祟り婿 古道具屋 皆塵堂
輪渡颯介(著)
/講談社文庫
作品情報
店主の伊平次が曰く品ばかり仕入れるため、古道具屋皆塵堂は怪異騒動が続き、評判になっていた。ところが幽霊や呪いの類をまったく信じないばかりか、幽霊が見える太一郎を敵視する男、連助が皆塵堂の新たな押しかけ奉公人に。連助はなぜそこまでかたくなに幽霊を拒むのか。怪異騒ぎのインチキを暴こうとする連助自身、大店の婿入りを控えていた。その店の婿はなぜか短命続き。連助が何かに祟られていることを心配する面々は!?
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商品情報
- シリーズ
- 古道具屋 皆塵堂
- 著者
- 輪渡颯介
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社文庫
- 書籍発売日
- 2017.05.16
- Reader Store発売日
- 2017.06.09
- ファイルサイズ
- 1.5MB
- ページ数
- 304ページ
- シリーズ情報
- 既刊6巻
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この作品のレビュー
平均 3.0 (3件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
今作の中心人物は行き倒れて拾われて居候になったとかでなく,普通の商家の息子,連助。連助は幽霊とか呪いとか祟りとかを一切信じないばかりか,信じている人間をばかにするような男。それが皆塵堂の噂を聞いて,真実を明らかにすべく従業員として乗り込んできたという設定。しかしそれには訳があった。とは言え実際に皆塵堂には出てしまうわけで,伊平次や清左衛門は理由がわかるまでは連助になんとか見せないで済ませようと骨を折る。
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「質屋蔵」
伊平次と清左衛門と連助は蔵に幽霊が出るという質屋,多丸屋を訪れる。そして幽霊を確認するために泊まり込む。夜中に蔵の方からの物音を聞いた連助は蔵に行ってみるも。何もいないし,蔵前の玉砂利には跡もついていない。蔵の幽霊の謎は解けるのか。
「衝立から除く顔」
飲み屋をやっている熊七という男が衝立を売りに来る。店に置いていたところ,その衝立から幽霊が覗くのだという。連助は幽霊のデマを暴こうと熊七の店に泊まり込む。熊七の店のある場所は立て続けに店が短期間で閉店を繰り返しているところだそうで,熊七の店も最初はそれなりに繁盛していたのに時間とともに客足が遠のくようになったという。そこに衝立の幽霊騒ぎでますます客が減ってしまっているらしい。
「幽霊屋敷 出ても見ぬふり」
清左衛門が知り合いの材木商の隠居,孫兵衛から新しく手に入れた隠宅にもともとあった家財道具を皆塵堂で一切引き取って欲しいと依頼を受ける。しかしその家には良からぬものが出るらしい。清左衛門はその作業に連助を行かせることを危惧している。果たして引き取り作業は無事行われるのか。そして連助の幽霊嫌いの訳も明らかになってくる。
「六連屋と妖刀」
連助の怪我を診に来ている藪医者の了玄が今診ている寿屋のおつるという少女の状態が良くないのだと話す。寿屋では少し前にお鶴の祖父,万平が亡くなっており,祈祷師が万平がおつるを一緒に連れて行こうとしてるのだなどと言っているらしい。これに激怒した連助は了玄とともに寿屋に乗り込むと宣言する。
祈祷師によると離れにある万平の気に入りの品も持っていこうとしてるということで,離れの品をお祓いして道具屋に引き取らせることになっているという。その祈祷師の連れてくる道具屋の名前が皆塵堂と言うそうだ。それを聞いて皆塵堂の面々は驚く。どうもインチキ祈祷師が偽の皆塵堂を従えてやってくるらしい。果たして幽霊話の真相は。一方巳之助と太一郎は,連助が婿入することになっている六連屋に乗り込み呪いの刀を見せてほしいと頼む。
「刀を折る者」
太一郎によると刀には強い力の呪いがいくつもかかっていて,自分にはどうしようもないという。刀は折ってしまえば良いらしいが,刀に害をなす意志を持つとそれを刀の呪いによって排除されるようだ。そこで伊平次は一計を案じる。投稿日:2023.04.20
ぜったい認めない連助も、遠くから見るなら面白いやつだ
決して悟られちゃいけないのは捻ってあって面白かった投稿日:2018.11.18
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