本の読める場所を求めて
阿久津隆(著)
/朝日出版社
作品情報
本を、読む。こんなシンプルなことが、どうして放っておかれているのか。
「書を携えて、街に出る。人が人といてひとりになるためには
こんなすったもんだが必要なんですね」
――片桐はいり(俳優)
本はあっても、読む場所がない!
家でもカフェでも図書館でも……ゆっくり読めない。街をさまよう。
だから、「今日はがっつり本を読んじゃうぞ~」と思う人たちが
心ゆくまで「本の読める」店、「fuzkue(フヅクエ)」をつくった。
本と、光さえあればできるはずのものが、どうしてこんなに難しいんだろう?
心置きなく、気兼ねなく本を読むためには、なにが必要なんだろう?
なぜか語られてこなかった「読む」「場所」をめぐって、
ストラグルし、考えぬいた先に見えてきたものとは?
大部の『読書の日記』に綴る読書の喜びで人を驚かせた著者が、
ユーモアを織り交ぜた文体で小説のように書き記す。
「読書」を突き抜けて、「場づくり」「孤独」「文化」「公共」まで眼差す。
――きれいごとをちゃんと欲望しよう。
「もし映画館がなくて、小さな画面としょぼい音響でしか映画を観ることができなかったら。もしスキー場がなくて、野山を一歩一歩自分で登ってでしか滑ることができなかったら。もしスケートパークがなくて、注意されたり迷惑顔をされたりするリスクを常に抱えながらしか遊ぶことができなかったら。心置きなく没頭できる場所を抜きに、それぞれの文化の裾野は、今のような広さにはなっていないはずだ。
〔…〕だから読書にも、そういう場所があったほうがいい」(本文より)
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商品情報
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この作品のレビュー
平均 3.7 (33件のレビュー)
-
『本の読める場所』を提供することを仕事にした方が、読書についていろいろと考えたことを綴った本です。
私なりの解釈で勝手にまとめると、『本の読める場所』とは「おひとりさま」で「気兼ねしない」で「好きな…だけいられ」「気を散らせる音がない」場所です。
私は長距離通勤(片道2時間)していた頃は電車が読書するための主要な場所でした。
電車に乗っている時間が少なくなった今はもっぱら自宅が読書する場所です。
どちらも、ほぼ『本の読める場所』の定義と合っていると思います。
図書館はもっぱら借りるのが目的で、本屋には置いていない面白そうな本を眺めたりはしますが、長く居座っての読書はしません。
喫茶店や公園なども本を読むために行ったことはありません。
時々気になる人や、気になる音があり、読書するにはどこか落ち着けない要素があるのだと思います。
著者は、家以外でパソコン作業ができる場所は沢山あると感じていて、パソコン作業と読書の違いは何かを考えたりしています。
これを考えるのに面白い例えが示されていました。
ー 葬儀のとき火葬場の控室で本を読んでいたら、親戚に「あれはないと思うよ」と言われた。
ー その親戚の人もスマホを見ていたが、本とスマホは違うらしい。
ー 本を開いている姿は、周囲との拒絶感を強くかもし出すようだ。
見られ方としては、次のようなことも言っています。
ー パソコン作業をしている人は生産的なことをしているように見える。コミュニケーションの要素も感じることができる。
ー 読書をしている人からは生産性は感じ取れない。その本とその人だけの閉ざされた世界を作っている。
読書する姿は、人前であまり見せるものではないのかもしれない。
心置きなく読書をするのに最適化された場所があってもいいのでは。
という考えから、心ゆくまで「本の読める」店「fuzkue」を作ったのですね。
この環境を気に入って応援する読書好きな人がいてくれて何よりです。
でも、私にとっては「お金がかからないこと」という重要な要件があるので、おそらくこのような場所で読書することはないです。続きを読む投稿日:2020.10.13
本を読むという行為を丁寧に掘り下げた本。
楽しみを最大限にするためにどうしたらよいのか。
ブックカフェなど、一見、本を読むためにあるような場所がもつ問題点、
少しのきっかけで台無しになるデリケートな読…書という行為から、
邪魔になる要素をどれだけ排除できるか。
物理的・心理的なものひとつひとつを検証し、先回りして深く考察し、たどり着いた店のあり方。
あらためて、本を読むという行為を考えた。
本があればいいだけ、ひとりの世界に入ってしまうこと、
同じものを同じ時に読んでいても同じところとは限らないこと。
深く気づきの多い本。続きを読む投稿日:2024.04.25
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