覇王の神殿 日本を造った男・蘇我馬子【電子特典付】
伊東潤(著者)
/コルク
作品情報
蘇我氏VS 物部氏の骨肉の争いに、推古天皇を中心とした愛憎劇。
功罪半ばする日本最古の“悪役” 蘇我馬子を描く古代史浪漫小説、誕生!
【電子書籍特典】
予防医学研究者 石川善樹×編集者 佐渡島庸平 対談
「伊東潤の小説の面白さについて語る」
「伊東潤の小説は時代を超えて残る」—。
予防医学研究者である石川善樹氏と、伊東潤が所属するエージェント、株式会社コルク代表・編集者 佐渡島庸平。
旧知の仲であるふたりが、伊東潤の小説の魅力について大いに語ったYoutubeチャンネルの回を対談テキストにて収録。
もっとみる
商品情報
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.8 (12件のレビュー)
-
山岸凉子さんのコミック『日出づる処の天子』にハマった者としては堪らない作品だった。
あちらは厩戸皇子(聖徳太子)が政治的工作活動から汚れ仕事までを裏で行い、大王という飾り物ではなく摂政(=執政者)とい…う実を取るために強かに立ち回るまでを描く話だったが、こちらは蘇我馬子が主役。
当時としては新しい宗教である仏教を日本に取り入れ、仏教で国を束ね一つにしていくことを理想とし、そのために時に手を血で汚しながらも邁進していく。
日本古来の神道を掲げ、仏教を国教とすることに猛反対する物部守屋を始めとする一派との戦い。
その一派が担ぎ上げる穴穂部皇子の排除。
即位した途端に強硬な姿勢で蘇我一族と対抗する崇峻天皇の排除。
そして馬子のやりたかったことを次々実現させていく厩戸皇子との確執。
偉大な父・稲目の遺言に従い、最初は自信のなかった馬子が国と一族の繁栄のため、時に恋愛関係のある女性と別れても時に人を殺してでも突き進んでいく姿は彼の覚悟と信念を感じさせた。
特に額田部女王(後の推古天皇)との関係は新たな視点で面白かった。
権力が集中すれば周囲の人々からの嫉妬と非難を買い、権力が分散すれば決断と実行が進まない。難しいバランスだ。
『この国と王家、そして仏教を守っていくことが、わが一族の使命だ』
その使命のためならとどんな汚れ仕事も、人を陥れることもやってきた馬子だが、晩年に振り返るシーンがある。殺生を禁ずる仏教を繁栄させるために殺生を行ってきた馬子や額田部は万寿国(極楽浄土)に行けるのか。
厩戸皇子と馬子の息子・蝦夷が予想以上に強かで面白かった。ダークな厩戸皇子に出会うのは『日出づる処の天子』以来ではないだろうか。しかしあちらでは毛人(蝦夷)と厩戸皇子との決別は描かれていたものの、そこからどう山背大兄皇子排除に繋がるのかが想像できなかった。
一方この作品では蘇我一族と厩戸皇子とは共存の余地がないように描かれていたために、さらに後の乙巳の変までの流れまでが自然に想像できた。それも厩戸皇子の呪いが出てくるなんて、ちょっと『日出づる処の天子』に通じるところもあってニヤリとする。
国と仏教の繁栄への道に背くものを排除してきた馬子が、国と仏教の繁栄という理想を同じくし次々実現していく厩戸皇子にも反抗心を抱く理由が面白い。馬子は大王を補佐し支える立場にありながら、国を造り覇王であることに拘った男でもあった。結局は厩戸皇子と蘇我一族は共に生きることは出来なかったということか。
逆に馬子の長男・善徳が僧として文字通り仏に身を捧げる姿は地味ながら馬子・蝦夷親子と対照的で印象に残った。
最近の研究で推古天皇は伝わっている以上に政治力があったという説もあるようだが、この作品での額田部女王もこれはこれで良かった。
蘇我一族は入鹿の代で歴史から姿を消すが、稲目から四代にかけて守ってきた仏教や仏教と共に入ってきた様々な文化はその後も栄えていくことになる。続きを読む投稿日:2021.04.30
乙巳の変、俗に言う大化の改新で暗殺された蘇我入鹿の祖父蘇我馬子の物語。中国に認められ、三韓の上に置かれる仏教国家を蘇我氏よ主導で作る野望を胸に物部氏や崇峻天皇、厩戸皇子を暗殺し、蘇我氏の栄華の元となる…。厩戸皇子の優秀さが石田三成と被るような印象を持つ書き方で新しかった。続きを読む
投稿日:2023.12.22
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。