螺旋じかけの海【新装版】(2)
永田礼路(著)
/ナンバーナイン
作品情報
「僕らは皆 いつか死んだ誰かでできている――」
遺伝子操作が産業として発達し、水没した街の残骸では人間以外の動物の遺伝子を持つ者が混在して暮らす世界。遺伝操作を生業とする生体操作師・音喜多の元に様々な事情を抱えた者たちが訪れる――。
寿命が迫る異種遺伝子キャリアが最後に残したいものはーー「花と揺れる嘘」。代々伝書鳩を操る異形の一族たちの矜持――「金色を渡る鳩」。急遽「出荷」が決まった食用人魚の行く末はーー「人魚が融ける指」。3編を収録。
※現在配信中の版は、2016年12月に講談社から発行された単行本と同内容を作者により再編集したデジタル新装版になります。
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商品情報
- シリーズ
- 螺旋じかけの海
- 著者
- 永田礼路
- 出版社
- ナンバーナイン
- 書籍発売日
- 2016.12.01
- Reader Store発売日
- 2019.12.27
- ファイルサイズ
- 163.2MB
- シリーズ情報
- 既刊5巻
※この商品はタブレットなど大きなディスプレイを備えた機器で読むことに適しています。
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この作品のレビュー
平均 4.3 (3件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
身体の一部が獣化したキメラたちを利用しようとする悪人を返り討ちにする勧善懲悪ストーリーが主。人間の尊厳とか定義とか、自然に訴えてくる良質なエンタメ漫画。萌え要素はケモ少女よりも中年主人公かな。
レビューの続きを読む
螺旋じかけの海ってタイトルが、DNAの詩的な言い換えみたいで綺麗。投稿日:2018.05.04
これもまた、「読ませる」漫画の一つ
数えて覚えておく事も出来ぬほど歳を重ねてきたからか、それとも、私の漫画読みとしてのレベルが上がりつつあるのか、ここ最近は、シンプルに面白い作品だけでなく、この『螺旋…じかけの海』のような深みのあるモノを読みたくなる
漫画ってのは心のモヤモヤを取り除くために読むモノだ、少なくとも、私の中では
この『螺旋じかけの海』は、単に澱を払うのではなく、その澱の正体は何なのか、を考えさせるキッカケをくれる
『小林さんちのメイドラゴン』(クール教信者)や、『モンスター娘のいる日常』(オカヤド)のように、可愛い人外っ娘が出てくる作品も当然、好き。そこは誤魔化せない
この『螺旋じかけの海』に、その手の可愛さがあるのか、と聞かれたら、「ない」と答えるしかない
けど、イイ漫画であるのは確かなので、お勧めしたい
ストーリーを展開させるのは、獣化が進んでしまっている人間
だからこそ、「人間」とは何なのか、を改めて考えに耽りたくなる、読むと
人間の定義とは、外見で決まるのか、性格で決まるのか、血筋で決められてしまうのか、環境で決められてしまうのか、それは分からない
ただ、自分が何者であるか、を周りの意見に左右されず、芯を持っていれば道は閉ざされず、世界は狭まらない、と私は思った、読みながら
キャラクターたちは様々な境遇に、己を置いている
ストーリー的にスカッとするものはあるけれど、善と悪に分かりやすく、二分化されている訳ではなく、「人間らしい」者ばかりだ
綺麗なトコも、汚いトコも、ごちゃごちゃに混ざり合っているのが人間なんだろう
一度、読んだだけでは設定が突飛だと感じるかも知れないが、幾度も読んでいると、「こんな未来もありえるかもしれない」と背筋が寒くなる
未来ってのは、良くも悪くも不確定。現在の行動一つで如何様にも変化するのだから、人が、人でないモノが混ざった人を、人扱いしない時代が来ても、何らおかしくない
この朧な現実感こそが、『螺旋じかけの海』の強みなんだろう
その魅力は、永田先生自身が、この作品、テーマと向き合っていなければ出ない
目立ちこそしていないが、確実に注目されているはずだ、漫画を評価するプロに
どの回も真面目に読みたくなるモノばかりだが、個人的に好きなのは、「花と揺れる嘘」だ。悲恋モノ、けど、哀しいラストではない。相手が大切だからこそ、隠したい自分がいて、終わりの刻が来るまで辛い嘘を吐き通そうとする。けど、それは結局、自分も相手も傷つけてしまう
相手を想い合いすぎる男女の為に、何も出来ないからこそ、自分に出来るコトを全てやるオトの切ない心情がグッと来た
好きな人と一緒に幸せになるのは難しく、そして、易しい
この台詞を引用に選んだのは、オトのシブさが出ているからだ。多くの生と死、生き方と死に方を目の当りにしてきたオトだから、薄っぺらくないんだろう。いてくれるだけでいい、そんな人が人生で見つかるのは、男でも女でも最高だ。けど、それが思ったようにならないのが人生だ。だから、面白い続きを読む投稿日:2017.02.26
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