおりの生活を続けようと苦闘する。逆に、故郷シドニーへと帰ってきたテスは、そこで夫や子供にはとうてい言えない秘密を持つことになってしまった。そして学校秘書を務める老婦人レイチェルは、ついに最愛の娘の殺人犯と思われる男の証拠を手に入れるが・・・・・・。それぞれの秘密を胸に、それでも懸命に生きようとする三人の女たちをあざ笑うかのように、皮肉な運命はやがて衝撃の事件へと彼女たちを導いていく!
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商品情報
- シリーズ
- 死後開封のこと
- 著者
- リアーン・モリアーティ, 和爾桃子
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- 東京創元社
- 書籍発売日
- 2018.05.31
- Reader Store発売日
- 2018.05.31
- ファイルサイズ
- 1.3MB
- ページ数
- 285ページ
- シリーズ情報
- 既刊2巻
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.8 (6件のレビュー)
-
オーストラリアのベストセラー作家の話題作、後半。
シドニーに住むセシリアは、明るく元気で親切な女性。
3人の可愛い娘を育て、小学校のPTA会長もやっていて、販売のパートも上手くいっていました。
ある…日屋根裏で、夫の字で「死後開封のこと」と書かれた封筒を見つける。
優しい夫には、何か秘密があるらしい‥
子供中心のにぎやかな暮らしぶりと、増えていく仕事上での出会い。
そこへ夫の秘密が絡んで‥
思いがけない事態に。
一方、夫が浮気したため実家に戻ってきた女性テス。
こちらの視点からも描かれ、多角的に読めます。
死後開封というわけではないけれど、夫の秘密を知ってしまった後ですね。
もうひとりの重要人物は、小学校に長く勤めている高齢の女性レイチェル。
娘が若い頃に急死し、当時のボーイフレンドが関わっているのではないかとずっと疑っていました。
その男は現在、同じ学校の体育教師。
彼はテスとも付き合いがあり、現在セシリアの娘の先生でもあります。
そして‥
殺人事件の起きるミステリではないですが、謎解きの要素はあり。
因果応報の部分と、思い込みや無知が人を苦しめたり、意外な展開も。
この作者は本当に頭が切れる人だなという印象です。
読んでいるこちらも引っ張られて頭が良くなってしまいそうな切れ味。
悲運もありますが…ただ悪い方へばかり進むような結果にはならない。
それぞれの女性の真剣さと、事実を受け入れていく優しさがしみじみ心に残りました。続きを読む投稿日:2021.03.11
オーストラリアの作家「リアーン・モリアーティ」の長篇ミステリ作品『死後開封のこと(原題:The Husband's Secret)』を読みました。
『ささやかで大きな嘘』に続き、「リアーン・モリアー…ティ」作品です。
-----story-------------
〈上〉
すべてはあの手紙がきっかけだった。
夫の字で「死後開封のこと」と書かれた封筒。
その手紙を見つけたときから、「セシリア」の幸せな家庭に暗雲がたれこめ始める。
そのころ「テス」もまた、夫と従妹が愛し合っているとの告白に動顛していた。
「テス」は息子を連れ実家へ帰るが、そこで出会ったのは殺された娘をいまだ忘れられない老婦人「レイチェル」だった。
開けてはいけない〈パンドラの箱〉を開けてしまった女性たちを描くトリッキイなミステリ。
〈下〉
長年にわたって隠し続けてきた夫の秘密を知ってしまった「セシリア」は、普段どおりの生活を続けようと苦闘する。
逆に故郷へと帰ってきた「テス」は、そこで夫や子供には言えない秘密を持つことになってしまった。
そして老婦人「レイチェル」は、ついに最愛の娘の殺人犯と思われる男の証拠を手に入れるが……。
それぞれの秘密を胸に、それでも懸命に生きようとする三人の女をあざ笑うかのように、運命は衝撃の事件へと、彼女たちを導いていく!
