双月高校、クイズ日和
青柳碧人(著)
/講談社文庫
作品情報
たった一度きりの高校生活。一生記憶に残るような、燃えるものを探したい――けれど、それが何か分からない。そんな不安や閉塞感を抱いた生徒たちが、クイズ同好会を結成した。記憶力が致命的に劣るリーダー。テニス部を途中退部した美少女。ケンカは強いのに、じつは極端なアガリ性の不良少女etc.。個性豊かなメンバー7人が、「本当の仲間」を見つけ、全国高校クイズ大会出場を目指す! (講談社文庫)
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商品情報
- シリーズ
- 双月高校、クイズ日和
- 著者
- 青柳碧人
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社文庫
- 書籍発売日
- 2013.01.16
- Reader Store発売日
- 2013.02.08
- ファイルサイズ
- 1.8MB
- ページ数
- 400ページ
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この作品のレビュー
平均 3.9 (21件のレビュー)
-
年の瀬に何て本を読んでしまったんや…!
めちゃくちゃ面白かった!!!
(こればっかりやな)
イヤイヤ、著者の本は(別タイトルを)読んだことがあるような、しかも途中で挫折したような気もするけど、…違うかなあ…。笑
たぶん、図書館の蔵書リストから検索して読んだ。クイズ好きの仲良しグループが何かしらのイベントに挑む話かなあ、と、思ったらとんでもない。
「カブキブ」も、同じような部活青春モノやったけど、「カブキブ」とは何か違うかったなあ。
(どっちもめちゃくちゃ面白かった)
共通点は、「何かに打ち込む姿勢」かもしれへん。ほんで、わたしが一番好きなテーマやねんな。
わたしがこの年齢のころは、打ち込む「何か」は、メジャーなスポーツであるのが当たり前やった。
その後、マイナーなスポーツに打ち込むフィクションが脚光を浴びるようになって、ほんで今はこんなふうに、「人と違う何か」がテーマになることも増えた。
単純に、人と違う何かをすればいいというわけでもなくて「これをやっていれば自分の立場はそこそこ守られるのはわかっているけど、それではない何かに打ち込む姿勢」が大事なのかもしれない。
あとがきで著者が書いていたとおり「スマートに大概のことはこなせる」著者ならではのテーマなんやろうなあ。
これだけ情報過多の世の中だけに、「場を読む」という評価基準はわたしが若かったころよりずっとずっと高くなっていると思う。
「わかるよね?」という流れと、仮に知らなくても「自分で調べられるよね?」と、いう「常識」は、30年前には絶対になかった。当時は「わからないならわかるまで走れ」やったと思うもの。
今は「走るより調べろ」と、いうような気がする。そうやって過ごすのに、いざ社会に出たらまだ「わかるまで走れ」世代が主流やから、急に走らされる、今の若い人ってそういう感じなのかなあ、と、思うことが増えてきた。
それだけに、若いうちから、打ち込める何かを持っているか持っていないか、その感覚を知っているかどうかが、わたしらのときよりずっと重要になってくる気がするなあ。
勉強はせなあかん、場を読みつつそれっぽくすごさなあかん、でも、打ち込めるものがある感覚を知っているほうが有利、と、今の若い人に求められることって多すぎる気もするな。
「そんなん、どうでもええわ!」て言うて、わたしらを笑い飛ばして好きに振る舞えるぐらいでええんやろうな~。
そしてわたしはというと、若いころはほんまに好き勝手にやった。そのときにしかできなことを充分やったと思っている(わたしの尺度で)。
だから、若いうちにもっとこうやっておけばよかった! っていう後悔はあんまりなくて、それよりも今、30代後半から40代にかけて、「そろそろ落ち着かんとあかんよな」って思ってから回ってきたことのほうがちょっと後悔してる。笑
2020年もいろいろあった。前述の通り、44才にもなったんやから物分かりはよくなっとかなあかんって何度も思ったけど、最後の最後で「アカンやろ」ていうぶち壊し方をして終わった。笑
それはそれで「あー…」って思うけど、若いころもわたしはいつもこんなんやった。
ムキになるし人の話聞かんし暴走するし、でも、その物事に対して真面目ではある。真面目ゆえに融通がきかん、と、思う(よく言えば)。
そうやったそうやった。わたしってそんなん。
そんなんこの年齢で言うとったらアカンやろって思ってたけど、この年齢やから言うてもええんちゃう。そのぶん、責任は持たんとあかんけども。
あとがきでも語られていた「どのキャラが好きですか」と、いう問いかけ。
しばらく考えて、わたしは、アンペアくんやわ~。何やの、ヒポクラテス・クラブの人ちゃうやん~(笑)。
憧れ具合でいえば、アンペアくんみたいに、自分で自分のやりたいことをやる人に、ほんまに憧れる。
軸がある人に憧れがあるから。
なので、ヒポクラテス・クラブで言うなら、土方さんかな。芯の通り方がわかりやすくて、王道で、柔軟性もあるね。それを言うと、ほんまにみんなそうやね。
すごく面白くて、ものすごいいきおいで読んだ。ほんで、いろんなところで泣きそうになったよ。
やっぱり、「熱中する」と、いうところに、泣けるものがあったなあ。一生懸命っていうのはいいな。ほんとうに、いい。
「何の役にも立たないことをやる」と、いうのは、全然合理的でもないし生産性もないし、一見、「仕事」としてはアカンくて、「そんなことができるのは学生のうちだけだ」なんて言うのよ。
でも、今のわたしらの年代(と、その上)が好むフィクションってどうよ。無駄と思えることに熱中して、それがいつか実を結ぶっていうサクセス仕事話が多いよねえ。
結局、永遠に「熱中できることと、それを共有できる仲間」を、求めているのよ。なので、いくつになったからってそれを卒業する必要なんて、ないんちゃう。続きを読む投稿日:2020.12.23
青春を通り過ぎた人間に青春小説は刺さりすぎる。
ましてや私は、同士を集められず高校生クイズを断念した人間だから、双月高校の彼らが羨ましくて仕方ない。いいなぁ、クイズで青春出来て。自分の青春も悪くなかっ…たと思っているけれど、本の中に閉じ込められた青春は余りにも魅力的だ。続きを読む投稿日:2023.11.13
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