- 最終巻
僕の魔剣が、うるさい件について 4
宮澤伊織(著)
,CH@R(チャア)(イラスト)
/角川スニーカー文庫
作品情報
リクの《夜来たる》と鋳流の《虚数》が再びぶつかり、どちらかが折れたとき人類は滅亡する!? 魔剣遣いたちの戦いに仕掛けられた呪いに対抗するため、リクは《夜来たる》と出逢うきっかけとなった祖父の家に向かう。一方〈火神結社〉の竜胆めらは、師を斃したリクと組織を離脱した才森加奈子への復讐に燃え、リクの周囲の人間を標的に定める・・・・・・。過激さMAXの魔剣バトル、その結末は破滅かそれとも!? シリーズクライマックス!!
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 「僕の魔剣」シリーズ
- 出版社
- KADOKAWA
- 掲載誌・レーベル
- 角川スニーカー文庫
- 書籍発売日
- 2012.11.01
- Reader Store発売日
- 2013.03.01
- ファイルサイズ
- 5.8MB
- シリーズ情報
- 全4巻
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 5.0 (1件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
種々雑多な武器、異業種混合チャンバラ、そして「人外のもの」を描写するハードなフィクション、それを全部坩堝に放り込んで一気に陽性の物語に仕立てた、そんなシリーズ。そしてそのどれでもない、明るいからっとした読後感がある。
レビューの続きを読む
「魔剣」という人外の存在である武器に出会い、それを自分のかけがえのない存在として認識した(してしまった)「魔剣遣い」たちの戦闘。魔剣は意志と知性を持ち、自らをシンボライズした幻影を表出し、人間と対話さえする。しかし決して人ではない。
この魔剣という存在のリアリティが、この物語の硬質の骨格になっている。
魔剣は、擬人化された剣ではない。人間とは違う本能を持ち、違う基準で動き、違う感覚でものを把握する。主人公リクが、物語のヒロインである魔剣〈夜来たる〉と「視覚」を同調させる場面での「魔剣の感覚」の描写はまさに秀逸の一言だが、それだけでなく、リクと〈夜来たる〉が勘違いとすれ違いのとんちんかんな会話と言動を繰り広げる日常もまた、魔剣と魔剣遣いが離別不可なほどに結びついていながら、決して相互理解に至ることがない限界を描いている。
「人間ではない知的存在」という観念の追求なり、魔剣の「人権闘争」なり、そういった方向への展開はいくらでもできたと思われるが、「魔剣」シリーズはそういう方向性に色目を使うことなく、ドライにストイックに「魔剣」という存在を描写する。
〈夜来たる〉は、美しい少女という姿で表出し、悪態をつき、喜び、悲しみ、嫉妬し、キスをし、愛情さえ見せるが、しかし「人間」になることはない。決して。
それは、主人公リクと彼に関わる魔剣遣いたちが、時に戦闘に麻薬のように耽溺し、人間として大切なものを失い、次第に人外に近づいていくにも関わらず、最後まで「人間」であり続けていくのと、対照をなす。
物語のラストの一文は、この二者が、結局のところ人間同士(あるいは魔剣同士)のように理解しあうような未来は永遠に来ないということを暗示するようにも見える。
だがこの物語が面白いのは、その事実を、ドラマティックな悲劇や哀切として扱わないところである。
魔剣と魔剣遣いは、自分たちの関係の限界を嘆いたり、変えようとしたり、その限界を越えようとあがいたりはしない。そのままの関係を実に自然に受け入れている。そのカラリとした受容が、実にリアルで、またある意味では幸福に満ちているようにも感じられる。
これを見てしまうと、「人間と、人間ではない存在」の関係性の究極を、「人間同士のような愛」という形に求めていく物語群が、非常にウェットで、ある種の傲慢のようにさえ、見えてきてしまうのだ。
そして最後に、この物語の一番の肝は、そういうややこしいことを考えずに、「わーい日本刀からセスタスから鈍器まで古今東西武器の玉手箱やー!」なノリでチャンチャンバラバラきったはったする、その様を追いかけているだけでも十分楽しいということである。投稿日:2012.11.22
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。