-----------------------
2013年(平成25年)に発表された「リアーン・モリアーティ」の5作目の作品… 6作目の『ささやかで大きな嘘』の方が先に翻訳されていたこともあり、5作目を読むのが後になっちゃいました、、、
『ささやかで大きな嘘』と同じく、家族や友人の絆がテーマとなっている作品でした… どこにでもいるありふれた人々のありふれた日常を描きながら、そこに潜む痛み・苦しみを巧く描いた作品でしたね。
■月曜日
■火曜日
■水曜日
■木曜日
■聖金曜日
■イースターの土曜日
■イースターの日曜日
■エピローグ
■訳者あとがき 和爾桃子
「セシリア・フィッツパトリック」は、ハンサムな夫「ジョン・ポール」と、「イザベル」、「エスター」、「ポリー」の可愛い三人の娘と一緒にシドニーで暮らしていた… 有能な主婦であり、やり手のタッパーウェアのセールスマンでもあり、娘たちが通う聖アンジェラ小学校のPTA会長でもある彼女が、自宅の屋根裏を片付けていたときに、偶然見つけた一通の手紙には見慣れた夫の字で「妻へ わたしの死後に開封のこと」と書かれていた、、、
最初は開封するのを我慢していた「セシリア」だったが、手紙が見つかったことを知った「ジョン・ポール」の慌てぶりに、どうしても好奇心を抑えきれず手紙を読んでしまう…
そこに書かれていたのは驚愕の事実だった。
開けてはいけないパンドラの箱を開けてしまったその日から、「セシリア」の毎日はこれまでとは違うものになってしまう… 一方、夫「ウィル」と従妹「フェリシティ」の三人で小さな宣伝広告会社をたちあげ軌道に乗せた「テス・カーティス」も、予想外の事態に直面していた、、、
なんと「ウィル」と「フェリシティ」が愛し合っているというのだ… 「テス」はショックを受け、とにかく二人から離れようと、息子「リーアム」を連れて実家のあるシドニーに向かう。
シドニーで息子を自分の母校である聖アンジェラ小学校に転校させた「テス」は、そこで学校の事務員をしている老婦人「レイチェル・クロウリー」に出会う… 「レイチェル」はかつて高校生だった娘の「ジェイニー」を何者かに殺害されていた、、、
犯人は捕まらず、それ以来「レイチェル」は、自分が犯人だと目星をつけた男… 「テス」の元彼氏で、現在は聖アンジェラ小学校の体育教師をしている「コナー・ウィットビー」の尻尾をつかもうとしていた。
聖アンジェラ小学校で出会った「セシリア」、「テス」、「レイチェル」の三人の女性… それぞれの秘密を胸に生きる三人の女性たちの運命は、彼女たちを衝撃の事件へと導いていく、、、
「ジェイニー」を殺害した犯人は誰か!?というミステリ的な要素はあるものの、犯人捜しは、あくまでもサブテーマ… 家族(夫婦や親子)の在り方や絆、葛藤がメインテーマとなっており、ヒューマンドラマ要素が強い作品でしたね。
日本でドラマ化しても受けるんじゃないか… そんな印象でした、、、
殺人を犯した男性の子どもが、被害者の遺族から… という因果応報的なオチかと思えば、最後に衝撃の事実が隠されていたりして、一筋縄ではいかない面白さが隠されていましたね。
以下、主な登場人物です。
「セシリア・フィッツパトリック」
聖アンジェラ小学校のPTA会長
「ジョン・ポール」
セシリアの夫。
「イザベル」
セシリアとポールの長女
「エスター」
セシリアとポールの?次女
「ポリー」
セシリアとポールの三女
「ブリジット」
セシリアの妹
「ヴァージニア」
ジョン・ポールの母
「テス・カーティス(旧姓オリアリー)」
TWF宣伝広告社の営業部長
「ウィル」
テスの夫。TWF宣伝広告社の制作部長
「リーアム」
テスとウィルのひとり息子
「フェリシティ」
テスの従妹。TWF宣伝広告社の美術部門長
「ルーシー・オリアリー」
テスの母
「メアリ」
ルーシーの双子の妹。フェリシティの母
「フィル」
メアリの夫。フェリシティの父
「レイチェル・クロウリー」
聖アンジェラ小学校の学校秘書
「エド」
レイチェルの亡き夫
「ジェイニー」
レイチェルの亡き娘。長女
「ロブ」
ジェイニー弟。不動産仲介業者
「ローレン」
ロブの妻。オーストラリア・コモンウェルズ銀行勤務
「ジェイコブ」
ロブとローレンのひとり息子。レイチェルの孫
「マーラ・エヴァンス」
レイチェルの友人
「トゥルーディ・アップルビー」
聖アンジェラ小学校の校長
「コナー・ウィットビー」
聖アンジェラ小学校の体育教師。テスの元彼
「ロドニー・ベラック」
元警部。ジェイニー殺害事件の担当刑事だった続きを読む投稿日:2023.03.13
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