- 最新巻
シュヴァルツェスマーケン 隻影のベルンハルト2
吉宗鋼紀(原作)
,内田弘樹(文)
,木菟あうる(イラスト)
,CARNELIAN(キャラクター原案)
/ファミ通文庫
作品情報
一九七四年――。ユルゲンが空軍士官学校に入学して2年余。だがその2年余で世界は一変した。異星起源種BETAが地球に降下、侵攻を開始。更に対BETA戦で投じられた大量の核により世界に「核の冬」が到来していた。戦術機パイロット養成のためソ連へと留学したユルゲンは、初めてBETAの脅威を目の当たりにし、彼は世界を、愛する者を守るため、戦術機の必要性を国に説く決意をするのだが――。シュヴァルツェスマーケンへと繋がる物語、第二幕。
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商品情報
- シリーズ
- シュヴァルツェスマーケン
- 出版社
- KADOKAWA
- 掲載誌・レーベル
- ファミ通文庫
- 書籍発売日
- 2016.02.01
- Reader Store発売日
- 2016.03.20
- ファイルサイズ
- 10.1MB
- シリーズ情報
- 既刊11巻
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この作品のレビュー
平均 5.0 (1件のレビュー)
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受け継がれるドクトリン
政治に左右されない立場を求めて空軍に入隊したにも拘わらず、BETAの侵攻により戦術機部隊の創設を任され、政治に関わらざるをえなくなるユルゲン。ソ連留学で目にした本物の戦場を前に、もはや政治と距離を置く…ことは不可能と、軍の改革を決意する。新設兵科であることを利用して、新任幹部でありながら装備調達や戦術研究に積極的に関わり、陸戦力を大きく削減し戦術機へ転換することを主張する。既存兵科の高級幹部たちから白眼視される中、彼は如何にして戦うのか。
第1巻は拍子抜けするほどに「大人しかった」隻影のベルンハルトも、いよいよ本巻から本領を発揮する。
とはいえ、まだまだ本編のように血飛沫舞い散るような展開ではなく、全ページにわたって続くのは新設兵科の苦労話である。何しろ、こちらは入隊数年目の中尉、あちらは将軍様と、発言力から支持者数、握っている予算についてまで既存兵科の方が圧倒的に上である。戦車屋さんや大砲屋さんが100年以上かけて磨き上げた戦術論を青二才が根拠も無く否定するのだからひねり潰されて当然である。仮に現代日本で、自衛隊に丸腰のサイキッカー部隊を創設するため既存部隊の人員を半分になんて言われたら、私だって反対するだろう。本巻のユルゲンはそれを党と軍に納得させなければならないのである。人死にこそ出さずとも、政治的な攻防が繰り広げられるのは想像に難くない。戦術機に最適な新戦術の考案、戦術機先進国ソ連でそれが実現できない理由の研究、可能にするための装備品改良、浮動票となる文官への根回しなどなど、細かい話をきちんと描きながら決して冗長でなく、面白く読めるというのが素晴らしい。
シュヴァルツェスマーケン本編にも言えることだが、設定について評価したいのが時代の繋がりと流れを感じられることである。2001年の「オルタネイティヴ」では明確な用兵思想が描かれてはいないが、なんとなく色んな事をしている国連軍の戦闘スタイルをあえて分解し、1983年の「シュヴァルツェスマーケン」では東の光線級吶喊と西の機動防御として特徴を持たせた。明言されてはいないが、おそらく東ドイツ革命後に西へ流入した国家人民軍出身者による指導の結果、西欧が複合的な戦術を実施するようになったということなのだろう。
では、東ドイツの光線級吶喊はどこから来たのか、といえばこの「隻影のベルンハルト」なのだ。光線級吶喊が如何にして生まれたかが本巻の最大の見所と言っても過言ではない。
時代を駆け抜ける戦士達が必死に考え出した彼らなりの最適解が、実戦を通して磨かれ収斂していく様は、長大な大河ドラマとなりつつある「マブラヴ」シリーズ特有のものであり、それを意識的に描いた内田先生には脱帽である。
続きを読む投稿日:2016.06.24
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