太平洋戦争 最後の証言 第二部 陸軍玉砕編
門田隆将(著)
/小学館
作品情報
玉砕の戦場 刻まれた記憶。
ガダルカナル、ニューギニア、インパール、サイパン、レイテ島、ルソン島、硫黄島、沖縄、そして占守島。圧倒的な火力を誇る米軍と激戦を展開した日本軍は、各地で玉砕を繰り返した。太平洋戦争(大東亜戦争)で、陸軍の戦死者は全体の77パーセント、およそ165万人に及んでいる。
不意に襲う砲弾は容赦なく兵士の身体を切り裂いた。髪が抜けやがて歯が抜ける極限の飢え、鼻腔をつく屍臭。生きるためには敵兵の血肉をすすることすら余儀なくされた。70年前に刻まれた記憶――門田隆将氏が100人を超える元兵士を全国に訪ね、記録する。
<私は、玉砕の戦場から生還した元兵士たちに「なぜあなたは生き残れたのですか」と問いつづけた。誰もがその問いに、「それは運命としか考えられない」と答えた。私はその言葉を聞きながら、彼らの証言は、戦死した200万人を超える兵たちが生き残った戦友の口を借りて、私に「遺言」を託しているものなのではないか、と思った>(はじめにより)
【ご注意】※この作品には図表が含まれており、お使いの端末によっては読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。
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商品情報
- シリーズ
- 太平洋戦争 最後の証言
- 著者
- 門田隆将
- 出版社
- 小学館
- 書籍発売日
- 2011.12.20
- Reader Store発売日
- 2013.12.06
- ファイルサイズ
- 13.3MB
- ページ数
- 338ページ
- シリーズ情報
- 既刊3巻
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この作品のレビュー
平均 5.0 (3件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
戦場では、死のうと思って死ねるもんでもないし
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生きようと思っても生きられるもんでもない
とのこと
ウインド・トーカーズを見てサイパン戦のことを
知りたくなり読む
戦後に始まった占守島でのソ連軍との戦いも激烈
英国人の卑劣な行為に驚く
現地人、塹壕に足を繋いで逃げられないようにして
闘わせたとか、病院の日本兵たちを焼殺したとか
機関銃とか、持っている薬とか戦力さにもかかわらず
日本兵はよく闘った
18 ガダルカナル、米と豪との線上
52 グアムでの米兵捕虜第一号、日本との戦争知らない
59 ポートモレスビー、マッカーサー捕獲を狙う
69 敵兵の肝をすする
74 ガダルカナルの兵隊、パラオで栄養とらせて帰国。そのままの姿だと負け戦とすぐ判明するから
84 米軍のバター、機関銃に塗ったら塩分で錆びる
104 インド兵への扱い。塹壕に鎖。前線はグルカ兵
120 悪い靴が当たったら歩兵はだめ。裸足では歩けない、インパール作戦
133 戦車の差
146 米軍、逃げる者は女も子供も撃つ。投降には寛容
174 サル、へびを食べたレイテ
187 レイテ、死にに行ったようなもの
248 ピアノ線、触れると蛍光物質が服につき撃たれる投稿日:2014.12.28
三部作の第二部。第一部では空の特攻を中心に、この第二部では陸の玉砕を中心にその「戦史ではなく体験」と「記録ではなく証言」を描いた作品。
第二部まで拝見させて戴き、生の証言に圧倒され、戦争の現場の表現…しきれない凄惨さを垣間見ています。特に陸の凄惨さは言語に絶します。これら極限の状態で発揮される「愛国心」「ユーモア」「人間の情」「誇りと勇気」「人間のさが」「運命」・・・。
私自身の言葉でこれらの体験・証言の感想を綴るのは難しいです。本書第九章「ソ連軍急襲「占守島」の激闘」で、北海道分割統治を「終戦後に」命をかけて防いだ体験・証言が記されています。その証言の一部をここに紹介させて戴き、感想にかえます。バトンを受け取り、次の世代へつなげる役割の一部を担うことを誓って。
(占守島について)私たちは終戦後に戦ったわけですから、無駄死にだったという人もたくさんいました。しかし、やはりあの戦いには意味があったということが最近わかってきて、ああ、俺たちが頑張った甲斐があったんだ、と思うようになりました。やはり今の平和というのは、あの時代に戦った人たちの犠牲の上にあることは間違いないと思います。今の平和自体が、戦友が無駄死にでなかったことの証明でもあると私は思うんですよ。死んでいった戦友たちに対する最大の慰霊とは、そういう事実を、子や、孫や、そういう世代に知ってもらい、その思いを引き継いでいってもらうことだと思うんですよ。【帝国陸軍少尉 武蔵哲】
---以下、第一部の読了時感想---
現代日本 ・現代に生きる我々の礎となり、あの戦争を自ら戦って頂いた先輩達が、我々後生の日本人に託した想いを正確に知りたい。そういう想いでこれまでも、それなりの数の書物を手に取らせて戴いてきました。本書は、それらの書とは少し違っていました。
本書は著者自ら本書で著しているとおり、「末端の兵士たちの実際の体験や思い」に焦点をあて、「当時主力として戦った元兵士を日本全国に訪ね歩き、その痛烈なそれぞれの体験を忠実に再現したノンフィクション」です。
著者の高い取材能力・事実と知識を区別するジャーナリストとしての誇り・質の高い文章力が「家族と祖国のために自らの命を捧げた若者たちに対する、後生の日本人としての尊敬と感謝を込めた鎮魂歌」とするに相応しい一冊を生み出しています。
諸先輩が後生に託した想いを理解し、それを引き継ぎ、それに少しでも報いることができるように行動し、それを次世代に伝える。一生をかけて取り組むに相応しいテーマだと思います。
本書は、この取り組みを具体的に助けてくれる良書です。続きを読む投稿日:2012.12.17
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