私本太平記(五)
吉川英治(著)
/吉川英治歴史時代文庫
作品情報
足利高氏の心はすでに決している。彼は、名優さながら、なに食わぬ態(てい)で六波羅軍と合した。いつ、最も効果的に叛旗をひるがえすか? 高氏の打ちあげた烽火(のろし)は、まさに万雷の轟きとなった。石垣の崩れる如く、鎌倉幕府は150年の幕を閉じた。――さて建武の新政。台風一過と思ったのは、ひと握りの公卿たちで、迷走台風は再び引返して荒れ模様、武士たちの不平不満は尽きない。
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商品情報
- シリーズ
- 私本太平記
- 著者
- 吉川英治
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 吉川英治歴史時代文庫
- 書籍発売日
- 1990.04.11
- Reader Store発売日
- 2014.08.01
- ファイルサイズ
- 3.6MB
- ページ数
- 404ページ
- シリーズ情報
- 既刊8巻
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この作品のレビュー
平均 3.8 (11件のレビュー)
-
長旅になる覚悟をしていた本作品であるが、いつの間にか折り返しを過ぎた。足利高氏、佐々木道誉、新田義貞らがどんどん鎌倉幕府を裏切り、武士の世はいったん滅亡。倒幕にあたっての高氏と道誉の食えぬ関係での友情…、高氏と義貞の微妙な関係、どれも興味深く楽しめた。
そして建武の新政がスタート。楮弊により庶民が右往左往する様は哀れさを通り越して滑稽だった。それを普及させようと工夫を凝らす道誉もまた面白い。
前巻までは時間がゆっくりと流れていたが、今後はペースアップしていくこと間違いなしである。楽しみになってきた。
以下に興味深かった内容を引用しておきたい。
・世良田の南へ半里、利根川べりに行きあたる。そこの川岸の里は地名を徳川といい、新田氏の一支族、徳川教氏の住地だった。この世良田徳川の子孫が、遠い後に江戸幕府の徳川将軍家となったのである。だから、代々の徳川家は、祖先新田氏をおろそかにしなかった。
→この、徳川家康の祖先が新田義貞である説は現在の学説ではかなり疑い深いものであるが、吉川英治氏は見事言い切っている。系図好きな私もこうした言い切りが好きであるが。そのほうが夢があっていい。
・下郎、雑武者などは、自分らの敗北を聞こえよく飾るため、競って敵方の兵力を誇大に言う。またその惨烈さを吹聴する。裏切りの続出をののしりわめく。
→これは現代においても同じ。スポーツでも喧嘩でもビジネスでも、自身の敗北を相手の強さや外的要因などに結論付け、自身の落ち度から目を逸らさせようとする。私も思い当たる点があるだけに、くすりと笑ってしまった。
・せっかくな古典もこんなわかりきった作為を弄したりするものだから、後世の学者に「太平記は信ずるに足らず、史料に益なし」とほかの箇所まで全面的に無視されることもあったりした。
→吉川英治氏の、原作:太平記に対する愚痴。こんなのも歴史小説には良いスパイスとなるのだ。
・戦いは戦いだけで終わらない。敵を消し去ると、すぐまた味方同士、味方内の仮想敵を見つけ出す。それは政略という腹の中で始まる。
→これも現代に同じ。人間の根本は中世も現代も変わっていないのだ。続きを読む投稿日:2013.06.01
遂に高氏が挙兵し六波羅探題を倒す。鎌倉は新田義貞に攻められ、遂に鎌倉幕府が滅亡。北条高時、赤橋守時の最後が悲しい。鶴ちゃん、勝野さん、名演だった、大河の太平記。
これで落ち着くかと思われた世の中だが、…建武の新政は、公家、武家、それぞれの思惑の中で混迷に陥っていく。高氏改め尊氏はどう動くか?続きを読む投稿日:2020.10.14
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