三人屋
原田ひ香(著)
/実業之日本社文庫
作品情報
朝は三女・朝日の喫茶店、昼は次女・まひるの讃岐うどん屋、夜は長女・夜月のスナック――朝・昼・晩で業態がガラリと変わるその店は、通称「三人屋」。やって来るのは、三女にひと目惚れしたサラリーマン、出戻りの幼なじみに恋する鶏肉店主、女泣かせのスーパー店長など、ひと癖ある常連客たち。三姉妹が作るごはんを口にすれば、胃袋だけじゃなく、心もたっぷり満腹に!? 心とお腹にじんわりしみる、美味しい[人情×ごはん]エンタメ!「高いビルの屋上から、道行く人をじっと眺めているような小説である。大所高所から見下ろしているという意味ではない。ちっぽけな人間たちが、時に迷ったり立ち止まったりしながらも、それぞれの目的地を目指して懸命に歩いている姿を目にした時の、あの切ないような尊いような心持ちを思い出させてくれるのだ。」――北大路公子氏「解説」より
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商品情報
- シリーズ
- 三人屋
- 著者
- 原田ひ香
- 出版社
- 実業之日本社
- 掲載誌・レーベル
- 実業之日本社文庫
- 書籍発売日
- 2018.02.15
- Reader Store発売日
- 2018.03.16
- ファイルサイズ
- 1.4MB
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この作品のレビュー
平均 3.3 (131件のレビュー)
-
面白かった。。。
aoi-soraさんのレビューを見せていただき、ぜひ読みたいと思い、すぐに本屋さんに取り置きしてもらいました。
原田ひ香さんのおいしそうな料理がでてきます。
三人娘がそれぞれ魅力…的で、出てくる男性がダメダメで、、、
料理の中では、私も塩むすびが食べてみたい。続きを読む投稿日:2023.02.19
このレビューはネタバレを含みます
◯お話の舞台について
レビューの続きを読む
新宿から私鉄で西に15分、駅から延びるラプンツェル商店街が舞台。架空の商店街だけど、現実の世界でいうと西武新宿線の沼袋駅(普通電車で約15分、中野区)か上石神井駅(急行で15分、…練馬区)の辺りかな。昔その間に住んでいたのでよくイメージできる。三人屋がある街としてぴったり。いちおう東京23区内なんだけど周りの人には十中八九「どこ?」って訊かれるし、地元の常連さんが集うこじんまりとしたお店が多い。大きな買い物はみんな新宿に出ちゃうから、地元では地に足のついた買い物をする。
夜月と大輔が中絶手術を受けに行った(読むのが辛かった)渋谷始発私鉄の駅というのは、京王井の頭線のどこかかなと思う。西武新宿線と京王井の頭線って主に杉並区を挟むようにして通ってるんだけど、それぞれ全然違う文化圏に属している。夜月の心情としてクリニックを選ぶならできるだけ顔見知りに会わない遠いところを選ぶだろうな、でも医療受給者証が使えて通いやすい場所というと自分の住む区内でなければ、という点で井の頭沿線というのが実にリアル。
◯三人姉妹について
長女は愛されキャラで親にも贔屓され、次女は頑張り屋で何でもかんでも引き受けて貧乏くじを引き、三女は上二人を反面教師に真面目かつ実利的に物事をこなす、という関係性がリアル。三人きょうだいって、生まれ持っての性質ももちろんだけどお互いの関係性からこんなふうに違いが出てくるものだよね。夜昼朝、と名は体を表すを地で行くフィクション的な名付けもよかった。性格も容姿も、よつばとのあさぎ・風香・恵那を思い浮かべながら読んだ。
◯本のカバー絵について
単行本では夜月の白ごはんがセンターにあったけど、文庫本では朝日のトーストに配置が変わっていた。トーストのほうが見栄えがいいのかな。原田さんはおっぱいマンション→そのマンション、終の住処でいいですか?の改題でも思ったけど、文庫化に際しての再パッケージ化がお上手。
◯食べ物の描写について
低い評価をつけている人もいるけど、私はどの食べ物もおいしそう、原田さんは料理をする人なんだな、と感じた。毎回精米すると浸水〇分でもお米は美味しく炊けるとか、ホームベーカリーにあまり長く材料をセットしているとパンの風味が落ちるとか、わかるなあ。絶品ぬか漬けの秘訣が味の素だったとかね。男って単純。単純といえば、胃袋をがっちり掴まれている森田くんも単純だ。丁寧に気を遣ってよそう野間さんのお鍋を食べてみたいと思ってしまった私も単純かな。
続きを読む投稿日:2024.06.02
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