ママたちの下剋上
深沢潮(著)
/小学館
作品情報
ママの地位は子どもの成績で決まる?!
「お受験」という名の、母親たちの代理戦争。この前まで自分が誰かの子どもだった母親たちが、突如として一人の人間を育てることを課される。とまどいを周囲に悟られないように、孤独な子育てと戦う母達の下剋上の物語。
大手下着メーカーで広報として働いていた香織は、妊活に励むために慣れ親しんだ会社を退社することに。家でゆっくりしながら、夫との時間を作ろうと考えていたのだが、母校「聖アンジェラ学園初等部」の広報を手伝って欲しいと校長からお願いされる。
広報の仕事だったらお手のものと軽く考えていたのだが、子どもの受験に挑む母親たちの思いは、下着を購入するお客さんとは全く違っていた。母親同士の駆け引きや足の引っ張り合い、その一方で子を愛するという一筋縄でいかない母たちの思いに飲み込まれていく。子どもを持つことは幸せ?それとも地獄?悩んだ母親たちが出したそれぞれの結論は?
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この作品のレビュー
平均 2.6 (5件のレビュー)
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小学校、中学校のお受験のお話。タイトルの下克上はあまり感じなかった。お受験を経験させることないまま子育ても終えた身としては、他人事ではあったけど、興味深く読みました。 近所にずっと塾三昧だったお子さん…のママが、受験直前に塾をやめ、お受験もやめたんだと言っていたのを、舞花と逸美のストーリーで思い出しました。その家族にとって、何が最適かということだなと思います。子供は親の作品という怖い勘違い。 お受験がその家族に合う物であればいいと思いますが、間違った考え方だけは避けなければいけないと思います。続きを読む
投稿日:2021.11.02
久しぶりに期待はずれの本を読んだ。綺麗にまとまってはいるのだけど。
教育に対する知見が多少でもある人ならば、読んで違和感だらけのはず。
主人公は広報向き、頑張り屋さん。自分に経験があるからこそすごく…分かる。社内(学内)調整の役回りも、メディア(お教室)回りも… 掲載物のチェック、webやSNSの更新、楽しくてやり甲斐のある仕事だったと思える。
ただお花畑感。読み物として幸せな世界ではあるが、リアリティ薄い。教育業界、お受験に関して無知すぎ。リサーチしてから転職して。そんなホイホイTVの密着取材決まれば苦労しない。お土産のメダルのリボン付け家で手作りとかブラック過ぎる。。
主人公の周りもあかん人が多い。
夫のモラハラ、ダメっぷりも東大院を出ていてもあかんやろという感じ。と思ったらこれ2013年の連載で10年前なのか、その頃ってまだ家庭に入れって男性の強制力があったの?妻の意思で働くか、専業になるかって選べるものだと思うのだけど、時代なのか…夫に対して気遣いすぎ。さらに増長するだろう。なんで働くことを許してもらわないといけないのか??
➡︎少し前の話でも、価値観の変化の大きさに驚く。時代も、自分自身も。2010年代でもこうだったんだ。2020年代の今社会に出てくる若者と、違うのは当たり前だ。
主人公の姉がダメすぎる。お受験ママで子供を追い詰めてお勉強をさせすぎるのが本当に最悪だし、子どもに後々まで悪影響が及ぶの、分からないのかな。私立小でもいじめや親の層によるカーストなど、ギャンブル要素あるのに。子の前で逃げ出したくなる、とか口が裂けても言わないわ。
学歴や能力のない姉が、主人公や周りの家族を妬み醜い発言をして自尊心のないさまがかなり痛烈。。こんな卑屈に育てないためにも学歴、運動神経、コミュ力、一定の企業に就職できる能力が必要なのだなと改めて思った。
➡︎お姉ちゃん、反省されたみたいでよかったです…
そして周囲のママがこれみよがしに悪口言ったり人を蔑んだりとか、リアルで見たことないしSNSの中でしかないと思うのだけど、、そういう地域柄でなくてよかったと思いたい。
※私立小学校、中高の高偏差値、受験路線に関しては
多くの学校がそちらに舵を切り、人気になり、偏差値が上がった今となっては、純粋なカトリック、人格教育は、よほどのお嬢様、お坊ちゃんでないと生き抜いていくのに厳しいだろうなあと。そもそも幼稚舎の知人、実は縁故と聞いた時はまあそうですよね、と思ったし、そういうおうちで最早保たれた方がいいと思う。習い事しなくても縁故と家庭の躾で受かるおうち。一般家庭が変に手出しするから、毒親とか教育虐待、課金がすごいことになるのであって。
➡︎終盤でお受験教室の室長が、合不合や親の精神状態、気の持ちよう、それで人生が決まるわけではないと断言。軌道修正された。
等々力の白豚、とか、学園の高学年男子を揶揄しているそうだけど、お下品…人間って本質的にはみんな下世話なので、いかに上品に振る舞えるか、取り繕えるかが重要なのだと思っている。
お勉強ができても、性格サイアクに育つと救いようがないし、親に追い詰められた子が不登校になる事例とか、辛い事態を避けたい。何事もやりすぎは良くない。
副校長とその妻が娘さんに対してやった仕打ちもかなり極端で、本当に「押さえつけない、叱らない、強制しない、本人の意思を尊重する」そういう風に自由に育てすぎた結果、社会に馴染めない、自分本位で、他の子に迷惑をかける(小学校での立ち歩き、集団行動に参加しないなど)子どもが存在することは知っている。園に通わずあおぞら保育、だって。
普通に考えてそれで日本社会でどうやって生きていくのか。教育学部を出たなら、幼児期の躾がどれほど大切か、分かるだろうに、設定がザルだし愚かさを強調しすぎ。確かにこんな役職者のいる学校に子どもを通わせたくない。。発達障害を放置する親はこういう自分本位で子どもを認められない親なのだろう。正直、教職の風上にも置けない。
その反動で学力重視になったって、自分の娘を犠牲にして別居した後で、、
➡︎親が現実的な教育をする事が大事
もちろん心は育てるが理想論、逃げでは駄目
終盤の、姉息子全落ち、万引き、一家九州へ、受験あきらめる、
ママ同士のビンタ、入学辞退の虚偽電話、
カウンセラーと副校長のご再婚、
怒涛の展開で
家族の花も、合格の花も咲くのが一番いいよ。続きを読む投稿日:2024.01.31
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