この作品のレビュー
平均 3.5 (4件のレビュー)
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自分を壊したいと思って、壊し続ける男の物語。
青井正志。40歳。離婚した弁護士。
どうして、壊したいのかが、よくわからないが、
それが 男の 美学であり 悲劇の主人公 なのだろう。
あらゆるものを 失…おうとする 意志。
法を武器とすることで、一人で反乱しようとする。
駐車禁止を取り締まりにたいする 婦警への追求 が
なんともいえず 悲しいような気もする。
子供が飛び出てきて、それにぶつかった男を弁護する。
子供を被害者でなく 加害者として訴えるという。
無過失責任とはなにか?
車は 急に止まれない。
なぜ 制限速度が決まっているのに、それ以上走れる車を生産するのか?
サラ金の法定外利子にたいする たたかい。
お金に執着せず 何が問題なのか
ということに挑む。続きを読む投稿日:2013.07.09
久しぶりに、ハードボイルドの北方謙三を平積みで見た。
もちろん即購入。
北方謙三をはじめて読んだのはいつだったか?
確か「あれはまぼろしの旗だったのか」というタイトルだったような気がする。
まだ高校生…の頃だろうか?
それとも大学生になっていただろうか?
北方謙三のハードボイルドに魅せられて、結構コレクションした覚えがある。
自分では絶対にできない、ハードな男の世界。
とにかく憧れていた。
いつも登場人物は強い男で、心の中に獣を飼っている。
知らず知らずのうちに、心の中の獣が大きくなり、そして自分で抑えきれなくなり、破滅へと導く。
そんなストーリーが好きだった。
その北方が、ある日 歴史小説を書くといって、ハードボイルドから離れていたが、久しぶりの文庫・平積みとあっては、買わずにはいられない。
すれた感覚で世の中を見ることしかできず、世間や常識を敵に回し、壊れていく弁護士の姿を描いているが、以前のわくわくするようなストーリー性はなく、オムニバス的に主人公を中心にいくつかの事件や出来事が通り過ぎていく中で、主人公が勝手に壊れてしまった。
自分がすれたのか、北方のオーラが消えてしまったのかは定かではないが、期待を裏切られたような、味気なさ、物足りなさを感じたのは私だけだろうか?今度時間ができたら、老いぼれ犬やブラッディードールを読み返してみようかとふと思っている。続きを読む投稿日:2012.10.29
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