フォールアウト
サラ・パレツキー(著)
,山本やよい(訳)
/ハヤカワ・ミステリ文庫
作品情報
犯罪の疑いのある黒人の青年オーガストが、往年の名女優とともに失踪した。探偵ヴィクは彼らが向かったと思われるカンザス州の街へと赴く。オーガストたちは廃棄されたミサイル基地で何かを撮影していたらしい。調査に乗り出したヴィクは殺人事件に巻き込まれ・・・・・・。中西部の郊外に渦巻く国家的陰謀の正体とは?
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- フォールアウト
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- 早川書房
- 掲載誌・レーベル
- ハヤカワ・ミステリ文庫
- 書籍発売日
- 2017.12.25
- Reader Store発売日
- 2017.12.28
- ファイルサイズ
- 1.1MB
- ページ数
- 656ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.6 (10件のレビュー)
-
シカゴの女探偵ヴィクことV.I.ウォーショースキーのシリーズ。
カンザスでも旋風を巻き起こします。
前作で登場した女の子バーニーに頼まれ、窃盗の疑いをかけられた青年を探すことになったヴィク。
行方を…くらませては疑いが深まってしまうのだが、老女優とカンザス州の町へ向かったらしいのだ。
老女優の故郷は、かって核ミサイル配備への抗議行動が行われた町。
初めてのカンザスでの捜査は勝手が違うが、愛犬ペピーを連れていったので、行く先々で可愛がられ、場が和んだり。
女優の暮らした地域を調べようとするが、いきなり死体を発見したのから始まり、次々に過去の出来事の不審な点を探り当てていく。
聞き込みに行った住人に「あなたが来てから新聞が面白い」と言われる始末。
さらに、世間知らずの元気なバーニーが追ってきてしまい‥?
作者は10年ほどカンザスで暮らしたことがあり、あまり良い経験ではなかったらしい。
それも作品に活かされている?
長い年月、町の人々をおおっていた重層的な事件の苦さ、切なさ。
60を過ぎてもすらっと若々しくパワフルで前向きなヴィク。
作品中の年月も現実とともに流れ、そんなヴィクを書き続ける作者のタフさとサービス精神に脱帽です☆続きを読む投稿日:2018.10.26
グインに夢中になっていて、読むのを途中で一旦止めていた、ヴィクことV・I・ウォーショースキーのシリーズ。長いこと読んでいるシリーズだと、登場人物が自分の友人のように思ってしまうことがあるけど、このヴィ…クもそういう主人公のひとり。シカゴを本拠地に活動する私立探偵だ。
読み始めた頃は、憧れのお姉様って感じで、ほんとに身近でカッコいいと思った。こちらが社会人になって、親近感の質は変わっていくが、このシリーズ、作品の中でも時間が経ってるので、もう彼女は50代。でも相変わらずパワフルで美人で、熱い。行動派だ。
ヴィクの姪っ子、バーニーが友達と一緒に持ち込んだ依頼は、オーガストという、映画監督志望の青年を探して欲しいというもの。老女優、エメラルドと一緒にカンザスに行ったきり、行方がわからないという。二人を追ってカンザスに飛んだヴィクだが、女優の生まれ故郷の小さな町にたどり着いた。どうもそこでは、合衆国の空軍が、不可解な核、ないしは、正体のはっきりしない、危険な何かの実験をやっていた過去があるらしいが…。
核は怖い。いや、戦争に使われる兵器は全て怖い。だが、中でも怖いのは、核をはじめ、使っている側にも、使用後にどんな事態が引き起こされるか読みきれない、強大な武器たちだ。ヴィクは当初、行方不明の二人を探しているだけのはずだった。なのに気がつけば、過去の兵器実験にまつわる謎に、どんどん巻き込まれてゆく。
町の人物は、みんな典型的な、スモールタウンのいいひと。ゴシップもよそ者への排除論理も吹き飛ばすような、実に恐ろしいものに目を閉ざしている。だんだん謎が解明されると
「世界の何処かで、こんな恐ろしいことが、実際に起きているかも。」
と、背が凍る思いがする。作品のスケールも大きいし、読み応えがあるが、ふと、現実をなぞっているような恐怖を覚えるのだ。本当は、たった一人の私立探偵に背負えるような秘密ではない。著者は、フィクションを通じて、戦争や、人間の手に負えない兵器の使用への警鐘を、強く鳴らしていると思う。こういうリアルな恐怖への疑似体験を通して、社会に訴えるメッセージがあるのも、パレツキーの作品のの特色だ。
そんな中、敵ばかりの街で、味方が多少なりとヴィクにできると、それだから一層嬉しく、彼女の誠意が伝わると、ぐっと心でガッツポーズをしてしまう。一時期、ほんとにだいぶ前、ちょっとヴィクがパワーダウンしたかと思う時期があったのだが、これだけの事件を解決するとは、さすが。ファンとしては嬉しい。いつも彼女は、怒りも喜びも隠さない。悲しい思いをした人のために怒り、不当なことに怒り、命をかける。でも、その裏に、犬を愛する優しさや、心通じる人を求める温もりも持っている。繊細な一面がある。そこが良いのだけれど。
今回、以前に刑事の恋人と別れたと同じような理由で、スイスに行ってしまったチェロ奏者の恋人に、別れを告げられている。一人涙を見せるヴィク。どんなにかつらかっただろう。
次も既にあと二作。計四冊が上梓されている。同時期に4Fミステリの華として、ともに愛された、スー・グラフトンのアルファベット・シリーズが、作者の逝去によって、幕が下りた。これまた魅力的な主人公だった、キンジー・ミルホーンの活躍が読めなくなったことを思うと、ヴィクには元気でいて欲しいし、さよならしなくていい幸福にも、巡り合ってほしいところ。きちんと邦訳が出ているのはありがたい。山本やよいさんの訳も、相変わらずの冴え。次を読むのが楽しみだ。続きを読む投稿日:2023.08.20
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。