乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 11
三嶋与夢(小説)
,孟達(イラスト)
/GCノベルズ
作品情報
「結婚するなら、ミレーヌさんを選びますね」
ラーシェル神聖王国が周辺諸国と手を組みホルファート王国を包囲した。
武力を背景にラーシェルが提示する和平の条件。
それはリオンの持つ全てのロストアイテムを他国へ割譲せよというもの。
そんな王国の窮地に王妃ミレーヌが一計を案じる。
ラーシェルとの前線にリオンを配置し彼の国を抑え込み、
その間に他国との交渉を進めよというのだ。
しかし、ミレーヌにはどこか余裕がない。
複雑な思いを抱えながらもリオンは、
前線――フレーザー侯爵領に向かうのだが……。
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商品情報
- シリーズ
- 乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です
- 出版社
- マイクロマガジン社
- 掲載誌・レーベル
- GCノベルズ
- 書籍発売日
- 2022.12.28
- Reader Store発売日
- 2022.12.28
- ファイルサイズ
- 10.9MB
- ページ数
- 332ページ
- シリーズ情報
- 全13巻
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 4.0 (1件のレビュー)
-
遂にあの人物が表紙という事で読む前からテンションが上っていたのだけど、内容は政争が繰り広げられる開戦直前の模様が中心となり、穏やかに読み進める事は難しい
リオンって強大な力を有した高位の人物なんだけど…、本人が政治にちっとも興味も関心も無いものだから彼そのものが政治の表舞台に立つ事はない。これまでは既に宮廷政治に熟知したアンジェリカがフォローしてきたけど、アンジェリカを上回る政治力を持つミレーヌが相手では為す術がないわけで
作中で示される「腹黒姫」の異名、その真髄を見た気がするよ
ホルファート王国に牙を剥いたラーシェル神聖王国、その背後に控えるヴォルデノワ神聖魔法帝国…
当初の王国編や共和国編では一国の中で戦争が繰り広げられた為に、多少の軋轢が生じようとリオンが力任せに解決すればどうにかなる部分もあった。けれど今回は力任せにすれば、更なる力が登場するとあっては平和主義者を自称するリオンにとって厄介な話
だからこそ政治に長けたミレーヌが舵取りをする事になるわけだけど、彼女が目指す平和とはリオンやアンジェリカ達が考えているものとは全く違っていて
前巻では現代日本の倫理観を持つリオンとホルファートの倫理観を持つアンジェリカとの間で不和が生じた。それを思うと今回は倫理観を超えた視野の差だったんだろうな
宮廷政治を知るアンジェリカもユリウスもエリカも圧倒するミレーヌの知見。我が子どころか自分を慕うリオンすら利用し、国や国民の被害を理解した上で恒久平和を目指そうとする姿勢は生半可な説得や政治力では太刀打ちできない
そうした強さが描かれたからこそ、単純過ぎて幼稚にすら感じてしまうリオンの「神聖王をぶん殴る」なんてアイディアが通る様は痛快だけれど、政治劇に興じていた人達がちょっと哀れに思えてしまうな
まあ、そもそも今のホルファート王国がリオンの力によって立脚している以上、リオンが「NO!」を突きつけてしまえば反対なんて不可能なんだけど
あとは惚れた弱みか?本気としか思えないリオンの口説き文句にわたわたするミレーヌは非常に可愛らしいのだけど、リオンはこれで本気で口説いているつもりはないとか、他の婚約者にどうしてこのような振る舞いが出来ないんだと色々突っ込みたくなるね(笑)
中心となるリオンが旗色を示せば後は雪崩式。カールという都合の良い人物が居たのもあってスイスイと物事が決まるね。政治劇も好きだけど、こういった政治を武力で黙らせる展開も嫌いじゃない
今回はリオンサイドとは別の方面ではフィンとミアの恋愛も進展していたね
ミアを亡き妹に重ねるフィン。彼女を誠実に守ろうと姿はヒーローそのもの。ミアが彼に惚れるのは納得できるというもの
だからこそ、誠実な彼は誠実なままにミアを恋愛対象と見てこなかったのだけど。その差が今回は二人を苦しめてしまったようで
それでも最終的には何らかの答えを出せたのかな?フィンは納得できていないようだけど、これまでミアを妹としか見てこなかったフィンとしてはミアを妹ではない存在として向き合うというのがまず第一歩になるんだろうからなぁ
終盤、毎度お馴染みになったリオンの昇進劇に笑っていたら、トンデモナイ展開が放り込まれてきた……
シリーズ序盤から匂わせつつも大きな意味を持ってこなかった新人類と旧人類の対立。それがエリカの病状悪化という現象で現れてしまった。また他方では謎の魔法生物が暗躍しているようだし
家族に対して心を砕くリオンにとって、親族が不幸に見舞われるこの事態は更に神経を磨り潰す展開となりそうだ続きを読む投稿日:2023.01.09
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