「死」を考えて、今日を生き切る(マガジンハウス新書)
玉置妙憂(著)
/マガジンハウス
作品情報
親、伴侶、きょうだい、そして自分自身――
「死」について考えることで「生」を知る
看護師・僧侶が伝えたい、逝き方と生き方
日本は世界でも有数の「超高齢社会」です。でも、その意味や深刻さを正確に理解している人は少ないのではないでしょうか?
総人口の中で65歳以上の人口が占める割合を「高齢化率」といいます。
この数字が7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」です。
ちなみに、日本が「高齢化社会」になったのは1970年のことでした。その24年後の1994年には「高齢社会」に、そのわずか13年後の2007年には「超高齢社会」にと、日本の高齢化はすさまじいスピードで進みました。
そして、2021年には29.1%まで上昇し、日本は人口の約3割が65歳以上という“超高齢大国”になりました。
さらに死亡数でいえば、これからおとずれる2040年には「1年で166万の人たちが亡くなる」と試算されています。
20秒に1人が死んでゆく「超高齢多死時代」がやってくるのです(ちなみに2021年の死亡数は、143万9809人/「厚生労働省」調べ)
この数字を見て、皆さんは何を感じますか?
日本の将来を見据えて国が勧めているのは、「在宅で死ぬこと」です。
「自宅で最期を迎える」というと、「なるほど、そのほうがいいかも」「やっぱり住み慣れた場所で最期を迎えたいよね」などと思う方もいるでしょう。
しかし国の本音は違います。身もふたもない言い方になってしまいますが、年間166万という多くの人々を病院で看取るのは医療経済的に無理。だから国は「在宅死」を勧めているのです。
とはいえ、これまで「病院で亡くなる」「病院で看取る」のが当たり前だったのに、いきなり在宅死にしようと言われても制度などのハード面、マンパワーなどのソフト面が十分に追いついていきません。
そして何より「逝く人」「看取る側」の心の準備ができていません。
その結果、あちこちで困りごとやひずみが噴出しているというのが現状です……。
(「まえがき」より抜粋)
「延命治療」「在宅ひとり死」「介護離職」……問題山積の終末医療、
「超高齢多死時代」の逝き方と生き方を考える一冊。
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