拝啓、十年後の君へ。
天沢夏月(著者)
/メディアワークス文庫
作品情報
十年前に埋めたタイムカプセル。忘れていたのは、離ればなれになるなんて想像もしていなかった時に交わした将来の約束。そして一つの後悔。今更思い出しても取り戻しのつかない、幼い頃の恋心。嫌いじゃないけどドキドキしない、そんな曖昧な恋愛関係に悩む千尋。部活から逃げ出した元サッカー少年の冬弥。定時制高校に通う不良少年の優。慣れないギャル生活で息苦しい美夏。家から出たくない引きこもりの時子。そして小学校の頃に喧嘩別れした少女を、今も想い続けている耀。十年前に記した「今の自分」への手紙が、彼らの運命を少しずつ変えていく。
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商品情報
- シリーズ
- 拝啓、十年後の君へ。
- 著者
- 天沢夏月
- 出版社
- KADOKAWA
- 掲載誌・レーベル
- メディアワークス文庫
- 書籍発売日
- 2016.06.25
- Reader Store発売日
- 2016.07.22
- ファイルサイズ
- 3.4MB
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この作品のレビュー
平均 4.4 (11件のレビュー)
-
ああ、これはいい!
最近お気に入りの青春物語作家の天沢さん。
そんな天沢さんの本作は、青春物語として百点満点の出来だと思う。
小1のクラスで書いた「十年後の自分への手紙」、いわゆるタイムカプセルが十…年経って郵送で順繰りに送られていく展開。
もうタイムカプセルなんて言う題材からして青春だなあと思う(笑)
だって、その手紙にはある種の郷愁と想いが付いてくるもの。
別々の6人を主人公にした短編連作なのだけど、ある話に別の話の主人公がちょこっと顔を出したりして少しずつ繋がっている遊び心のある構成。
さらに最初の主人公と最後の主人公には特別の縁があり、ラストで二人が再会することで綺麗にお話の円環が閉じるのは、短編連作ならではのよくできた構成だと思う。
物語はほとんどの場合、十年前に夢見た姿から現実は違っていて、夢を諦めようとしていたり、やりたいことを見つけられなかったり、勇気が出せず言いたいことも言えなかったり、引きこもってしまったりと、子供のころ想像していた姿とは全くかけ離れていて、胸が痛くなる現実だったりする。
けれどそんな彼ら彼女らは様々なきっかけでその現実から少し前に歩き出そうとする。
それは言ってみれば十年前の自分への今の自分の矜持だと思うのだ。
あの頃の自分に胸を張って今の自分を見せられるか。
たとえ、夢に届かなくても、素敵な大人になれていなくても、ちゃんと努力して後ろめたくない生き方をしていたいという、そんな想い。
だから物語の終わりはどれもみんな清々しい。
そんな中、一番目とラストの物語は少し趣が異なっている。
なぜなら彼らの手紙には十年後の自分へのお願いが綴られているのだ。
個人的にはこの二人の物語が一番好き。
喧嘩別れしてしまって引っ越してしまった相手に互いに謝ってほしいと綴られた手紙。
千尋が十年前のアキラ君の手紙に自分と同じ気持ちが書かれているのを知る場面には胸が熱くなった。
同様にアキラが千尋がタイムカプセルを読んだ後に彼宛に書いた手紙で、同じ想いを綴り約束の大学の地で待っていると告げられた場面には心が震えた。
いやもう、こんな手紙をもらったら自分ならとるものも取りあえず、その場所へ走り出してしまうだろう。
そう強く思う。
でも、アキラは逆に彼女に会うことを恐れてしまうのだ。
なんてアホなのか。
どうしてそんなにへたれなんだよ!
でも友人や彼に好意を持っている女の子に背中を押されてようやく約束の場所に走り出した時、胸がドキドキした。
夜の桜の木の下での二人の再会。
はっきりと自分の気持ちに気づくアキラ。
そして十年前の手紙のお願いは果たされるのだ。
この幸福感がなんとも心地いい。
いや、いいお話だった。
心に刺さる言葉がいくつもある。
「才能がなかったら、好きなこともやっちゃいけないんですか?」
「君がやろうとしたことを、君自身が笑ってやるなよ」
「ちひろちゃんはきっと、こやまがおかびじゅつだいにきます」
「あの時よりもずっと上手になったはずなのに、あの時よりもいいものが描けている気がしません」
「君に預けたコバルトブルーのクレヨンは。まだそこにありますか?」
いやほんとに、これまで読んだ作者のお話の中ではこれが一番好き。
ますますお気に入りになりそうだ。続きを読む投稿日:2017.02.15
昔の女の子とタイムカプセルを通して思い出して
最後には会えたのが超嬉しいしかも同じ言葉言ったのは感動
恋にも気づいたし会えたし昔の夢を思い出せてたし良かったなって思う
めっちゃ面白かった推し本‼️投稿日:2024.05.12
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