漱石先生と私たち
小宮豊隆(著)
/中公文庫
作品情報
その時分の私たちというのが、なんでも先生の真似をして見ようという、随分馬鹿気きっていた時分なのである。――師・夏目漱石をはじめ、寺田寅彦、鈴木三重吉、森田草平から芥川龍之介まで。漱石山房で、ともに文学談義を交わし、酒を呑み、気焔を上げた人々を、第一の弟子が回想する。文庫オリジナル
〈コミックエッセイ〉香日ゆら
目次より
夏目漱石
休息している漱石/漱石二十三回忌/漱石と恋愛/漱石二題/漱石と読書/漱石と画/漱石と烟草/偽物/注釈/「漱石発狂」の報告者/漱石文庫/漱石半身像/漱石のうちの猫/修善寺日記
寺田寅彦と松根東洋城
『漱石・寅彦・三重吉』序/「寅彦全集」/「破門」/『回想の寺田寅彦』序/漱石と寅彦/寅彦と死相/寅彦と俳諧/寅彦と羽子板/「御髭」/松根東洋城のこと
鈴木三重吉
三重吉の思い出/鈴木三重吉/三重吉のこと/青春記/写真
安倍能成
安倍のこと/眼鏡/アンシュリアム
森田草平と内田百閒
森田草平/『実説草平記』/誤植/誤伝の経路/チョッキのまぼろし/白髪
野上豊一郎
野上の死/野上のこと
芥川龍之介
芥川龍之介の死/一挿話
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商品情報
- シリーズ
- 漱石先生と私たち
- 著者
- 小宮豊隆
- 出版社
- 中央公論新社
- 掲載誌・レーベル
- 中公文庫
- 書籍発売日
- 2023.11.25
- Reader Store発売日
- 2023.11.21
- ファイルサイズ
- 5.3MB
- ページ数
- 352ページ
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この作品のレビュー
平均 3.3 (5件のレビュー)
-
漱石に接した人間は多く回想の文章を書いているが、本書は一番弟子とも言うべき小宮豊隆の師漱石をはじめ、寅彦、三重吉、松根東洋城、安倍能成、森田草平等についての回想の文章を収めたもの。
本書を始め弟子…たちの文章からは、いろいろ忙しいにもかかわらず面倒見の良い漱石と、それに甘える弟子たちとの子弟関係が良く分かるが、それにしてもこれだけ弟子たちから慕われた漱石の偉大さと言うものを改めて感じた。
もっとも印象に残ったのは、巻頭の「休息している漱石」の中の文章で、「今から考えると、私たちはどうしてあんなに先生の邪魔計りしていたのかと慚愧に堪えない。」との弁。おっしゃる通りとは思いつつ、それだけの時間を割いてなお漱石があれだけの作品を書いたことに驚くのだが。
(もっとも、「我々がああして先生の邪魔をしたからこそ、淋しがりやの先生も、いくらかは気が紛れてよかったのだ」と言うのだが。)
他の人物評からも各人の性格や著作の本質等が自ずと浮き上がってきて、その目の確かさに頷かされるところが多い。続きを読む投稿日:2023.11.27
漱石の門下生であるところの著者が漱石のこと、そしてその周りにいた人々のことについて書いた文章が集められている。最も印象に残ったのは、修善寺での出来事である。漱石が胃潰瘍のため危篤状態に陥った。そこへ、…門下生たちが集まって来る。結婚式を控えた著者もやってくる。漱石はまだ40歳代である。門下生たちは20歳代だろうか。漱石に浣腸をしておまるに座らせたとある。中には本職が医者だったものもいたのだろうが、浣腸か、弟子がそこまでするのか、と思ってしまった。漱石自身がそのころのことを振り返ってどこかで書いていた。枕元で、自分が死んだらどうするこうするという話を誰かがしているのが耳に入って来たと。それを記憶しているわけだ。不用意なことは言えない。漱石と読書についても書かれている。明治や大正の時代にどれくらいの本が出版されていたのだろうか。どれくらい翻訳されていたのだろうか。漱石は英語のままで読んでいたのだろうが、当時の出版事情が気になる。それでも、「読書は、自分が是までに経験した事もないような、特殊な経験を経験させてくれる。」とあるから、そう思えるくらいにはいくつもの読書体験ができたわけだろう。寺田寅彦については少し印象が変わった。著者が俳句をまじめに作らないことに寅彦が腹を立てている様子など興味深かった。また、中谷宇吉郎の名前が出て来るのは当然のこととして、続けて湯川秀樹の名前を見つけたときは何となく嬉しかった。きっとノーベル賞を取る前のことだったのだろうな。続きを読む
投稿日:2024.01.08
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