この作品のレビュー
平均 3.9 (8件のレビュー)
-
アンは、いったいいつからそばにいたのだろう。
「彼女」が「私」にとってどういう存在なのか書こうとすると
言葉がなかなか出てこないものである。
読んだ本について自分の言葉にするなんて意識していなかっ…た頃から
ずっとそばにいたからだろうか。
もしかすると、本を手にするより先に
世界の名作劇場を見ていたのかもしれない。
でも、本を手にしたのはアニメを見てからそれほど後でもない。
当時、村岡花子さんの訳で、
図書館にあった紫色の本で10冊シリーズを全部読んだ。
いや、読んだ気になったというほうが正しいかも。
アンが出てこない、村の人のエピソードばかりのは、
ちょっとたいくつだったりもしたので、
あまりきちんと読まないで返してしまった記憶がある。
これらの味がわかったのは、大人になってからだった。
中学生か高校生になると、
モンゴメリの書いたほかの作品が、気になって、読んでみたものである。
お気に入りは、『青い城』だった。
アンシリーズ10冊を購入して、
もう一回きちんと全部読もうと思ったのが、4年前だった。
赤毛のアンは、訳を手がけた人も多い。
私は、最近まで、訳の違いはあまり気にしていなかったのだが、
『旅路の果て』を読んだときに、
掛川恭子訳は、「あいよぶ魂」という表現を使っていたことを知った。
「あいよぶ魂」の原語は、kindred spiritであるが、村岡花子訳では、
これをはっきりと「魂」と訳出していない。
bosom friendには「腹心の友」とはっきりと訳を与えているため、
子ども時代の私には、こちらの言葉は印象的で、
今でも、「腹心の友」と求めているようなところがあるくらいだ。
ちなみに、kindred spiritの訳については、
サイト上で考察している方がいらっしゃる。
赤毛のアンについては、出版されている関連本ばかりではなく、
ネット検索で、ファンのページを見つける楽しみもある。
さて、今回、私が、本書を改めて手にしたのは、
自分が赤毛のアンを再度読み味わいたいからでは、実はない。
今まで、本を読む楽しみをあまり味わってこなかった方に、
この本を手にとってほしいと願うからである。
この書評をお読みの方は、たいていは読書家の方であろう。
『赤毛のアン』の書評をご覧になるのだから、
やはりこの本を好きな方、児童書に興味のある方だろうと思う。
今回、私がこの本を届けたいのは、
そのあなたのそばにいるかもしれない、
まだ読書を趣味とはされていない方だ。
まったく興味がないわけではなくて、
本当は読みたい気持ちを持っているのだけど、
字がたくさんの本は、敬遠してしまう方だ。
印刷された活字の本を読むことが困難な人がいる。
視覚に障害のある人は、すぐに想像できるだろう。
だが、視覚にも聴覚にも障害はないのだが、
活字、音声、意味を結びつけることが苦手なため、
読書が困難なディスレクシアの方もいる。
DAISYという、
通常の印刷物で提供される図書や情報を
読むことができない人の読書を支援する
アクセシブルな情報システムがある。
http://www.dinf.ne.jp/doc/daisy/
マルチメディアDAISY図書は、パソコンで、音声を聞きながら、
同時に、テキストと画像を見ることができる。
日本ライトハウスは、ポプラ社の協力で、
本書と『へんしんぶうたん!ぼくだけライオン』の
マルチメディアDAISY版を作成した。
2010年3月末日までキャンペーンを行っていたが、
これは無期限のキャンペーンとなった。
原本に付いている『ダウンロード用ID・パスワード引換券』には、
受付締め切り日が2010年3月末日となっているが、
今でもこれは使える。
マルチメディアDAISY版を希望する図書の活字版を購入し、
活字版に付いている『ダウンロード用ID・パスワード引換券』を
ハガキに貼って応募する形になっている。
キャンペーンの詳細は、日本ライトハウスのページにある。
http://www.iccb.jp/rec/multimediadaisy/mmd06.html
私自身も、マルチメディアDAISYの普及に関わってきたが、
http://www.dinf.ne.jp/doc/daisy/book/index.html
赤毛のアンのような長い作品を、
マルチメディアDAISY図書で読むのは、
このときの赤毛のアンがはじめてだった。
(現在は、その経験はもう少し積んでいる。)
ここまで長いテキストのものができるのは、
出版関係者の協力があってこそなのである。
青空文庫から、
テキストをいただいて製作するするだけでなく、
著作権者や出版社の協力の下で、原本と同時にごくごく普通に
マルチメディアDAISY版が出版される日が来ることを願っている。
このキャンペーンにより、
マルチメディアDAISY版を必要とする方に本が届き、
また、読書に障害のある人の意見がフィードバックされて、
マルチメディアDAISY図書が進化することを願っている。
そして、今まで本の中に友だちがいると知らなかった人に、
アンに出会ってほしいと願う。続きを読む投稿日:2010.07.29
児童文学を読もうと手に取った、赤毛のアン。主人公のアンは孤児院で辛い思いも沢山してきた。それでもマリラとマシュウに引き取られ、ダイアナと親友になり、真っ直ぐに育っていく。アンの想像力の豊かさと持ち前の…明るさは人を引き付ける魅力がある。それはマリラやマシュウがアンを見守り受け入れたからアンは安心してのびのびと居られたのだと思う。アンのおしゃべりの言葉の表現力は読んでいて明るい気持ちにさせてくれた。大人になって読むとアンももちろん魅力的だけど、マリラとマシュウの愛情の深さに感慨深い気持ちになった。続きを読む
投稿日:2024.01.17
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。