ワン・ゼロ【愛蔵版】2
佐藤史生(著者)
/復刊ドットコム
作品情報
長い眠りから目覚めた魔・ルシャナ。魔と神の戦いがついに始まる!
【あらすじ】
アイツー社は、都祈雄の異母妹・魔由璃を、自社のイメージキャラクター「マハーマウリヤ」に据え、マンダラ・シンセサイザー=メディックを急速な勢いで世界に広めようとしていた。一方、都祈雄は神木の根元から魔の一人“ルシャナ”を掘り起こし、蘇らせる。
魔と行動をともにする都祈雄は、神として覚醒した魔由璃と対立を深めていくが…。
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商品情報
- シリーズ
- ワン・ゼロ【愛蔵版】
- 著者
- 佐藤史生
- 出版社
- 復刊ドットコム
- 書籍発売日
- 2015.08.18
- Reader Store発売日
- 2017.02.06
- ファイルサイズ
- 164.5MB
- ページ数
- 199ページ
- シリーズ情報
- 全4巻
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この作品のレビュー
平均 4.0 (2件のレビュー)
-
第2巻は、小学館「プチフラワー」に連載されていた(1985年3月号~7月号)、ACT・Ⅱ『乱声楽』(連載第6~10回まで)を収録してあり、前巻同様、一読ではよく分からず、二度三度と読んでみたところ、こ…の作品の凄さが少し分かってきたかもしれない。
最初は、単純に神と魔の壮絶な戦いばかりに、目が行っていたが、そうではなく、これは、新たな視点で人間の可能性を教えてくれているのかもしれないと思った。
その中で、まず気になったのは、魔の存在。
本書の中で、『リグ・ヴェーダ讃歌』という、インド最古の宗教文献である「ヴェーダ」のうち、紀元前13世紀を中心として永い間に成った、偉大な文化遺産が取り上げられているが、そこには、勝利者側(アーリア人)のレトリック表現として、おそらく敗者側の部族のことを、魔族などと表現している。
ちなみに、レトリックの意味は、『言葉を巧みに使って表現する方法』であり、敗者に対する巧みな表現が『魔』というのは、どういうことなのかと思ってしまい、知識の浅い私としては、中世の魔女裁判の、ああした偏見と似ているのかと思ったり、宗教が絡んだ英雄的行いを讃えるために、相手側を貶める表現だったのか、分からない。が、少なくとも、ここでは魔は人間ということになる。
それから、本書で登場する、「ビローチャナ」は自ら、魔と名乗るが、実際には人間の力を超えたものに対する恐怖心から、人々に敬われただけであることから、そこにおける、神と魔のボーダーラインは、単に恐いのか、そうでないのかだけということになってしまい、どちらも自然を破壊する力を持っているのは確かなのに、何故と思う。
また、もう一つの、神について。
神は、『人間の脳の中の使用していない無意識の部分』にあるのかもしれず、それは、コンピュータの力を借りるくらい、大変なことらしい。
これについて、大袈裟な表現をすると、人間が神に近付ける可能性がある、ということになるとともに、コンピュータも神になれる可能性がある、ということになるのかもしれない。
しかし、その閉じられた、概念的世界を見ると、欲も全くなく、まるで秩序からはみ出さない人たちが何の問題も起こさず、穏やかに過ごす光景は、確かに素晴らしいのかもしれないが、その内に、子供たちが言葉を放棄するようになって・・・要するに、全てが想定内の宇宙的真理に則れば、コミュニケーションなど必要ないのである。全てがニュートラライズされた上に、皆、秩序的なんだから。
でも、なんだかこれって、とても危険で怖い気持ちにもなる。ちょうど、本書の時代設定が、終末論の渦巻く1999年だけに、なおさら。
言葉は確かに面倒くさく、時に争いの種になる場合もあるが、だからこその、人間味もあると思うし、面倒くさい過程の末に得るものの素晴らしさも、あるんじゃないの? とは思ってしまうが。
そんな私に共感してくれるかのように、トキは本書でも、あくまで人間に拘っており、こちらの意見も聞かないで一方的に押し付けるのは、余計なお世話だと言う。
『ためにならないと自分で真底思い知らないかぎり、どこまでいっても同じ愚をくりかえすさ』
トキの言い分は、あくまで人それぞれの問題であるのに、その自由意志を奪ってまでやることの名目は、神だから? 宇宙の真理に反するから?
こうしてみると、トキの視点からも、人間の可能性について、色々考えさせるものがあり、ある意味、この作品は、宇宙の真理に喧嘩を売った物語といえるのかもしれない。
ということで、やはり、最後まで読まないことには、作品の顔が分からないため、評価は最後の4巻を読み終えた後にしようと思います。
ちなみに、ビローチャナのもう一つの名、「ルシャナ」が気になって調べてみたら、
ルシャナ(盧舎那)で、サンスクリット語の「ヴァイローチャナ」の音訳。
しかも、奈良県にある、東大寺の有名な大仏は、「盧舎那仏」とのことで、何か繋がりがありそうで、とても気になる。続きを読む投稿日:2022.11.27
ワンゼロって二進法の事だったのね(今更だけど)。描かれた当時からしたら随分先の1999年の未来設定ですが、今となってはパソコンの大きさとか所々古く感じるのは置いといて、内容は相変わらず小難しくも面白い…です。たとえ平和で調和の取れた世界がもたらされるのだとしても、個性や特徴がなくなり多様性が失われるのは人類としてどうかな~。続きを読む
投稿日:2015.08.20
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