エンディングドレス
蛭田亜紗子(著)
,坂本ヒメミ(イラスト)
,戸田未果(カバー刺繍)
/ポプラ文庫
作品情報
夫に先立たれた麻緒、32歳。 自らも死ぬ準備をするため“死に装束を縫う洋裁教室”に通い始める。 20歳の時に気に入っていた服、15歳の頃に憧れていた服、自己紹介代わりの服…。ミステリアスな先生による課題をこなす中で、麻緒の記憶の引き出しが開かれていく。 洋裁を通じてバラバラだった心を手繰り寄せた先に待つものは? 「本当の自分」と「これからの自分」を見つける、胸打つ傑作小説。
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商品情報
- シリーズ
- エンディングドレス
- 出版社
- ポプラ社
- 掲載誌・レーベル
- ポプラ文庫
- 書籍発売日
- 2020.06.04
- Reader Store発売日
- 2020.06.04
- ファイルサイズ
- 1.9MB
- ページ数
- 263ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (20件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
はたちの時に出会った最愛の夫を亡くし、自らも死を選ぶべく身辺整理を始めていた麻緒。
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自殺用のロープを買いに訪れた手芸店で偶然目にした、“週末”ならぬ“終末”の洋裁教室のチラシ。
「春ははじまりの季節。さあ、死に支度をはじめましょう。あなただけの死に装束を、手づくりで。」
ふと心惹かれて教室に通うことになった麻緒は、3人の仲間たちと、講師の小針先生に出会う。
ことぶきジローさんのレビューを読んで、手に取りました。
ありがとうございました!
正直、装う事にはそれほど興味がない方だけれど、ひととき素直に、愛する人を亡くした悲しみから、自分の人生を生きる力を取り戻してゆく麻緒を見守ることが出来たような。
ほんの2時間ほどの間に、麻緒の絶望や後悔、ときめきや幸福感も、あっという間に追体験したような。
こんなに読みやすくてよかったのかと思うほど、読後はとても爽やかでした。
『生前葬』『生前整理』などの文字に反応してしまう今日この頃。
誰にも迷惑をかけず、まぁ少しは悲しんで欲しいけれど、必要以上に誰かの未来に影を落とさずに消えてゆきたい…などと考えている私でも。
何を着て、何を食べ、何を思うかをおろそかにしてはいけないな。
しかし、弦一郎さん…いくら自分の余命がわずかだと悟っていても、麻緒の未来を思っての事だとしても、あれは無いわ…荒療治すぎるわ…
さらに、たまたまこの一週間で読んだ本の順番というか…生きているだけで感謝だったり、後悔ありありでもしゃあないだったり、人生のスパイスを味わい尽くさなくてはだったり…
アップダウン???が激しすぎて、ちと疲れたところに本作。
ふれているテーマの重さのままの重厚な作品だったら…リタイアはしなかっただろうけれど、ずいぶん今の気分が違っていただろう。
読みやすくて良かった。
タイトルの重さに怯まず、愛らしい装丁に惹かれて、たくさんの人に読んでもらいたい。投稿日:2020.08.16
このレビューはネタバレを含みます
‣ わたしの哀しみはわたしだけのもので、だれかと共有なんてしたくなかった
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‣ どんなにいい時代が来たって、はたちは人生に一年だけ、二度と戻れない。娘盛りのいちばん輝いていたころ、わたしは着飾ることが…いっさいできなかった
‣ わたしだけ特殊で、わたしだけ不幸。ずっと、そう思っていた気がする
‣ 年をとることの利点は、性別があやふやになることね。よくいるでしょう?おじいさんみたいなおばあさんや、おばあさんみたいなおじいさん
‣ 男らしさの呪縛に囚われていたのね。ほんとうのわたしは、スカートや化粧が好きで料理や洋裁を愉しみ、愛するひととゆたかな時間を過ごす暮らしを望むような人間だったのに
‣ 震えてくるほど恥ずかしかった。勝手に期待して、勝手に裏切られたと感じている自分が
‣ 弦一郎が自分の死後にわたしに望んでいたのも、そういうことだったのかもしれない。時間の流れに従うこと。自分の変化を受け入れること。前に進むこと
‣ 子ども時代から自己紹介が苦手だった。自分というあやふやなものを、初対面のひとに向かって短い言葉で表現するなんて
‣ お菓子作りと洋裁って似てるなと思う。どちらも無心に作業していると気持ちが落ち着いていく
‣ どんなひとにも、やがて来る自分の死を見つめて、じっくりと準備して、穏やかにその日を迎えてほしい。それで、死に装束を縫う洋裁教室を思いついたの
‣ まっさらな生成りの状態だから、まだまだどんな色にもなれる。そう思いたい。これからわたしはどんな色に染まっていくのか、ちょっとわくわくしています
‣ わたしが教室で教えているのは、外側ではなく内側に踏み込んでいくものづくりなの。自分のための服を縫うこと、それは自分の内面を掘り進むことでもある
‣ 人生はミシンの縫い目のようにまっすぐに規則正しく進むものじゃない。手でちくちくとひと針ひと針縫ったなみ縫いのラインみたいに、歪んでいたり、うねっていたり。それでもずっとさきの未来、いつか迎えが来たとき、自分の後ろにできたなみ縫いのラインを見て、素敵な模様だと思えたら
‣ 冬を待って、春を待って、そして夏を待って。服を縫うのは、巡りゆく季節を追いかけ続けることでもあるのだ
‣ 「そいういえばおふたりのエンディングドレス、どんなの縫ったんですか?」
「ふふふ、それは本番でのお愉しみ」続きを読む投稿日:2024.04.20
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