産まなくても、産めなくても
甘糟りり子(著)
/講談社文庫
作品情報
妊娠と出産にまつわる、女性にとって切実な話題を切り取った七つの物語──「第一話 掌から時はこぼれて」39歳の女性弁護士が、ふとしたきっかけで知った卵子凍結の情報に、心が大きく揺さぶられて……。/「第二話 折り返し地点」妊娠よりもオリンピック出場を優先してきた女性アスリート。レース前、胸に去来したものは?/「第三話 ターコイズ」不妊治療中の女性たちが集うイベントで、子宮の劣化の話を聞いて愕然となり……。/「第四話 水のような、酒のような」バブル時代に独身生活を謳歌した男が、不妊治療のクリニックで思わぬ宣告を受け……。/「第五話 エバーフレッシュ」妊娠をめざすのか、仕事を優先するのか。女性の厳しい現実に対応する、新しい社内制度とは?/「第六話 五つめの季節」三度目の流産で子供をあきらめかけたとき、養子縁組のことを知り……。/「第七話 マタニティ・コントロール」近未来。不妊治療や子育て支援に大きな予算が投じられ、妊娠は政府によって制御されようとしていた。
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商品情報
- シリーズ
- 産まなくても、産めなくても
- 著者
- 甘糟りり子
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社文庫
- 書籍発売日
- 2019.07.12
- Reader Store発売日
- 2019.07.12
- ファイルサイズ
- 0.2MB
- ページ数
- 288ページ
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この作品のレビュー
平均 3.7 (18件のレビュー)
-
妊娠、不妊、出産に関する短編集。
私と同じ職業の人が登場すると知り、興味がわいて読んでみた。
読みながら「この本はきっと、取材をたくさんして書いたものなんだろうな」と思った。
なぜそう思ったかという…と、同じテーマ、似たテーマで、ここまで様々な切り口で短編を揃えるのは、個人の想像力だけでは無理なのではないかと思ったことと、登場する人たちの話の内容に、何か裏付けがあるような説得力を感じたからだ。
実際、本編の後には取材先への感謝が記されていたけど、取材先は、医療関係(複数)、法律事務所、会社名団体名からは業務内容までわからないもの、とにかく様々でたくさんだった。
私自身は子どもが一人いるけど、産後体調を大きく崩してしまい、仕事復帰してからは、とても苦しい日々を送った。体調を維持するために、今でも服薬を欠かせない。
そんなこともあって、私自身の心と体のキャパシティの問題で、「私はもうこれ以上の妊娠出産は無理だ、この子は一人っ子だ」と決めた。
そう決めても、心のどこかで「35歳を過ぎてしまったな、今からでは高齢出産だな」「もう一人産もうとしたら、私何歳になるかな」などと、もう一人の子どもがいる可能性が何度も頭をよぎってしまう。
自分でその可能性を消しておいて、未練がましいと思う。
でも、そういう私なので、この本に登場する人たちの「明確にならない気持ち」に、すごく共感した。
妊娠と出産には、タイムリミットがある。
卵子凍結ができれば、タイムリミットがなくなる(先延ばしされる)から良いのか?といわれると、そういうことでもない。
だって、その後の育児の方がはるかに大変なのだから。
だから、正解はない、多くの人が悩むことなのだ。
作者の甘糟さんは、女性たちを産む、産まないのプレッシャーから解放したいと思っているらしい。そんなふうに思ってくれる人がいて、実際にたくさんの取材を経て本を書いてくれている。
正解のない問題に悩んだ私からしたら、その事実だけで、十分に嬉しい。
妊娠出産子育てに孤独はつきものだ。でも、会ったこともない誰かが、気持ちを寄せてくれてる、それだけで少しは孤独が和らいだりする。
この本を読んでいて、この本に登場する女性達は、悩みを共有できる心の中の友達みたいな…そんな風に思えた。ありがとう。続きを読む投稿日:2022.09.24
このレビューはネタバレを含みます
妊娠や出産などにまつわる7つの物語の短編集。
レビューの続きを読む
女性なら一度は考えたことがあるような想いがつまっていたり、心が揺さぶられるような共感する物語もあったり。
個人的には、「ターコイズ」と「五つめの季節」…の物語が好みだった。
最終話の「マタニティ・コントロール」は衝撃的だった。読む人によっては飛躍しすぎだとか、異色すぎると違和感を抱くかもしれない。
だけど、作者が伝えたかった、いろんな選択といろんな正解という意味では読んで良かったと思えるし、そう遠くない未来もあるかもしれないと思えるような内容だった。
「人生は、若くない女にどこまで意地悪なんだろう」
あとがきにもあるように、産む人も、産まない人も、産めなかった人も、それぞれが解放されますように。続きを読む投稿日:2024.04.04
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