大向うの人々 歌舞伎座三階人情ばなし
山川静夫(著)
/講談社
作品情報
「中村屋ァ~!」「まってました!」。歌舞伎で芝居の途中に役者に向かって掛けられる絶妙な「掛声(かけごえ)」は、「大向う(おおむこう)」と呼ばれる歌舞伎通の人たちによるもの。学生時代に「大向うの会」に入会し、現在に至るまで活動歴56年の著者・山川静夫が、青春時代、そして大向う、昭和の名優たちとの温かい交流を描きます。
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商品情報
- シリーズ
- 大向うの人々 歌舞伎座三階人情ばなし
- 著者
- 山川静夫
- 出版社
- 講談社
- 書籍発売日
- 2009.09.28
- Reader Store発売日
- 2013.11.29
- ファイルサイズ
- 1.2MB
- ページ数
- 234ページ
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この作品のレビュー
平均 3.9 (8件のレビュー)
-
NHK山川アナウンサーが、歌舞伎大向うについて語った本。山川アナウンサーは歌舞伎に関する造詣が深いことで知られているが、まさか学生時代から歌舞伎に通い詰め、大向うで声をかけていたとは思わなかった。
私…も歌舞伎ファンで声掛けを行っているが、こんなに奥の深いものだとは思わなかった。これからもっともっと研究して、上手く声がかけられるようになりたいものだ。
「大向うの掛けはじめというのは誰でもそうだが、人物の出と見得の時、そして、セリフのあいだに入れる掛声をやる。所作事は三味線を常に意識して、きっかけをのがさないような掛声を必要とするからかなり慣れないとむずかしい」p38
「2回3回と同じ芝居を観ていれば、すっかり登場人物の出入りの順番が頭に入っているから「成駒屋」と言えば、舞台正面の金襖がすうっと左右に開いて歌右衛門が出てくるし、「中村屋」と言えば揚幕がチャリンと鳴って勘三郎が出てくるといった具合で、「どうです、俺の言う通りに出て来るでしょう」と得意がり、まるで私は舞台監督にでもなったような錯覚に陥っていたのも今は恥ずかしい」p40
「映画と違って、興行なら25日間、一日一日役者の演技が異なり、役者の好不調の波がよくわかる。ここに歌舞伎独特の面白さがあるのだ」p59
「(日記)「初日の2日から今日で6日間、1日も欠かさず通い詰めたが、いささかバテ気味。一応、一人前の大向うともなれば、なかなかつらいことよ」p63
「芝居はめっぽう好きでも金銭的には恵まれない生活者にとって「贔屓」は高嶺の花だ。そこで安い大衆席の大向うに陣取って大声で役者の屋号を叫び「あんたはすばらしいよ」とほめるのが精一杯、ということになる。これが本来の大向うの掛声なのであろう」p108
「いい掛声はやっぱり一朝一夕には生まれない。芝居の筋を熟知し、役者の出入りのキッカケを正確につかむためには、一つの芝居を何回も観ることだ。また、下座音楽の鳴り物のキッカケや三味線の「マ」を会得することが大向うの必須条件なのだろう」p138
「(昭和55年ごろ)「寿会」(森正次会長以下9名)、「弥生会」(小川孝次郎会長以下38名)、「声友会」(古木義治会長以下15名)という3つの会によって、「大向う」が歩みはじめた。発足当時の「寿会」のメンバーは次の通りだった。森正次、水谷謙介、田中嘉一、堀江伸彦、阿部佳之、中川邦夫、吉垣精一、桜井潤二、山川静夫、以上9名」p151
「(勘三郎の「鏡獅子」の隈取)私は、この隈取を見るたびに、人間が努力してやっとつかんだ、短い頂点を思い、感動する」p194
「大向うの掛声は、本当に好きな役者に、そして名優にこそ与えられるべきものであろう」p213
「声を掛ける側で気持ちがいいのは、花道の出の合図の電気がつく直前をとらえるか、あるいは揚幕がチャリンと引かれる音に合わせて掛ける大向うである」p213
「キッカケをあやまると、まるっきり効果がない。そのかわりうまくいけば、役者と観客を同時にあやつる演出者になったような錯覚さえ覚える」p214
「花道から花形役者が出るときは、なんといっても掛声がほしい。掛声があると役者の格があがり、華やかさとときめきを、ひときわ強く感じさせる」p216
「役者が目玉をむいて大見得をきったときに声を掛けるのは、さほどむずかしいことではない。「バタン、バッターン」と2つ入るツケの2つ目をねらって屋号を言えばよい。大向う入門の第一歩だろう」p216続きを読む投稿日:2020.08.16
わりとエッセイ選ぶ時の目安にしている講談社エッセイ賞受賞作。本作もそのリストから手に取った一冊。良くも悪くも作品紹介通りの内容と印象。歌舞伎興味なくても読めます。
投稿日:2012.09.23
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