知ってる古文の知らない魅力
鈴木健一(著)
/講談社現代新書
作品情報
「つれづれなるままに、日ぐらし、硯にむかひて……」徒然草の有名な書き出しは、実は兼好法師のオリジナルじゃなかった!? 「つれづれなりし折……」(和泉式部)、「つれづれに侍るままに……」(堤中納言物語)、「つれづれのままに……」(讃岐典侍日記)など、平安時代の定番フレーズがその源にあった。古典文学の大河の間にまに掬い上げられる名句から、新たに生まれる流れを辿ってゆく。
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 知ってる古文の知らない魅力
- 著者
- 鈴木健一
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社現代新書
- 書籍発売日
- 2006.05.20
- Reader Store発売日
- 2016.09.23
- ファイルサイズ
- 4.7MB
- ページ数
- 192ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.6 (12件のレビュー)
-
はじめにで「徒然草」の冒頭文を取り上げ、この誰でも知っている一文が、実は吉田兼好のオリジナルな文章ではないことをいくつかのこの文に先行する一文をあげながら示す。これは面白い。目から鱗が落ちた気がして…、思わず購入!
取り上げられた古典は、「源氏物語」「平家物語」「枕草子」「おくのほそ道」「竹取物語」「伊勢物語」いずれも良く知られた一文を手掛かりに考察を進めている。
日本の文学は、古くから、先行する文や歌をうまく取り込んで、参考にしながらも新しい意味を加味するということが非常に好まれる傾向にある。「本歌取り」といったものはその最たるものなのであろう。
確かに、古くから知られた筋立てを上手く物語の中に取り入れた作品というのは、普通の物語よりも一層深みを感じる所があるし、それに気づいたときの嬉しさを感じることが醍醐味の一つではある。
小説ではないが、今、テレビで放映されている大河ドラマ「光る君へ」を見ていると、源氏物語や枕草子、百人一首など王朝文学を彩る場面場面を上手くストーリーの中に取り入れていて、これは、源氏物語の若紫の場面をモチーフにしているに違いないなどと元ネタを見つけるのが視聴する楽しみの一つだったりする。
また、「枕草子」の清少納言が、これまでの伝統を踏まえつつ、新しい価値観を導入しているところなどはさもあらんと得心をした次第。
そういえば、「光る君へ」で清少納言の呼び方を、「せい」「しょうなごん」としてたのは新鮮だった。これまで何となく「せいしょうなごん」と続けて読んでたもんね。
それから、著者が、個性について、三十歳、四十歳になっておぼろげながら認識できるようになると書いてたが、納得。僕も50半ばになってようやく自分というものがわかるようになってきた気がする。
それなりに人生経験を得てはじめて見えてくるものも多くある。文学も若い時はわからないが歳を取って初めてわかる所もある。(若い時だからこその感受性もあるのだけどね。)
最近、テレビの影響もあるのだが、古典文学というものに興味を持つようになってきた。年輪を重ねてこその見えてきたものもある。ただ、基礎には、中学、高校で習った古典の知識があってこそではある。
ただ、心配なのは、中学や高校で古典などの授業が少なくなっているとのこと。古典不要論まで、したり顔で言うものもいる。
温故知新ではないが、こういった学びが教養の基礎になるのである。捨て去るにはもったいない。続きを読む投稿日:2024.05.19
このレビューはネタバレを含みます
<目次>
レビューの続きを読む
第1章 『源氏物語』~女性たちのドラマ
第2章 『平家物語』~男性たちのドラマ
第3章 『枕草子』~自然を切り取る
第4章 『おくの細道』~漂泊する人生
第5章 『竹取物語』~伝承…を乗り越えて
第6章 『伊勢物語』~小さな恋の物語
<内容>
学習院大学教授の大学での講義を基にした本。有名な作品もそれ以前の作品(中国のものを含む)に影響され、インスパイアされて作品が作られていることを解説している。続きを読む投稿日:2021.04.15
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。