ボギー――怪異考察士の憶測
黒史郎(著)
/二見ホラー×ミステリ文庫
作品情報
余命宣告されたホラー作家
頭の中に──こびりついた爆弾
「祟り」に囚われた作家は怪異考察士となって、その謎を追う。
私は頭の中に爆弾を抱えていた。幼き日にこびりついた爆弾は活動を停止していたが、ついに動きを再開してしまった。「祟り」とでもいうべきこれのことを著名な怪異サイト『ボギールーム』に投稿したところ、管理者から謎の解明を約束される。やがてこのサイトの怪異考察士となった私は、自身に起こったことを究明していくことになる──その先にあるものは果たして……
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商品情報
- シリーズ
- ボギー――怪異考察士の憶測
- 著者
- 黒史郎
- 出版社
- 二見書房
- 掲載誌・レーベル
- 二見ホラー×ミステリ文庫
- 書籍発売日
- 2021.08.20
- Reader Store発売日
- 2021.11.01
- ファイルサイズ
- 4.7MB
- ページ数
- 272ページ
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この作品のレビュー
平均 3.7 (3件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
何とも不思議な感じのする話だった。
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冒頭で主人公自ら断りは入れているのだが、彼の考察、怪談話に昔の新聞記事、そして「神目」なる怪異サイトの管理人からのメール本文が入り乱れた文章になるので、それぞれの話の境界が曖昧になっているというか。
一応フォントなどで分けられてはいるので、混乱する筈はないのだが、それぞれの世界が濃厚に練られているためか、いい具合に混ざり合って、いい意味でカオス化しているというか。
どの話がこの世界における「真実」で、どの話が「虚構」なのか。
そもそも、この作中で登場する出典は現実世界に実在する作品からなのかなどなど。
読んでいるこちらの世界との境界も段々曖昧になってくるので、そういう意味でも怖くはあった。
この世界に引きずり込まれると、戻れなくなりそうな、そんな予感というか。
ただ読み終えた後にこれはホラーの話かと問われたら、「うーん」と言ってしまうのも事実。
というか、「何だこれ」というか。
「神目」の正体、そして主人公の正体を知ったときの衝撃は十分興奮したし面白かったのだが、終盤の解決編が特急並みの駆け足、かつホラーとしては、ある意味禁じ手では?な展開になるので、ホラー話としては失速した感じが否めない。
「実はホラーではなくて、別のジャンルの話でした!」な移行は、人によっては戸惑いそう。
少なくとも自分は戸惑ったし、「そりゃないだろう!」と叫んでしまった。
その直前までは非常に非常に面白かったので、あのオチはちょっと納得しづらいと言うか。
どうも現実的に解釈できる真相か、それが無理なら本当の怪異として描いてほしい願望から自分は抜け出せていないようだ。
ホラーらしく不気味さを残した救われているようで救われていないラストなのはよしとしても、その「実際に彼の背後に見えている」背景の世界観は最後までちょっと受け取り難く。
ゆえに不思議な感じのする物語だったと評してまとめておこうと思う。
「火車」や「ヒトダマ」などの怪異の考察は本当に面白いのだ。
そこは間違いないのだけれども。投稿日:2021.08.29
このレビューはネタバレを含みます
まあまあ。
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設定やエピソード自体は楽しく読めたけど、この話の流れとして様々なエピソードが出てくるところに辟易した。合わなかった。面白いんだけど、読むのがだるくなってしまって何度か投げてなんとか最後まで…読みきった。
町全体がシステムっていうのが良いな。
クトゥルフって言われてるが、そもそもクトゥルフについての知識があんまり無く、それを題材にしたものをかじってるだけなんだが、これはクトゥルフなのか?っていう印象。いや、異世界の神とか異次元はあるし、支配もあるけれど。
これでクトゥルフ認定するんだなあっていう印象。
空からなにかがやってきてひょいっと自分を掴むかもしれないという恐怖は自分も考えたことがある。同じ考えを持つ人がいて嬉しい。
もう一人の自分の恐怖はピンと来なかったけど、この本を読んでじっくり迫ってくるところで、同調出来た。いや、やっぱ怖いよな。自分の名前や居場所をとられるのは怖い。前もそう思ってたのに忘れてた。続きを読む投稿日:2022.02.26
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